21話 襲撃02
「ええ~い! しつこいのよ!」
【二段突き】を放ちライラは【レイピア】を賊より抜くと振り向きざまに素早く周囲を切り裂く・・・【乱れ切り】
【乱れ切り】で怯んだ賊へ1本の矢が突き刺さる・・・ティアの【疾風射ち】である。
「クッ! 聞いてないぞ! こんなに強い護衛がいるなんて!」
扉から逃げ出そうとして扉を開けた瞬間、賊は背後へと倒れ込んだ。扉の先には蹴りを放ったクレスが居た。
「無事?」
何事もなかった様に部屋へとクレスは歩み入る。
「クー!」
クレスの下へとナディアが駆け寄ると、蹴り飛ばされた賊が立ち上がる。
「邪魔! 【ホーリーライト】」
クレスが腕を振るうと賊へと光が降りそそぎ貫いた。
すると門前の方より歓声が上がる
「終わったようだな。」
クレイもティアの手を引きながらクレスの下へと駆け寄った。
「いや、まだ仕上げが残っているかな?」
クレスの言葉にナディアは小首を傾げる。
「まぁ、僕たちも門のとこまで行こう。」
クレスの言葉に頷き歩き出した。
・・・・・・・・・・・・・・・
門前では賊が討伐され歓声が上がっていた。討ったのはクルス軍ではなくクフト率いる騎士団であった。そんなクフトへ近づこうとするネモに上空よりホークが声を掛ける。
「またれよ領主殿。」
その言葉にネモは歩みを止める。
「ほぉ~【言語理解】をもつ魔物か・・・しかし待てとはどういうことかな?」
「貴公も【鑑定】レベル【3】を持っているであろう。そこの賊とあちらの小柄な騎士を【鑑定】してみるがよい。」
ホークの言葉に従いネモは【鑑定】のスキルを行使する。するとその表情が見る見ると険しいものへと変わりだした。
「馬鹿な! 【黒水】だと! ではこやつも? 【鑑定】・・・【黒水】幹部だと! ええ~い! そこの騎士どもを捉えよ!」
ネモの言葉に疑問を持ちつつも騎士たちはクフト達を囲み彼らへ【レイピア】の刃を向ける。
「こっこれは何の真似だ! ネモ! 我は未来の国王なるぞ! それをこんな扱いをして済むとでも思っているのか!」
「・・・」
荒げるクフトにネモは無言を貫く、そんな時屋敷のドアが開きクレス達が出てくる。そんなクレスのもとにホークが舞い降りる。クレスは腕を上げホークを止まらせる。
「それは貴公のか?」
「ええ、ホークは僕の執事的な存在ですが、それがどうかしましたか?」
クフトを無視してネモはクレスへと話しかける。
「そ奴のお蔭で犯罪組織につながる者どもを捉えることが出来た。感謝する。」
ネモはクレスへ向け頭を下げる。




