19話 運命
クレスに宛がわれた客室に、クレス以外にもナディア、ライラ、クレイ、そしてティアが来ていた。
「これなんだが、直すことは可能か?」
なぜ集まっていたかと言うと朝話に上がっていた修理依頼の為である。クレイが差し出した古めかしい刀を受け取り、クレスが抜き放つと、刀身は錆びほぼ使い物にならなくなっていた。
「どうだ直せるか?」
「普通に【鍛冶】では無理ですね。」
「そうか・・・」
再度クレスに直るかと聞き返したクレイは、クレスの返事に肩を落とす。
「でも【錬金術】なら【解析】・・・【錬金術】でも直すことは出来ないか・・・けど・・・」
クレスの【錬金術】の言葉に期待の表情を浮かべるが、ダメだと言う言葉を聞き最早項垂れてしまう。
「・・・これは・・・師匠にかかわりがあるのか?」
「ん? どういうことだ?」
クレスの呟きにクレイが再び顔を上げる。
「ああ、僕の使う【秘術】でなければ直すことが出来ない様になっているから、師匠とかかわりがあるのかなと思っただけだけど?」
「それは【竜牙】の団長から私が託された物だ。渡されるとき確か・・・『これを直すことのできる者の力となれ』だったけか・・・」
クレスの言葉にクレイは渡された時のことを思い出し呟く
「ふ~ん、まあ良いか後で師匠にでも聞こう。まずは【創世コア】起動! 【Fランクの魔石】【修復】【錬成】・・・良し、直った。」
魔石を取り出し【秘術】を用い【錆びた古刀】を修復し、【錬成】にて整える。
「【解析】・・・うんちゃんと【錆びた古刀】から【古刀】へ変わっている。成功だよ。」
そう言ってクレスは【古刀】を鞘へと戻しクレイへと差し出す。
クレイは恐る恐る受け取り、鞘から【古刀】を抜き放つと、クレイの頬を一筋の雫が垂れた。
「それは【進化する武器】だね。【鉄】【鋼】【ミスリル】【アダマンタイト】【オリハルコン】と【秘術】を用い進化させることのできる武器だね。」
「つまり、材料さえあればクーにも進化させることが出来ると言う訳ね。」
今まで作業を黙って見ていたナディアが口を開きそう言うと
「まるで運命ですね・・・」
とティアが呟いた。
ティアの言葉にクレスとクレイは顔を見合わせ、どちらともなく笑い出す。
そんな時ガラスが割れる音と共に悲鳴が上がる。
「ライラ、ディアをお願い! クレイさんは姉様を!」
そう言ってクレスは扉から駆けだした。




