07話 自己紹介
バツの悪そうにアムは舌を出しムントへ文句を言おうと口を開くと可愛らしいお腹の音が聞こえてくる。その音のもとに視線が集まると、そこには顔を真っ赤にして顔を隠すティアの姿があった。
「ティア・・・」
「うう~だって、美味しそうなんだもん・・・」
小声でクレイが名を呼び、ティアは言い訳をする。
「クスクス、アム彼らの分も用意して。」
「畏まりましたナディア様。」
ナディアがアムに追加を頼み、アムは階段を駆け下りた。
「私はお茶を入れますねナディア様。」
「お願いムント。・・・さあどうぞお座りください。」
ナディアに促されティアとクレイがソファーへ腰を降ろすとナディアは対面に座りその後ろにライラが控えた。
「まずは、私たちを助けて頂きありがとうございます。」
ティアが頭を下げる。
「いえ、助けたのはクーですから。」
ティアが頭を上げ小首を傾げながら
「クーとは先ほど案内してくださった方ですか?」
ティアの視線がリビングの外、甲板でホークとじゃれている青年へと注がれる。
「そう、それでえ~と・・・」
「ナディア様、まずは互いに自己紹介をした方がよろしいかと。」
「ああそうね。私はナディア、後ろに控えているのが騎士ライラ、そして執事のムント、先ほど料理を作りに行ったのが侍女のアムです。」
ナディアに紹介されそれぞれが頭を下げる。
「私はティア、こちらは私の護衛のクレイ。」
「クレイです。・・・つかぬことを窺いますがナディア様は、【ドーパン】辺境伯のご息女でよろしいかな?」
「ええ、アドルト辺境伯の娘で間違いなくってよ。」
すると2人から安どの息が漏れる。
「良かった~ほらクレイ言ったじゃない大丈夫だって。」
「・・・ティア。」
「ごめんなさい。それで、貴女達は・・・ってまずは私たちのことよね?」
ティアの言葉にナディアが頷く。
「え~と、彼らは・・・私を襲ったのは、父とは敵対関係にある者たちに雇われた者で・・・」
どういったらいいのか分からずに言いよどむティアの言葉を遮るようにクレスの声が割って入った。
「ディア達を巻き込むつもりならちゃんと自身の事を告げないとダメなんじゃないかな?」
クレスの声にティアは驚き、クレイはティアを庇う様に背にして手を広げクレスを見据えた。
「クー、ホークとの話は終わったの? それにちゃんと話さないとってどういうこと?」
ナディアは座っていた位置をずらしクレスが座るスペースを開ける。そのスペースへクレスは座り、ティア達を見据えにっこりと微笑んだ。




