06話 剣士クレイ
全ての盗賊たちが倒れ伏すとそこには1人の男性が立っていた。
髪の色は白と言うより灰色の長髪、瞳は青みがかった黒色をし、整った顔立ちの背の高いすらっとした青年である。
「クレイ! 無事だったのね。」
エルフの女性が青年に声を掛けると、青年の表情に一瞬笑みが浮かぶ。すぐにその笑みは消えクレイはクレス達を睨み付ける。
「クレイ、違うの! 彼らは敵ではないわ!」
ゆっくりと近づくクレイにエルフの女性が声を掛ける。クレイはエルフの女性とクレスを交互に見て、更に【ホワイトノア】に掲げられていた【ドーパン】の旗が目に入り、【クレイモア】を鞘に納め背中へと回す。
「ティア、状況が分からないんだが?」
「あのね、私が行けないの。野営中の彼らの下へ逃げ込んでしまって・・・」
「なるほど、巻き込んでしまったわけか・・・」
そう言ってクレイは甲板を見上げるが、そこにはクレス達はいなかった。
「状況が分からないのですが、説明していただけますか?」
不意にクレイの背後からクレスが声を掛ける。
「・・・」
「ここでは何ですから、中で話を伺いましょう。」
無言のクレイにクレスが話しかける。クレイはティアへと視線を向けると、ティアが頷く。
「・・・分かった。そいつらもいっそで良いか?」
クレイは2体の魔物を指しそう告げるとクレスは
「構いませんけど・・・格納庫までしか入れないと思いますよ? それども良ければどうぞ。」
「フッ変わっているな。」
歩き出したクレスに続くようにクレイが歩き出し不意に小声で呟く。
「あら? クレイが笑うなんて珍しいですね。」
「何のことだ? それより彼らは【ドーパン】の者だ。信用しても良いのか?」
「ん~、辺境伯様自身は、現国王の親友だと祖母から聞いています。彼方との繋がりは無いのでは?」
「・・・そうか、それでも用心はしておけよ。」
小声で話しながらクレイとティアは後部から【ホワイトノア】へと入って行くと、明るく照らされた室内に目がくらむ・・・しばらくすると目が慣れ周囲を確認すると普通とは違う色の【ライドバード】が3体目に入る。
更に扉を開け案内するクレスの後を追い、階段を上って行くと紅茶の香りが流れてきて
案内されるまま室内へと足を踏み入れると、そこには落ち着いた雰囲気のリビングがあった。
「夕食時であったのか? 悪いことをしたな。」
「あっ食べます?」
「アム!」
テーブルに並べられていた料理を見てクレイが謝ると、アムが勝手に食べるかと聞き、それをムントが注意した。




