05話 エルフ族
しばらく進むと南北の木々が離れ平地へと変わる。また北側は岩山がその姿を現し、辺鄙な場所であることを物語っていた。
空は赤く染まり薄暗く夜へと変わろうとしていた。
『ムント、何処か適当な場所で【ホワイトノア】を止めてください。』
「了解しました。」
ムントは山間の隙間となっている場所へ【ホワイトノア】を入れると操縦かんを前に倒し、浮遊ユニットを止め地面へと着地させた。
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リビングでは止まったことを確認したアムがキッチンへと降りて行く。入れ替わるようにムントが梯子から降りてくるとクレスが
「お疲れ~しばらくお茶でも飲んで休んで、ホークは周辺を偵察、デュエルとイージスは周辺警戒。」
矢継ぎ早にクレスは指示を出すと目の前のカップにあるお茶をその口に含む。
「クー、夜は走れないのかな?」
「難しいと思うよ? 夕暮れ時でもきつかったんじゃないかな?」
クレスの視線がムントへと注がれる。
「はい。室内は明かりの魔道具のお蔭で大丈夫なのですが、外となると・・・」
「あれ? でも前面を照らす魔道具つけてなかったっけ?」
ライラが装備品を思い出しながら告げるとクレスが
「付いては要るけど、魔物もよってくると思うよ?」
「それでも良ければということになるのですね。」
するとビービーと警戒を促す音が鳴り響き周囲を明かりの魔道具が照らし出す。
「敵か!」
ライラがソファーの横に立てかけていた【レイピア】を手に取ると外から
「敵ではありません! どうか話を聞いてください!」
女性の澄んだ声が聞こえてくる。クレスはリビングから甲板へと飛び出すと、明かりに照らされデュエルとイージスに【スピア】を突きつけられたエルフ族の綺麗な女性が【バトルウルフ】と【デスグリズリー】に守られているのが目に入る。
次の瞬間森から6人の男たちが駆けて来て、エルフ族の女性を包囲する形でデュエル達も包囲する。
「ケケケ、これは良い。そこのエルフを俺たちに渡しな! そうすれば命だけは助けてやっても良いぜ?」
「いやいや、向こうの女も別嬪ですぜ隊長。」
下品な笑い声が木霊する。
「・・・はぁ盗賊ですか? でも隊長ってことは傭兵? まぁどうでも良いか【ホーリーライト】」
クレスがそう呟くと光が盗賊たちへと降りそそぐ
「ぎゃ~!」
「ぐはっ!!」
「ひっ! 魔術士だ! にげ・・・」
逃げようとした男が仰向けに倒れ込む、倒れた男から赤い血が流れ動かなくなる。幾度となく煌めく閃光は盗賊たちを容赦なく切り捨てた。




