04話 出発の朝
準備が終わり、書置きを残してひっそりと出発しようかと思っていたクレス達は、領主であるアドルトにより翌朝の出発となった。
東門へと集まる民衆に囲まれながら門を出たクレスは【スペースホーム】の空間から【ホワイトノア】を出すと人々から大きな歓声が上がる。
「気をつけて行ってくるのだぞ。」
「はい。父上! 必ず食料を持ってくるから、皆もそれまで頑張ってくれ!」
「「「はいっ!!!」」」
ナディアが後部ハッチへ乗り込むと3機のユニットから風が勢いよく吹き出し、それを前後の翼で受け【ホワイトノア】が地面から離れる。
「クレス! 娘を! ナディアを頼む!」
クレスはナディアの横で大きく頷き、ハッチが閉まると、後部の赤い羽根が斜めに傾き滑るようにして【ホワイトノア】が動き出す。
「行ったな。」
「そうですね。戻りましょう、あなた。」
マリナに諭され門へと向かうアドルトがふと言葉を漏らす。
「ナディアはアレに惚れているようだが・・・身分が問題になるかもしれんな・・・」
「そうですね・・・王家に嫁ぐのですから・・・」
「そう・・・王・・・家?!・・・王家!」
アドルトは目を見開き大声を上げる。
「あなた、声が大きいですよ。知らなかったんですか? クレス様はこの国の第一王子です。」
「そっそれは真か!」
「はい。王家の家紋入りの短剣を見せて頂きましたから。」
「なっなぜそれを早く言わぬ! ああ~どこかで失礼な言葉を俺が言っていたらどうするつもりだ!」
「声が大きいですよ。それにどうもしないのでは? ナディアがいますし、クレス様もそう言ったことは気にしませんから。」
ニコニコと笑みを浮かべながら歩くマリナを追いかけながらアドルトは頭を押さえ首を左右に振るのであった。
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ムントは操縦席で前方を見つめ、鉄の管のふたを開け
「クレス様、間もなく川へと差し掛かりますがどういたしましょう?」
『橋は避け、川の高低差の少ない部分があるはずだからそこを通過して。』
「分かりました。・・・高低差、高低差っと、あれだな。」
操縦かんを左に少し傾けると【ホワイトノア】が左寄りに進路を取り出す。すると森から【ゴブリン・ナイト】が姿を現した。
「確か右の1番、2番スイッチオン」
2つのスイッチを下へ下げるとスイッチ上の小さなランプが灯り、リビング右側と倉庫右側の【自動弓】が動き出し撃ち始める。カシュッ! カシュッ! と音を立て2本の矢が【ゴブリン・ナイト】を貫いた。
「ホーク様、回収お願いします。」
通信管にそう告げると甲板からホークが飛び立ち、【ゴブリン・ナイト】の死骸から【魔石】を取り出すと再び甲板へ戻って来た。




