33話 報酬
夕方となりクレスはアドルトの執務室へと呼ばれていた。
「何だナディアも来たのか・・・まぁそこに座れ。」
ソファーにクレスとナディアは並んで座る。
「まずはこれを・・・」
アドルトはクレスの前に半透明の名刺サイズのプレートを布に乗せたまま差し出す。
「これは?」
「【ギルドカード】だ。マリナの奴が張り切って手配しておったわ。」
「ありがとうございます。」
クレスが受け取ると【ギルドカード】は淡い光を発し、【名前】と【ランク】が表示された。
「【E】ですか? 登録時は【F】からだと聞いていたのですが?」
「それはナディアに聞いてのことだ。【ゴブリン・ファイター】を単独で倒せる者が【F】では可笑しいし、まぁ【E】でも可笑しいことには変わりないのだがな。【D】への試験も受けられるようにしてあるとマリナは言っていたな。」
「・・・そうですか。お手数をおかけしまして申し訳ありません。」
「構わんさ、そしてこちらが【機械弓】に対する報酬だ。」
白金貨10枚がクレスの前に出される。
「父上! これでは少なすぎます!」
金の価値が良く分かっていないクレスは首を傾げる。するとナディアがクレスへと説明しだした。
「クー良いか? 一般の領民が1食に掛ける食費は約10ブロン、銅貨1枚だ。そして普通の宿が1泊2食付きで100ブロン、大銅貨1枚。鉄製の武器が10000ブロン、金貨1枚。アレの設計が1000000ブロンなわけあるまい。」
「落ち着けナディア。なにもこれだけと言う訳ではない。早とちりするな。まずひと月白金貨10枚を1年間支払う。これはギルド経由の支払いとなる。そして【機械弓】4機を物納。これだけでも足りないくらいだが、現状【ドーパン】では支払いが難しい。そしてマリナから聞いた話では旅をするのに何かを創るとのことだが、その材料費をこちらが持つ。これが俺のできる最大限だ。」
「そうですか・・・クーはそれで良いのか?」
「ええ、マリナ様と約束した内容ですね。」
「フッこれで全てではないぞ? これは【機械弓】に対するものだ。【フルーツポーション】に対する対価は【アップルポーション】1本につき450ブロン、【ベリーポーション】1本につき1200ブロン支払おう。今日納品された【アップルポーション】の代金、銀貨4枚に大銅貨5枚・・・4500ブロン・・・確認してくれ。」
「・・・確認しました。」
クレスが報酬を確認するとアドルトは更に言葉を紡ぐ
「明日からは、出来れば【ベリーポーション】の方を頼む。傷に関しては従来の【ポーション】でも問題ない。飲むわけじゃないしな。だが・・・」
「【MPポーション】は飲みますからね。分かりました。そのようにいたしましょう。」
「うむ、済まんが頼む。」




