29話 治療
「「ええ~!!!」」
ナディア、ライラの驚きの声が響き渡る。
「クー? 本当のことなの?」
クレスは頬を指でかきながら頷き、マリナから短剣を返され懐へしまう。
「でも僕は国のことは考えていないけど・・・」
「そういうわけにはいかないでしょうね。」
マリナはクレスの言葉に重ねて今後どうなるかを伝える。
「ここには旅の準備のために来たんだけどな~・・・」
「クスクス、それはしょうがないでしょうね。ナディアを伴侶に選んでしまったんですから♪」
「クーごめんなさい・・・」
「ディアのせいじゃないさ、僕の選んだ結果だね。」
クレスは優しくナディアの頭をなでる。
「そうですよナディア、貴方はクレス様を信じクレス様を支えればいいのです。」
「はい♪」
するとライラが遠慮がちに
「あの~それほどの機密、自分などが聞いてよかったのでしょうか・・・」
「勿論です。貴方にはクレス様やナディアの護衛として就いて行ってもらいたいのですから。」
マリナを見つめライラは考えるように間を置き
「分かりました。元々自分はナディア様の護衛。謹んでその命受けさせていただきます。」
「あらあら、そんなに畏まらなくってもいいのよ? ナディアは箱入りでしょ? それに聞けばクレス様も俗世に疎いと来れば・・・あら? 貴方も疎いと言えば疎いわね・・・こまったわ~」
「それならムントとアムを連れて行ってはダメかしら?」
ナディアの言葉にマリナは
「・・・貴女付きの執事に侍女ですね・・・少し若い気もしますが、その方が安全でしょうね。」
「では、自分が2人を呼んできましょう。」
「待ってライラさん。」
立ち上がり移動しようとするライラをクレスが止める
「何でございましょうかクレス様?」
「ちょっとこちらへ来てくれるかな。」
ライラはナディアに視線を送るとナディアが頷いた。
「分かりました。」
ライラがクレスの前に来るとクレスは
「そのまま動かないでくださいね。・・・【リジェネーション】」
青く暖かな光がライラを包み込む。マリナはその光景に驚き口をパクパクと開いたり閉じたりを繰り返す。
「これで良いと思いますけど、腕動きますか?」
光が収まるとクレスが紡いだ言葉に従いライラが恐る恐る左腕を動かす。
「動く・・・動くわ!」
「それは良かった。」
「・・・クックレス様? 今のは・・・【聖術】ではなくて?」
震える声でクレスにマリナが聞くと
「ええ、そうですけど?・・・もしかして何か不味かったですか?」
「不味いというか・・・【聖術】の使い手はその数が極端に少ないのですよ?・・・はぁクレス様は暫く【ドーパン】で常識を学んだ方が良いみたいですわね・・・」




