28話 秘密
クレス達は屋敷の応接室へと通されソファーに座り話し込んでいた。
「へ~そんなことがあったのか。それであんなところに流れ着いていたわけか。」
ナディアの説明を聞いてクレスが感想を述べる。
「ナディア様を助けて頂き本当にありがとうございました。」
深々と頭を下げお礼を言うライラにナディアは
「もう! それはもう良いから!」
するとガチャリと音を立て扉が開き、マリナが部屋へと入って来る。
「そうね。その後のことを詳しく聞きたいわ♪」
「母上!? なっ何でここに? 父上とご一緒では? ってそれよりノックくらいしてください!」
マリナの入室に慌てふためくナディアをよそにマリナはクレスの前へと歩み
「娘ナディアを助けて頂きありがとうございます。」
深々とクレスに頭を下げたマリナがいた。
「運が良かっただけですよ。伯爵夫人。」
するとマリナが勢いよく頭を上げ頬を膨らませながら
「【お義母様】もしくは名前で呼んでちょうだい! 伯爵夫人なんてよそよそすぎますわ!」
「そっそれではマリナ様とお呼びします。」
「む~・・・まあ今はそれで良いわ。」
・・・・・・・・・・・・・・・
どうやって助けたのか、助けた後どう過ごしたのか根掘り葉掘り聞かれ2人が頬を赤らめるのを嬉しそうにマリナは見つめ
「これからもウチのナディアを末永くよろしくお願いします。」
深々と頭を下げた。
「母上!?」
「何を驚いているのです。今の話から察するに貴方方はお付き合いしているのでしょ? 私は貴方達を応援します。・・・でも条件が有ります!」
クレスとナディアの顔に緊張が走る。
「クレスさん、貴方の身分を証明するものをお持ちですか?」
「母上! 私はクーが何者でも! 平民でも構わないわ!」
「黙りなさい。・・・私はクレスさんに訊ねているのです。」
何かを言おうと口を開けたナディアをクレスが手で制し
「ディア! 大丈夫、僕は大丈夫だから。」
マリナもヤレヤレと言った様に手のひらを上に上げ首を振り
「ごめんなさいね。今後貴方たちがどういう立場になるかはっきりさせずに私はナディアを嫁がせるわけにはいかないのよ分かってちょうだいナディア。」
「・・・母上。クー・・・」
優しく声を掛けられナディアはクレスの腕に自身の手を絡ませ頭をその肩に預けた。
「さて、どうなのですかクレスさん?」
クレスは懐から1本の短剣を取り出しそっとマリナへと差し出す。
「・・・やっぱり、見た瞬間もしかしてと思ったのだけど・・・」
「母上?」
「良いことナディア、クレスさん・・・いえ、クレス様はこの天魔国の王クウェイン様の長子・・・つまり王太子殿下なのですよ?」




