22話 使者
整備された大きな街道をアルトを初めレフト、ライト、他3名の騎士を伴い、それぞれが黄色い【ライドバード】に跨り全速力で駆けていた。時速にして30~40Kmぐらいの速度である。そんなアルトたち一行に立ちふさがる者たちがいた。【ゴブリン・コマンダー】率いる【ゴブリン・ファイター】1体、【ゴブリン・アーチャー】1体、【ゴブリン】3体の小隊である。
「くっこんな時に!」
悔しそうな表情でアルトが呟く、すると騎士3名の【ライドバード】が速度を上げアルト達を追い抜くと
「ここは我らにお任せを! うぉぉぉぉ!!!」
そう言い捨てた騎士を先頭に【ゴブリン小隊】へ突撃を開始した。
「まっ待て! 俺たち・・・」
「なりません! 彼らの覚悟を無駄にするおつもりですか!」
「ライト! 早いとこ抜けた方がよさそうだ。」
ライトがアルトを止め、レフトが後方を指しながらそう告げる。アルトが後方へ視線を送ると前方に居るのと同じ【ゴブリン小隊】が迫って来ていた。
「若! こちらへ!」
ライトに導かれるままアルトは唇を噛みしめ悔しがる。
アルト達が抜けた後方で騎士たちの断末魔の声が響く・・・
辛くも突破できたのもつかの間【ゴブリン】6体に取り込まれたアルト達は
「何としてもここを抜ける!」
アルトは腰の【ミスリルソード】を抜き叫ぶと
「しゃ~ね~なっ!」
レフトの【ハルバート】が【ゴブリン】へと振り下ろされる。
「レフトっ! 離れすぎるなっ!」
【ゴブリン】の【ナイフ】による攻撃を【スモールシールド】で防いだライトが【レイピア】による【二段突き】を繰り出し【ゴブリン】の喉を貫き倒した。
「大丈夫だ! 目の前の敵に集中しろ!」
【ゴブリン】を蹴り飛ばしたアルトが叫ぶ。
【ゴブリン】達を何とか退けたのもつかの間・・・後方より騎士たちを倒した2つの【ゴブリン小隊】が迫って来た。
「ちっ! しゃ~ね~! ライトは若を連れて先に行け! ここは俺が死んでも通さん!」
「レフト?」
「行きますよ若!」
「でもレフトがっ!」
ライトに引かれその場を離れようとしたその時ドドドドドドッ!と地響きを上げアルト達を横切り、2つの【ゴブリン小隊】へ突っ込む漆黒の甲冑に身を包んだ【ミスリルスピア】を持ち黒い【ライドバード】に跨った男が突撃して次々とその槍で【ゴブリン】達を葬っていくのが見えた。
そんな風に見とれているアルト達に更に【ライドバード】に跨った騎士たちが横切っていった。




