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第4匹 サメ、時々天使

最後の方にちょっと流血があります。

海の中なのでモワモワしてます

「Γεια イ!」

(ぐッ……)


ガツンという衝撃で目を覚ました。

気絶して倒れていたところをなにか棒のようなものの先で腹のあたりを殴られたらしい。

鱗が剥がれたらどうすんだよ!

立ち上がる…というか体勢を立て直そうとしたら動けなかった。どうやら縛られているらしい。

魔力感知レーダー発動!

うんやっぱり。ここは既に神殿の中みたいだ。


「Κάνツヲ το πράレ ツασφテイケ!」


俺を殴ったのはどうやらこの謎言語を話す槍を持ったサメだな。

…槍を持った喋るサメ?何故に!

あ、ちょ、同じような槍持った仲間が1、2、3匹も来て…おい!俺を運び始めるな!目隠しまでしやがって!そんな趣味俺にはないぞ!

体を必死で捩っていると尾びれが1匹のサメの腹にクリーンヒットした。

はっはっはー!さっきのお返し…あっすみません、すみません。もう暴れないから槍をエラに添えないで!



目隠しを取られて縛りを解かれたと思ったら

ある檻のついた洞窟にぽいっと放り込まれた。もちろん鍵をかけられた。

えーなんでやー。

ただの綺麗なお魚さんになんて仕打ち!

酷いわお兄さん!と、めいいっぱいの上目遣いを鍵をかけたサメ兵士にしたけど意味不明言語を怒鳴られて終わりました。

俺の魅力がわからん奴め。


魔力感知レーダー君はここがあの謎の妨害されてる部屋に近すぎて、働かないらしい。

一様、洞窟は奥に伸びているようだから進んでみるか。


仄かに光る電灯のようなものが壁の端に付いている。あれどういう仕組みなんだろ。

あの謎言語サメ達が作ったのかな。

どうにかしてここから出るためにも意思疎通位はしたいものだけど。

言語理解スキル伸ばしたいなあ。

あれ、そもそも俺喋れるのか?


「ア゛…uu…」


ん。あいうえおって喋ったつもりだったんだが。洞窟進んでる間暇だし練習しよう。できる気がする。



「アiウ…エO…aiうえO」


《スキル・・・言語理解がLv.3になりました》


「アイu…エオアイウeoアイuuエオ」


《スキル・・・言語理解がLv.4になりました》


「アイウエオ…あいうえお!」


《スキル・・・言語理解がLv.5になりました》


「よっしゃああ!キタコレ!」

「ひやああああ!」


上手くいったぞ!うんうん。俺はやればできる子ですからね。ん?

んん?

悲鳴?


ふと前を見れば青い目にうるうると今にもこぼれ落ちそうな涙を貯めた7歳くらいの女の子がいた。長く青い髪の毛は首のあたりでまとめられており、服は貫頭衣の様なものを着ている。そして、脚元は…そこに二足歩行のできるような足はなく代わりに緑色の鱗とヒレがあった。

もしかして、もしかしなくても、


人魚!


これは仲良くなるしかないね!この檻付きの洞窟にいる事は少しはこの状況を確認できるかもしれないしな。

決してやましい気持ちとかないからな!

ないからな!

ただの母性だから!


「あのー。」

「ヒッ!!食べないで!」


いや食べないし!こんな可愛い子食べたらこの世界の大損失だからな!とりあえずそっと声かけて怯えを取り除かないと。


「あの、その…驚かせてごめんね。俺は全く君を食べるつもりは無いし、どちらかというと君の仲間みたいなものだ。」

「なか…ま?」

「そう。俺も訳分からないうちに槍持ったサメここに入れられて困ってるんだ。」

「お魚さん…魔力いっぱい……強いのに…入れられた?」

「え?なんで俺の魔力が分かるの?」


というか俺の魔力いっぱいあるのか?


「だって……お魚さんから…沢山漏れて出てる…怖い……。」

「……。」


《スキル・・・魔力感知が魔力操作に進化しました》


「あ…怖くない…。」



なるほど。魔力が漏れてて周りにほかの魚が来なかったのか。ごめんな!自分の魔力の管理もしっかりできない不甲斐ないお魚で!これからもお前のためならスキルくらいいくらでも進化させてやるからな!

根性ー!





□■神殿内の何処かの洞窟■□


「首領!」


部下のひとりが部屋に入ってきたのを見てその部屋の主であるサメは、かったるそうに顔を向けた。

部下よりも明らかに大きく、口元から見える歯は確実に獲物の喉を喰いちぎる刃のようである。厳しい顔の右目には大きく縦に傷があり、それがまた凶暴さを増して見せた。



「なんだ。さっきでかい魔力を感じたが、また神殿の道具でも壊したのか?」

「いや、首領!聞いてくだせえ!今度はそうじゃないんですよ!」


嬉しそうに尾びれをばたつかせる部下に、首領のサメは顔をしかめ訝しげに返した。


「は?じゃあ何だ?」

「魔力の溢れた虹色の魔グロが気絶してたんすよ!」

「何だと?嘘行ってねえだろうな。直ぐに捕まえて『檻』に入れただろうな?」


ギロリと部下を睨みつける。部下はへらっと笑った。


「入れましたとも!これで暫くは安心して過ごせますね!首領!」

「そうだな。ご苦労。」


首領は部下に微笑んだ。凶悪な顔つきだが、笑うことが出来るんだなとそんな事を考えた部下は


「あっ…へぶぇっ…?」


視界が斜め下にずれるのを感じた。


「この事を漏らされるのも面倒だ。今までご苦労。お前は死ね。」


首のついていた場所から大量の血液が吹き出しモワモワと赤いモヤを辺りに生み出す。

ゴトンとゆっくり首が落ち、遅れて体が倒れていくのを、サメの首領は変わらず口を歪めて笑いながら見ていた。


やっとまともに会話を始めた主人公のステータスは現在こんな感じ。


名前:未設定

種族:ビッグ魔ぐろ

称号:転生者、希少物

スキル:『鑑定Lv.3』『言語理解Lv.5』『幸運Lv.4』『水流操作Lv.5』『悪食Lv.1』『魔力操作Lv.1』『痛耐性Lv.5』『水魔法Lv.5』『木魔法Lv.5』『変身Lv.2』『速泳Lv.4』『鋭刃Lv.3』『回復Lv.1』


主人公はロリコンじゃないです。共働きだった親の代わりに妹、弟達の面倒を見ていた時期があったから、子供好きになってるという裏話があるんです。ロリコンじゃないです(2回目)

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