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疑惑から確信へ

 優星の額に光を当てながら、樹は呟く。


「…面倒なことにならなければいいけど…」

「樹! 止めて!」

「!?」


 突然愛美が叫ぶと、樹が弾き飛ばされ壁に叩きつけられた。


「ぐ…ぅっ」

「樹さん!!」

「…ん…」

「! 銀条くん…!」

「…え…?…あ、確か…古金(こがね)生徒会長…さん」


 沙月が樹に駆け寄ったちょうどその時、優星も目を覚ました。何が起きているのか理解できず呆然としている優星に、愛美が話しかける。


「銀条くん、体の調子はどう?」

「あ、はいっ…大丈夫、です…って、どうしたんです…?…これ…」

「あぁ、気にしなくていいよ銀条君。僕は大丈夫だ」


 樹はよろけながら、沙月に支えられて立ち上がる。そして、優星を見据えた。


「…君は…一体何者なんだ…?」

「え…?」

「銀条くん…あなたのその"首に掛けている物"を見せてもらってもいいかしら…?」

「え、あのっ…何でこれを首に掛けてるって…」


 愛美の問いに、優星は思わず畏怖を覚え、首元を抑えた。優星は制服を着崩すことがない為、胸元が開いていることはもってのほかで、首に何かを下げていることを認識することは困難を極める。それなのに、彼に触れることも、先ほどのダウジングを中断されたにもかかわらず、服の下に隠れている物の存在を見破ってしまった愛美。隣では沙月も不安の表情を浮かべて彼を見ていた。


「…そんな大した物じゃありませんよ…?」


 優星はそう言って、渋々と制服のネクタイを緩め始めた。ある程度シャツのボタンを開けたところで、優星は服の中へ手を入れ、言われた物を取り出す。


「…!?…これは…!」

「銀条くん…あなた…!」

「? これがどうかしたんですか…?」


 優星の手に収まっていたのは、鞘の無い剣型のペンダント。美しい模様が彫り込まれた(つか)は金色で、刃は主流の銀色ではなく、ガラスか水晶でできているのか透明で、プリズムのように七色の輝きを見せていた。

 それを見た三人の反応に、優星は訝しげな表情を見せる。未だに驚きを隠せない様子の三人は、しばらくの間、声も出なかった。


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