顔合わせ 2
最後に右手を差し出したのは、長身で、メンバーの中では唯一眼鏡をかけた厳格な雰囲気を纏った男子生徒だった。その顔を見て、優星はハッと気を引き締めた。
「えっ…鉄枝先輩…?」
「ん、俺の事、知っていてくれたのか…なら話は早いな。三年の鉄枝李土だ。生徒会は愛美たちに引き継いだが、"ここ"のメンバーとして毎日顔を出しているよ。リーダー兼術士を務めている。よろしく頼む」
「あ…と、よ…ろしく、お願いしま、す…」
優星はあまりの緊張で挨拶もままならない状態だった。なんといっても、目の前に立っているのは学校内最優秀成績保持者であり、全国模試を総なめし、数々の賞を獲得してきた経歴を持つ愛美の前の生徒会長。そして、優星が憧れている一人だった。そんな人と今、握手までしている彼にとって、一番緊張のピークを迎えていた。
「…大丈夫か? 銀条」
「えぁっ!? はい! すみませんっ大丈夫です!!」
「全然大丈夫じゃなさそうだけど…」
「ところでかーやん、李土さんは何点なんだい?」
「………98点」
「「たっか!!」」
「でも100点じゃないんだ…」
「残りの2点はどうして?」
「…堅物過ぎ?」
「…………」
沈黙。その場にいた李土と火弥以外のメンバーは、その場の空気が一瞬でも凍りついたのを察した。気を取り直した李土がひとつ咳払いをし、優星に向き直り再び手を差し出した。
「まあ、こんな感じのメンバーの中に、君も仲間入りということだ…改めて、"政府認定軍事機関『スピカ・サテリート』"の特別調査班へようこそ。銀条優星」
「…はい。よろしくお願いします」
(軍事機関って…この歳でそんなところに所属しているのかよこの人たちは…)
「さて、昨日愛美たちが大まかに説明をしたと思うが、今日はいろいろ詳しく話していこうか」
優星と握手を交わした後、席に着き手を組むと、真剣な眼差しで話し始める李土。それに続いて他のメンバーも自分の席に着く。優星も席に着くよう促される。
「優星、ここに座って」
「あ、うん。ありがとう」
「…うん、全員揃ったな。愛美たちは昨日どこまで話した?」
「昨日は…私たちが天星界から来た、ということは話しました」
「"力"のことは?」
「まだ話していないです」
「了解。じゃあまずそこからかな。昨日よりかなり長くなるけど、いいかい?」
「はい…覚悟はしています」
「よろしい。わからないことがあったら質問してくれ」
そして一息つくと、李土はゆっくりと話し始めた。




