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玉手箱

何故その小さな家に行ったかは、分からない。小さな庭が入りやすかったのか、窓が少し開いていたからなのか…雑草を踏み分けて中を覗くと、男が一人台所に立って、不器用に魚を切っていた。

あれはカジキ鮪だニャ~

男はコンビニ弁当にも飽きたので、今日は料理本とにらめっこで、カジキの照り焼きと、肉じゃがを作るつもりなのだ。

本を見ては、きっちり醤油や味醂を量り、また本を見る。結局全部出来るまで、二時間近くかかってしまった。

あ~やっと出来た。テーブルにインスタント味噌汁と大盛りのご飯が並んだところで、猫の鳴き声がした。

窓の下を見ると、野良らしい三毛猫がちょこんと座っていた。駄目だよ。猫は好きじゃない。どこか他に行け!男は窓をピシャリと閉めた。

新聞を読みながらバクバクと食べ、そして眠った。先週の疲れもあったのか…何しろ馴れない京都弁はやらかいようで、難解なのだ。

二時間位昼寝をして、目を覚ますと、どこから入ったのか、あの猫が寄り添って寝ていた。

ヒェ~なんだ!なんだ!それに残した肉じゃがも食べられていた。ただ驚いて首を掴み、そのまま摘まみだそうとした手を止めのは、もう長くなる京都の単身赴任の寂しさだったのかもしれない。

つづく


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