表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

②森の中での戦闘~EDまで(応募作の続き)

◯森の中・広場(夜)

   森の中の少し開けた場所。

   クレメンティの隊長機、倒れているインディ(お腹にはミミー)から10m以上離れた場所で、ズシャンと地面を踏みしめて現れる。

クレメンティ「驚いたな。報告通りだ」

   と横たわるインディの肩にコブがないことを確認し、

クレメンティ「パラライザーがない。通常の交配システムを持たないお前らがどうやって……」

インディ「来るな! それ以上、僕たちに近づくな!」

   とインディ、地面から上体を起こし、隊長機に向けて、矢の装填されたクロスボウを構える。

クレメンティ「おっと。変な気は起こすなよ。それとも……」

   と隊長機、インディに向けて、割れた右手の銃口を構える。

クレメンティ「もう一度、痛い目に遭いたいのか?」

   と右足を一歩、前に踏み出す。

   次の瞬間、隊長機がガクンと姿勢を崩す。

クレメンティ「――ッ!?」

   隊長機の右足、落とし穴にハマっている。

クレメンティ(なんだ? 落とし穴?)

   と今度は、隊長機が前方に伸ばした右手に、木の上から降ってきたロープの輪がスポッと引っかかり、右手首をグイッと釣り上げる。

クレメンティ「!?」

テイル「オラーッ!!」

   とテイル、木の上から一本のロープをつかんだまま降ってくる。テイルの持つロープの一端には、丸太が数本巻き付けてあり、テイルはその丸太の上に立っている。

クレメンティ「今度はなんだァ!?」

   隊長機の右手を縛り上げたロープと、テイルの持つロープは、高い木の股を経由してつながっていた。滑車で重たい荷物を持ち上げる原理で、隊長機のロボットの右腕を持ち上げる作戦である。

   テイルの作戦通り、隊長機は落とし穴で姿勢を崩し、右手をロープに釣られて、宙に上げた状態になる。

   テイル、ロープにぶら下がったまま、

テイル「しゃあー! 械獣猟師ナメんな、コラー!」


◯インディの操縦室(夜)

   ミミー、インディの丸窓(前面モニター)を眺めて、

ミミー「わかった! たぶんアレが、あいつの目玉だ!」

   と操縦桿を使い、隊長機の頭部のメインカメラにマークをつける。


◯森の中・広場(夜)

   インディ、上体を起こした姿勢で、

インディ「見えた!」

   とクロスボウを構える。

インディ&ミミー「いっけぇぇぇーッ!!」

   とインディ、矢を発射。

   飛翔する矢、隊長機のメインカメラを目がけて飛んでいく。


◯隊長機・操縦室(夜)

   クレメンティ、ハッとした顔で、

クレメンティ(やつら、メインカメラを!? 甘いッ!!)

   と操縦桿をグイッと操作。


◯森の中・広場(夜)

   隊長機、左足の足底からスラスターを噴射。空中で半回転して、目の前に飛んできた矢を緊急回避。

テイル&インディ&ミミー「翔んだー!?」

   飛翔する矢、隊長機のヘッドパーツの側面に引っかき傷を残し、夜の闇へと消える。

   空中で回転しながら飛ぶ隊長機、左手の手首からナイフが飛び出す。左手にナイフが装着された状態になる。

   隊長機、空中で右手を伸ばし、ロープにぶら下がっていたテイルを捕まえる。

テイル「うわっ!」

   隊長機、左手のナイフを振るい、『自機の右手に絡みついたロープ』と『テイルがつかんでいるロープ』を一度に切断する。

   隊長機、テイルをつかんだまま、地面の上にスーパーヒーロー着地。

クレメンティ「勝負あり!」

   ミミー、インディのお腹の丸窓から顔を覗かせ、

ミミー「しまった! テイルが!」

インディ「クソッ!」

   とインディ、クロスボウに矢を装填し、自身の足に絡みついたボーラ弾の円盤パーツを矢で破壊する。

   テイル、隊長機の手の中でもがいて、

テイル「チクショウ! 離せ!」

クレメンティ「いい作戦だったな、小僧。だが相手が悪かった。諦めろ」

ミミー「諦めない! テイルを連れてはいかせない!」

   とミミーとインディ、横一列に並んで隊長機と対峙。インディの手には装填済みのクロスボウ。ミミーはクロスボウの矢(機械人用なので大きめ)を槍のように構えている。

インディ「村の人たちも取り戻す! 同じ機械人のくせに、こんなヒドい真似するなんて! 僕はお前を絶対に許さない!」

   テイル、隊長機の右手の中で、

テイル「バカ! お前ら、早く逃げ――むぐっ」

   と隊長機、右手の親指でテイルの口をふさぎ、

クレメンティ「誤解するなよ。俺は貴様らなんぞと同じではない。もっとも同じ穴のムジナではあるがね。さあ、これ以上の争いは蛇足。武器を捨てて投降せよ」

   ミミー、ジャンプして、インディの背中に乗り、

ミミー「今度は二段作戦でいくよ!」

インディ「オーケー、ミミー。しっかりつかまって」

   隊長機、メインカメラがギラリと光る。

クレメンティ「まだやるか。少しは賢しい若造と期待したが、しょせん子供は子供」

   インディ、隊長機に向けて突撃開始。

インディ&ミミー「うおおおおーッ!!」

   隊長機、顔の前にナイフを構え、

クレメンティ「いいだろう。説教タイムだ。いい年こいた大人のお仕置き! その真髄を、骨身に叩き込んでやる!」

   と突然、「ズズゥーン!」という地響きと共に、地面が大きく揺れる。

   全員が意表を突かれ、その場で動きを止める。

インディ&ミミー「!?」

クレメンティ「な、なんだ!?」

   続いて、森じゅうに響き渡る、「バオオォォォ……」という大きな鳴き声。森じゅうの空気がビリビリ震えている。


◯ピコネコ村・海沿いの浜辺(夜)

   浜辺では、村の人々と敵兵、械獣たちの三つ巴の争いが起こっていたが、大きな鳴き声を合図に一時休戦。皆、手を止めて、空を見上げている。

   村長、天を仰ぎ、目を見開き、

村長「こ、これは……」


◯輸送機・操舵室(夜)

   カペッロ、額に汗を浮かべ、中央モニターを凝視し、

カペッロ「この鳴き声は……。ま、まさか!」


◯隊長機・操縦室(夜)

   クレメンティ、驚いた顔で、

クレメンティ「大械獣か! 野郎、二百年ぶりに吠えやがった!」

   とモニターに輸送機の通信士から、全隊員に向けて連絡が入る。

通信士『ほ、本部より緊急通達! 作戦行動中の全部隊に撤退命令です! 大至急マザーシップへと帰還せよ、とのこと!』

   クレメンティ、自嘲気味にフッと微笑し、

クレメンティ「イレギュラーな事態は、イレギュラーな存在が引き起こす、か……。めったなことは口にするもんじゃないな」

通信士『繰り返します! 総員ただちに撤退! マザーシップへと……』


◯森の中・広場(朝)

   インディ、我に返って再び突撃を開始。

インディ&ミミー「テイルを返せー!」

   隊長機、インディたちに向かって、テイルをポイッと投げる。

   インディ、あわててクロスボウを捨て、テイルをキャッチ。

インディ「うわ!」

ミミー「ホントに返した!」

   隊長機、背面スラスターを噴射。うっすらと白んできた空に向かって、飛び立ちながら、

クレメンティ「どうやら潮時らしい。ひとつ忠告しておく。お前らに残された選択肢は三つ。械獣に喰われるか、俺たちに捕まるか、あるいはそのどちらでもないのか。好きな道を選ぶといい。では、またどこかで会おう」

   と隊長機、輸送機に向かって飛び去っていく。

   ミミーとテイル、去って行く隊長機に向けて拳を振り上げ、

ミミー「うっさい! 二度と来んな、バカー!」

テイル「そうだ! おととい来やがれー!」

インディ「……どっち?」


◯ピコネコ村・海沿いの浜辺(朝)

   水平線に朝日が昇り、浜辺に残された檻の残骸を照らす。はるか上空を飛び去っていく複数の輸送機。ピコネコ村の人々が浜辺に立ち、その様子を疲れ切った顔で見つめている。

   その群衆の中でミミーの両親、カールとコリーナがつぶやく。

カール「械獣は森に帰り、侵略者は去っていった」

コリーナ「終わったのね。私たち全員、無事に乗り切った!」

   と緊張の糸が切れ、側にいたテレーヌとプーシャンが泣き出す。

テレーヌ「う、うわあああん! 怖かったよー!」

プーシャン「うう……ぐす……プーは全然、怖くなかった……」

テレーヌ「うそー! うそつきー! だったらテレだって怖くなかったー!」

   ミミー、隣でその様子を見て、クスッとほほえみ、

ミミー「もう。二人とも負けず嫌いなんだから」

   コリーナとカール、ミミーたち三姉妹を抱き寄せて、

コリーナ「よしよし。皆よく頑張ったわね」

カール「えらかったぞ。お前たちは父さんと母さんの誇りだ」

   ミミー、少し照れくさそうにするも、浜辺で一人座って遠くの海を眺めているテイルの姿に気づく。

   ミミー、家族のもとを抜け、テイルの背後に近づき、

ミミー「あれ? インディは?」

   テイル、ふり返らずに、

テイル「広場に卵を見に行ってる。ドラゴがちゃんと回収できたのか心配なんだと」

   ミミー、テイルの隣に座り、

ミミー「律儀だねぇ、インディは。生き物大好きだもんね」

テイル「なあ、ミミー」

ミミー「なに?」

テイル「あのでっかい機械人が言ってた言葉。あれってどういう意味なんだろうな」

ミミー「三つの選択肢の話?」

テイル「械獣に喰われるか、あいつらに捕まるか。それとも……」

レザーの声「おーい! 皆ー!」

   テイルとミミー、座ったまま振り返る。

   レザー、遠くの方から浜辺にいる人たちに向けて、手をふりながら大声で、

レザー「村長が呼んでるぞ! 広場に集まれって!」


◯ピコネコ村・広場(朝)

   村人たち、広場に集まって座っている。村の中はめちゃくちゃで、周りの建物が崩れかかっている。テイルたち三人は、群衆の最前列に座っている。

   テイルたちの後ろにいる村人AとBが話をしている。

村人A「見ろよ。村じゅうがめちゃくちゃだ」

村人B「侵略者に混じって、械獣も襲ってきたからな。踏んだり蹴ったりだぜ」

   テイルたち、無言で冷や汗をダラダラ垂らす。

   ミミー、テイルを肘で小突き、ヒソヒソとささやく。

ミミー「余計なこと言わないようにね」

テイル「わかってるって」

   とテイル、インディに話しかけ、

テイル「なあ、卵はどうだった?」

インディ「お腹にしまってある」

テイル「マジかよ! あいつら持って帰らなかったのか!」

   ミミー、口に人差し指をあて、

ミミー「しー!」

   テイル、今度は注意してヒソヒソと、

テイル「しょうがない。証拠隠滅だ。あとで焼いて食べようぜ」

インディ「やだよ。かわいそう」

テイル「えー。じゃあ、どうすんだよ」

村長の声「オッホン!(せき払い)」

   ネモイ村長と相棒のステイル、群衆の前に立っている。

   村長、せき払いで皆が静かになったのを見て、

村長「うむ。まずは皆。無事で何よりじゃった」

ステイル「一人も犠牲者がでなかったのは幸いだ。さらわれた者もいない。皆よく耐えて頑張った」

   村人C、手を上げて、

村人C「村長。あの連中は、いったい何者だったんですか?」

村長「さあのう。わしにもわからん。じゃが、人さらいを行う蛮族の噂は聞いたことがある。おそらく、その類じゃろう。もはやこの村も安全な場所ではなくなった、ということじゃ」

   ザワつく村人たち。

村人たち「そんな……じゃあ、ピコネコ村はどうなるんだ?」

村人たち「私たち、これからどうすればいいの?」

ステイル「落ち着け、皆の者」

   とステイル、広場の端っこで仰向けに寝転がり、ゼイゼイとあえぐブッチを指差して、

ステイル「実はさきほどブッチに頼んで、他の村の様子を見に行ってもらった」

村人たち「それで、あいつバテてんのか」

   村人A、手を上げ、

村人A「他の村はどうなってました?」

村長「どこも似たような状態だったそうじゃ。蛮族に襲われ、村は壊滅。連れ去られた者が何名もおった。しかし大半は無事だという話じゃ」

   村人AとB、納得した顔で、

村人A「じゃあ、うちの村は運がいいほうだったのか」

村人B「全員無事だったしな。逆に械獣が引っかき回してくれてよかったのかも」

   テイルたち、前列で「うんうん」と激しくうなずく。

村長「ブッチの報告を受け、わしとステイルはひとつの計画を立てた。これから他の村の者たちと合流する。残った者たちを集めて、ひとつの大きな村を作ろうと思うのじゃ」

ステイル「蛮族がまた襲ってきた時に備えて、守りを固めようというわけだ」

レザー「おっと、村長。そいつはマズいんじゃないのかい?」

   とレザー、地面で伸びているブッチに向けて、大きな団扇を仰ぎながら、

レザー「人が一ヶ所に大勢集まれば、その気配を嗅ぎつけて、危険な械獣が寄ってくる。だからあたいらは、小さな村に分かれて、バラバラに生活してるわけだろ?」

   再びザワつく村人たち。

村人たち「確かにそうだ。大きな村なんて作れば、俺たちは械獣に喰われちまうぞ」

村長「その通り。だからこそ皆の意見を聞きたいのじゃ」

   と村長、右手でピースサインを作り、

村長「わしらに残された道はふたつ。械獣に喰われるリスクを負って、蛮族と戦うか。それとも蛮族に捕まるリスクを負って、またどこかで小さな村を再建するのか。皆で話し合って決めようではないか」

   テイルたち、驚いて顔を見合わせ

テイル「なあ、これって……」

インディ「あの機械人が言ってた話に似てる! 三つの選択肢だ!」

ミミー「……」

   とミミー、一人考え事をし、

ミミー(械獣に喰われるか、あいつらに捕まるか。だけど、もしそれ以外の道があるとしたら……あとひとつは何?)

   とミミー、ハッとして立ち上がる。

ミミー「わかった! 夢だ!」

   村長、ビックリして、

村長「急にどうしたんじゃ? ミミー」

ミミー「村長! 夢だよ! 夢なんだよ!」

ステイル「ミミー。混乱するのもわかるが、落ち着け。これは夢じゃない。現実なんだ」

ミミー「だから、そうじゃないって! 私たちにはもうひとつの道がある! 思い出して。村長、ステイルさん。二十年前、あなたたちはどんな夢を見て、どこを目指していたのか」

村長「夢……」

   とミミー、皆の前に飛び出して、両手を広げて演説。

ミミー「機神界を超えた先に待つ、安寧の地! 機神の聖域! 私たちが目指すべき場所はそこなんだ! 大械獣の加護を受けた場所。あそこなら械獣たちも手は出せない。蛮族も襲ってこれない。そうでしょ? 村長」

レザー「あのなぁ、ミミー」

   とレザー、寝転がるブッチの上であぐらをかいて、

レザー「そんな実在するかもわからない場所を目指して、機神界に飛び込むのか? あそこは凶暴な械獣がうごめく魔境だぞ。簡単に越えられるわけがない。実際越えた奴もいないしな」

ブッチ(お、重い……)

   レザー、うつむき震えている村長を指差し、

レザー「それに見ろ。村長だって震えてるじゃないか。子供や老人を抱えて、あの難所に挑むのは無理があるぜ。悪いが今回は諦めな」

村長「フォォォー!」

   と村長、突然雄叫びを上げて、

村長「そ、その手があったかー! ナイスじゃ、ミミー! ナイスアイデアじゃー!」

   と嬉しそうにガッツポーズ。

村人たち(震えって……ただの武者震いかよ!)

村長「二十年ぶりの再挑戦キタコレ! 村の危機に乗じて、老いらくの夢叶えようとすんのたまんねぇ~! ウヒョヒョーイ!」

ステイル「ネモイよ。本音がダダ漏れだぞォ」

   村長、ノリノリで腰に手を当て、もう片方の手で天を指差し、

村長「そうと決まれば、善は急げじゃ! 各自、使えそうな物をかき集めて、旅支度をせよ! 機神界がわしらを呼んでおるぞー!」

   村人たち、しらーっとしている。

   レザー、呆れ顔で、

レザー「……皆で話し合って決めるんじゃなかったのか?」

村長「え? 嫌なの? 行きたいの、わしだけ?」


◯ピコネコ村・広場

   正午、空に太陽が昇っている。広場には、荷物を持った村人たちが再び集合している。

   テイルたち、大きなリュックを背負っている。

   テイル、大きく伸びをして、

テイル「飯食って、昼寝もしたし、準備よし!」

インディ「結局、村長の熱意に押し切られちゃったね」

テイル「ミミーが火を点けたからなー」

   ミミー、申し訳無さそうに、

ミミー「ごめん。つい熱くなっちゃって」

テイル「でも念願叶って、遠くの世界へ大冒険だぜ。今のお気持ちは?」

ミミー「皆には悪いけど……」

   とミミー、目を輝かせ、

ミミー「正直すっごいワクワクしてる! これから先が楽しみ!」

インディ「だろーねー」

   とテイル、インディの方を向き、

テイル「あっ。そういや卵はどうすんだ?」

インディ「責任持って育てることにしました」

   とインディ、大事そうにお腹をさする。お腹のコックピットには械獣の卵が入っている。

テイル「マジかよ。相変わらず、物好きなヤツ」

   ミミー、クスッと笑い、

ミミー「無事に孵るといいね」

   と村長、ステイルに肩車された状態で登場。

村長「皆、集まったようじゃのう」

   と片手に持った杖を掲げ、

村長「それでは、皆の者。我らピコネコ村一同、新たな新天地を目指して……出発じゃー!」

村人たち「おー!」

   と全員、拳を天に突き出す。


◯崖の上

   ピコネコ村を出発するテイル一行。彼らの様子を、遠くの崖の上から見守る一人の影。人間の女性、ナナイ博士(28)である。

   ナナイ博士、二足歩行型の乗用ロボ『メカ助』にまたがり、双眼鏡越しにテイルたちの様子を観察している。

メカ助「博士~」

博士「んー?」

メカ助「どうして助けてあげなかったんですか? 昨晩の襲撃。下手したら全員、誘拐されてたかもしれないんですよ?」

博士「わかってないねぇ~。メカ(きち)は」

メカ助「ぼく、メカ助ですけど……」

   博士、双眼鏡を下ろして、

博士「いいかい、メカ太郎」

メカ助「メカ助です」

博士「誰かを助けるのは簡単だ。しかし人は困難にぶつかってこそ成長する。何でもかんでも手を差し伸べてたら、育つものも育たないのさ」

   博士、遠い目で、

博士「二百年間、待ち続けたんだ。あの子たちには、もっともっと成長してもらわないとね。じゃなきゃ、この先は越えられないよ。そうだろう? メカ左衛門」

メカ助「ああ、はい……ソウデスネ……(メカ助なのになぁ)」


◯森の中

   遠くの空を飛び回るメカドラゴ。森の中を徘徊する械獣たち。

N『械獣が地上を覆う世界。世はまさに大械獣時代!』

   テイルたち、村人たちを先導し、森の中へと進んでいく。

   ミミー、拳を突き上げ、やる気満々。テイルは呆れ顔。

ミミー「行くぞ! いざ聖域へ!」

テイル「やれやれ。どうなることやら」

インディ「フフッ……ドラゴの卵……」

   とインディ、うれしそうにお腹をなでている。

N『テイルたちの冒険が始まる!』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ