プロローグ
俺の名前は斯波龍太郎、22歳、大学2年生。
目が覚めたら見知らぬ部屋で、椅子に拘束されていました。誰か助けて下さい。
昨日は自室で夜遅くまでゲームをやっていたのは覚えているけど、それ以降はさっぱり。
人に恨まれる様な事は、ゲームのしすぎで2回留年したくらいなんだけどなあ…………あれ、原因これじゃね?最近、母さんからゴミを見る様な目しか向けられてなかったし。
俺は椅子に縛りつけられているというのに、そんな呑気なことを考えていた。
◇
しかし、現実は非情である。
「やあ、斯波龍太郎くん。僕は君たちの言うところの神様って存在さ。よろしく」
目の前の金髪イケメンがそんな嘘臭いセリフを吐いてきた。
「は?」
神様?何言ってるんだ、こいつ。
「ああ、今の状況が理解できてないようだね。でも、僕も忙しいから、理解するまで待ってられないんだよね。
簡単に説明すると、君は死にました。けど、まだ役に立ちそうだから、別の世界に転生させるって感じだね」
「えっ、俺死んだの?何で?」
予想外の死の通告に動揺を隠せない。
と言うか、あっさりし過ぎだろ。もっと言い方はないのかよ。
「君のお母さんが、君の生活に我慢の限界だったらしくて、ゲームをしてる君の後頭部に鈍器を一振り。即死だったね」
凄い嘘っぽいけど、母さんならやりかねん。
「あっ、時間だから転生させるね。安心して、転生先は君の嗜好に合わせてるから、楽しめると思うよ。じゃあね」
またしても重要な事をあっさりと告げられ、俺は理解できないまま、意識を落とした。