日常の中に潜むのは
短いです。
まだまだ書きますよー!
朝の空気を体に取り込み、今日も「日常」が始まる。
朝の電車はいつも満員で、誰一人、明るい顔をした者はいない。
…でも、今日の電車は特別に遅く感じた。
なにか特別な出来事があったわけではない。それなのに、何故。
だがそんな疑問も、朝の冷たい空気に溶けていった。
一人、うっすらとした暗い道を歩く。
都市化により、汚染された空気は濁っていて、先ほどの、家の空気とは全くちがうものだった。
高層ビルに、囲まれ、太陽の光を浴びなくなった道に、いつしか植物が生えることはなくなった。
_植物が頑張って生きようと、きっと誰も見ないだろう。
小さな幸せに感動し、道のはしっこにちょこんと咲いた花だって、誰も…もう。
人々はもう、この虚ろな世界で、小さな幸せを発見することができなくなった。
そんなことさえ、誰も意識しないのだから。
学校に着いた途端、私は袖で手の全体を隠す。
そう言うファッションだと見せかけて。
本当の理由を隠して。
同じような人々が、同じ足取りで、同じ、暗い顔をして__
こんなに人が居るのに、声という言葉の温もりが世界を包むことはなかった。
そのまま、深い、深い、薄暗い先へ_
ぎゅっと、ぎこちない動きで、私は「手」を握った。
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