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朝の「日常」 私の「非日常」
ちょっと短めです。
よろしくお願いします。
静かな、静かな夜だった。
行方不明の少女は、無事に母親の元へ帰ってきた。
しかし、その姿はあまりにも残酷だった。
警察が、倒れているところをみつけたらしい。
しかし、誰も、こうなったところを見ていないとは、不思議なことだ。
自分自身、どこで、なにが起こったのかをはっきりとわかっていない。
その残酷な事件は、一瞬にして過ぎ去っていったのだから。
がたん。
電車が揺れるたびに、ずきっと手首が悲鳴をあげる。
がたん。
電車が揺れるたびに、両手の感覚が薄れていく。
がたん。
電車が揺れるたびに__
かたんっ。
温かみを持っていない、人工の手がぎしっと音をたて__
かたんっ。
今日も手は、心を持っていない。
かたん
今日も私は__
かたっ。
なにも掴めないままで。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
電車の中での主人公の思いです。
では、またー。