夕焼けに照らされて。
※書き方が変な時がありますが、よろしくお願いします
この物語は、作者の夢を書いた物語です。
よろしくお願いします
「____う、あ」
小さく、夕日に照らされた、眩い光を反射して、輝くように、美しく咲き誇る。
迷子になってしまった私は、その花の様子を、驚愕の眼差しで見守る。
キラキラと整った花、ふわりと包み込むような花びら。
それは、世にも珍しい、黒色の彼岸花でした。
「…ここ、どこ」
ガサガサと、雨で濡れた服を、引っ張りながら、私は歩く。
せっかくの、ピアノ演奏会だったが、私に取ってはどうでもいいこと。
着たくもない服を無理矢理着させる親。
子供ながらに、ストレスを感じてしまう。
そんな嫌な演奏会を抜け出して、飛び出したものの、結局現在地がわからないまま、迷子になってしまった。
でも、このまま引き返すのは嫌だ。
しばらく、自然の中にいたい。
いつもの、腐った排気ガスでいっぱいの都市部とは違う、美しい世界。
その魅力に引き込まれ、私は颯爽と足を早める。
朝露に塗れた植物の中を、するすると抜け歩く。
ボロボロの服を引きずって、
とにかく歩く。歩く。ある___
かさっ。
突然、あたり一面の景色が変わった。
いや、変わったわけではない。
植物の楽園を、いつの間にか抜け出していたのだ。
だが、おかしい。
まるで、人造の森のように、きちんときれいに整備されている。
一時間ぐらい、無我夢中で走り回った到着点は、ここなのだろう。
心地よい風が、私を流れ込む。
不思議と歩みを進め、あたりを見渡す。
__本当に、なにもない。
今までのように、植物が広がっているわけではないし、都市部のように、ざわざわとした、人々の曲がった思いが漂っている訳ではない。
__否。なにもないわけではなかった。
歩みを進めると、目の前に、
一輪の、大きな___
真っ黒な彼岸花が咲いていた
「…?」
彼岸花といえば、お互いが寄り添うように群がって咲いているイメージだが、ここにあるのは、たった一輪。
そのたった一輪の素晴らしい迫力に、私は驚いた。
黒色なんて、見たことがない。
都市部の排気ガスを吸収してしまったのか、それとも、また別の方法で、このようになってしまったのか。
とにかく、私はこの花を心から気に入った。
夕日を浴びた彼岸花は幻想的で、思わず持っていきそうになる。
__そうだ。この感動をみんなに伝えよう。
これを持っていったら、きっとお母さんも逃げ出したことを許してくれるはずだ。
…お母さんが許してくれるなんて、夢にも思わないが。あんな親だから。
そんなことはどうでも良い。
とにかく、この花を持って帰ろう。
勝手にとってしまっていいのだろうか。
その疑問は、頭の中から消えていた。
枯れないかな、崩れないかなと思いつつ、私は彼岸花に近づく。
そこで、ふとしたことを思い出す
…母の言葉だ
『彼岸花は、根っこに毒があるから、むやみに触らないこと。…わかった?』
強制的な頷きを返すと、満足する母。
そんな母の言葉なんか、大抵聞き流しているだけなのに、なんでこんな時に思い出すのだろう。
まぁいい。思い出すのも面倒だ。
ぱっ、と顔をあげ、人に見つかる前に取ろうと行動し始める。
そっと、そぅっと手を近づける。
それはまるで、彼岸花に吸い込まれるかのように__
ぱ き っ
折れた音。安心して、優しくつかもうと手を__
だが、折れたのは、花ではなかった
「え___?」
ぽたぽたと垂れる血。
ぼとりと地面に落ちたのは__
自分の両手だった
「ぐ、 あ」
つかむことも、動かすこともできない手は、地面に横たわっている。
あまりにもの出血量で、意識が朦朧とする。
ふと、目の前を見ると、一輪の黒い彼岸花が、凛々しく突き立っていた
その彼岸花は、まるで涙を流すかのように、朝露の雫を、静かに落とした。
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