番外編 2年後
【ヴィークリード海戦大勝利!!!!】
【ギヌヘイム帝国との戦争も終盤か!?】
【オーの貴族とヴァンの貴族が手を組み、この度大きな作戦に打って出たヴィークリード海戦は大勝利に終わる。だがこの戦いで風の剣加護者であるアルベール様が戦死しラファル侯爵も重症。一命を取り留めたが――】
ローズは今朝の新聞を読んで「え!?」と大声を上げた。今、ミーズガルズ王国はギヌヘイム帝国と戦争中だった。戦地は主に海上である為、王都に居るローズに被害は無い。
だがレオナールは違う。
彼はもう次期当主ではない。ラファル家当主だった。なのでこの新聞のラファル侯爵はレオナールを指している。前ラファル侯爵が心臓の病で亡くなってすぐ、戦争は起きていた。
レオナールは戦地に赴き、指揮を取っている。
「アルベール様が戦死……」
(レオナールも重症って……)
それだけ激戦だったのだと分かった。そんな中にいたレオナールは大丈夫なのだろうか、そしてアルベールが亡くなってどうしているだろうかと心配する。
(大丈夫だよね……)
新聞を読み進めようとすると、「読むのやめな」とロイクが注意する。
「でも――」
「悲しい出来事だから、お腹の赤ちゃんも悲しんじゃうよ」
ローズの大きくなったお腹を撫でながら、ロイクは言う。
医者からは奇跡の妊娠だと言われた。
ローズもまさか妊娠するとは思わず、夢を見ているのかと何度も頬を抓った。嬉しすぎて天にも登る気持ちとはこの事かと思った。
「ちょっとだけ読む」
「……別にいいけど。はぁ、早く戦争なんて終わればいいのにね」
「うん、そうだね」
ローズは再び読み始めた。
そして最後の方まで読むと、ラファル家のお家事情についてかかれていた。
【――アルベール様が亡くなり、ラファル家の跡取り問題が表面化する。ラファル侯爵はレティシア嬢を出産によって亡くして以来、妻を娶っていない。子も死産だった為いない。そうなるとオリヴィア嬢が跡取りとなるが、ヴァンの一族内では不満もあり、ラファル侯爵の早急な婚姻が――】
ローズは新聞を閉じた。ろくな事が書いてないからだ。平民から嫌われているヴァンの貴族は、不幸になればなるほど新聞は面白おかしく書き立てたのだ。その方が売れるからだ。
レティシアと子供が亡くなった事もそうだった。普段の行いがどうのや、自業自得だなど色々書かれていた。
(レオナールは大丈夫かな……)
「ローズ、今日は検診だっけ?」
「え、あ、うん、そう」
「じゃあ一緒に行こう」
「ありがと……う……あれ、待って」
何となくお腹の調子が悪い気がする。ローズはお腹をさすり、「出てきたいの?」と聞いてみる。痛みは少しして収まったが、そろそろかもしれない。
「ねぇ、陣痛きたかも」
ロイクにそう言うと、彼は慌てすぎて何の役にも立たなかった。
次の日の早朝――。
分娩室で元気な男の子を産んだ。
ロイクはローズの肩を抱き寄せ、わが子をじっと愛おしそうに見ている。
「目元と鼻がローズ似だね」
「そうかも」
「僕は幸せだ。ありがとう」
「うん、私も幸せ」
ローズはロイクの唇にキスをした。
完全完結です。
今回の作品は前作『冷血侯爵に愛された姪っ子は伯父に内緒で船に乗る』に出てきたレオナールの若かりし頃の話です。
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タイトルはいつか変えるかも知れません。
お付き合い下さりありがとうございました!




