表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

暴君

「お父様ーーっ!」


 レミリーは父親であり、シュフテンガルド王国の王であるランドルフ・シュフテンガルドに泣きついた。


「クラウスが、クラウスが、クラウスがああああっ」


「ど、どうしたレミリー?」


 ランドルフの強面が娘の涙に困惑している。


 そんな父親にレミリーはクラウスの手紙を見せた。


「クラウスには他に愛している女がいて、そいつと駆け落ちしたのっ」


「何ぃ?」


 娘の結婚式を心待ちにしていた父親の顔に一気に怒気が宿った。


 ランドルフ・シュフテンガルドは暴君として知られている。


 そんな暴君の怒りを察した式の参加者たちの間に緊張感が走る。


「我が娘を捨て、国外逃亡……か。なかなか挑発的な挑戦だな、若造」


 ぱりいいんっ!とランドルフが空のワイングラスを叩き割る。


「ワシの可愛い可愛いレミリーを悲しませ、侮辱したその行為、万死に値する」


「お、お父様……殺しちゃ嫌よ? クラウスを取り戻して私と結婚させて」


「おお、そうか。ならば我が国の全力を以てクラウスを連れ戻そう」


「ありがとう、お父様っ!」


 レミリーがランドルフに抱きつく。


 ランドルフはレミリーを抱え、立ち上がった。


 そして、大声で叫ぶ。


「特殊警察を動かせっ! 何としてでもレミリーの最愛を連れ戻すのだっ!」


 そして、レミリーの結婚式は中止となった。


 国民はレミリーへの祝福ムードから一転、全員が懸賞金をかけられたクラウスを探すことに躍起になるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ