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猫捨て奇憚  作者: 九丸(ひさまる)
1/5

揚々と

「人は誰もが飼っているのですよ」


 男は唐突に語り始めた。


「私も貴方も、うちには猫を飼っているのですよ」


 僕はわけが分からず、男に尋ねた。


「猫ですか? 確かに家に猫はいます」

 男は答える。


「そうでしたか。御自宅で猫を。私が言ってるのは、内面にということです」


 男は続けた。


「その、私が生まれたときから飼い続けてきた猫と、先日お別れをしましてね。いや、もっと辛いものかと思いましたが、案外何の感傷もなく、すんなり別れられまして。今はいなくなって、すこぶる気分が良いのですよ」


 僕は男の言っていることが、まったく理解できずにいた。


 結局男は、「いや、実に気分がいい。本当に解放されて、自由になったようだ」との言葉を残し、その場をあとにした。

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