2.デート
2.デート
学園都市島にいくつかあるショッピングモールでも一番の規模を誇るセンターモールに来ていた。
「た〜け〜るおまたせ♪」
「おそいよ、美玲ねえ。10分遅刻。」
「ごめんって。細かいこと言ってると持てないぞ!」
「はいはい、お腹減ったからご飯からでいい?」
「おっけー」
俺たちは最近できた若者に人気のバーガーショップへと向かった。
「美味しい〜」
「たしかに」
みずみずしい新鮮な野菜にジューシーなパティ、きっと使う水までもこだわっているであろう香ばしいバンズがそれぞれを引き立てあい最高のハンバーガーになっている。
「今まで食べた中で一番美味しいよこのハンバーガー」
「うん。あっ、たけるくんソースついてるよ拭いてあげようか♪」
「だっ、大丈夫だよ」
拭いてもらいたい気持ちもないと言ったら嘘になるが周り目が気になり自分で拭き取る。
昼食を終えた俺たちは美玲ねえの希望で洋服を見に行った。
「ねえねえ、たけるくんこっちとこっちどっちが似合う?」
「どっちも似合うよ」
「どっちか決めて!」
「じゃあ、右で」
ありきたりなやり取りをしながら何店舗か回っていると。
「じゃあ、次はここ」
「って、ここ下着屋じゃん」
唐突に美玲ねえが俺をランジェリーショップへと連れ込む。
「俺外で待っとくから」
「たけるくん顔赤くしちゃって可愛い♪たけるくんに見てもらおうと思ってたのに〜」
「とにかく、外にいるから」
俺は店の外へ出て待っていると突然肩を叩かれる。
「彼氏さんですか?」
振り向くとそこには店員が
「彼女さん試着終わりますから見てあげてください」
「いやっ、俺は彼氏じゃ」
「いいから、いいから」
半ば無理やり引っ張られながら店へ連れ込まれる。
「お客様いかがですか?」
その言葉とともにカーテンが開かれる。
「はい、すごく可愛いです、、、って、たけるくん!なんで」
美玲ねえは顔を赤くしながらしゃがみこむ。
「いやっ、何でって、無理やり連れてこられて、、、」
俺も視線をそらす。
「ご、ごめん、」
俺は走ってお店を出た。
(なんだよ、見られても平気みたいなこと言ってたくせに顔真っ赤にして)
しばらくして美玲ねえが店から出てくる。
「ごめんさっきは」
「いいよ、それよりどうだった、、、」
「えっ?」
「だから、どうだった」
「きっ、綺麗だったよ」
「よかった」
美玲ねえが今まで見せたことのない乙女の笑顔で下着の入った袋を抱きしめる。
(かっ、かわいい)
俺はその姿を見てドキドキした。
「私の買い物ばっかり付き合わせてごめんね」
「大丈夫だよ」
「どこか行きたいことある?」
「じゃあ、ゲーセンに」
どこかぎこちなく話をしながらゲーセンへと向かった。
かんな
@kanna_2017_05_15