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キ○ガイ姉妹の世界一過激な脳内日記   作者: D・シュワリーノ・サンドラブロック
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エピローグ

エピローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 長谷川美空。18歳。

 殺人罪により逮捕。

 

 殺害した父親に数年に渡り暴力を振るわれ精神的に衰弱したすえに起こした犯行______

 

 

 私は病院に入院させられた______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「始めまして長谷川さん。」

 

 「・・・はい。」

 

 新しい担当の先生に導かれ私は椅子に座った。

 真っ白なピラピラな患者服では恥ずかしく思うほど、ハンサムな先生だなぁ。

 

 「今日から君の担当になる・・・」

 

 「かっこいいですね、先生。」

 

 「・・・長谷川さん。」 

 

 困った顔もとてもキュート。

 まだ新任の先生なのかな?

 私のカルテを捲りながら、額の汗をハンカチで拭っている。

 

 「今日は何の話をします・・・先生。」

 

 「・・・お母さんのことを聞いてもいいかな?」

 

 「・・・少しだけならね。私を捨てた母親の事を、捨てられた娘から何を聞きたいの?」

 

 少し意地悪な問いに先生は眼鏡を上げる。

 眼鏡か。

 眼鏡を外したらどんな、顔なんだろう?

 

 「ねえ、先生。眼鏡外してよ。その方がハンサムだよ。

 そうしたら、何でも話してあげるから・・・ねえ、お願い。」

 

 先生は少し考え込んだ後に、

 眼鏡を外しながら話し出した・・・・・・

 

 「君はお母さんを助けようとしたんだね。長谷川さん・・・

 君を取り返そうと、帰ってきたお母さんが、父親に殴られているのを止めに入ったんだろう? ・・・長谷川さん?」

 

 先生の話が入ってこない。

 私は眼鏡を外したら先生の顔に釘付けになっていたから。

 

 その唇に。

 泣いてる私を優しく包み込んでくれた唇に___

 

 「・・・・・・ 九十九つくもさん?」

 

 「ん? ああ、九十九だよ。僕の名前は。自己紹介はまだだったよね・・・・・・改めて、九十九元つくもはじめだよ・・・長谷川美空さん。君の担当医になる・・・」

 

 繋がった。

 突然。偶然、必然・・・?

 

 私の窓から投げた日記は何処にも見つからなかったと、

 尚美さんが教えてくれた。

 

 私が月明りの元に投げ出した日記は。

 

 誰かに拾われたんだ。

 

 そう、たぶん。

 月のムーンライトにね______

 

 「すいません! 先生! ちょっとトイレ!」

 

 「ちょっ・・・長谷川さん!」

 

 私は九十九先生の診察室から飛び出した。

 

 飛び出したと同時に、

 看護士にぶつかってしまう。

 

 「わぁ! どうしたの美空ちゃん! そんなに慌てて・・・」

 

 「ごめんなさい、尚美さん! ちょっとトイレに!」

 

 私に何時までも付いていくと言ってくれたね。

 

 尚美さんは、私が入院はせられた病院の看護士に赴任してくれたそうだ。

 

 「待ちなさい! 長谷川さん! 勝手に動いたら、刑務官に!」

 

 「九十九先生、ちょっと待ってください。

 私が付いてますから!」

 

 「ちょっと、御坂みさかさんまで!」

 

 私は走った。

 病院の中を。

 驚いた刑務官たちを後ろから走る、御坂尚美みさかなおみさんが制してくれて。

 

 私は病院中を走り回った。

 探して、探して。

 

 途中で仮面を被った女の人や、キセルを吹かすお爺ちゃんも見かけたけど・・・

 

 私が探してるのはあの子。

 

 私を待っているあの子。

 

 最後の一室。

 患者たちが憩う部屋に。

 

 一人の少女を見つけた。

 虫籠を抱いている小さな少女を______

 

 「お姉ちゃんだれ?」

 

 少女は私に振り向いてたずねた。

 

 「・・・何を飼ってるの?」

 

 私はそう返し、屈んで少女の隣に腰かけた。

 

 「青虫・・・お姉ちゃん青虫好き?」

 

 青虫を飼う少女。

 私は、彼女の問いにこう答える。

 

 「いいえ、嫌いよ・・・・・・でも・・・」

 

 蝶は好き______

 

 

 


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