金色に輝く救世主三蔵明王!
三蔵、三千院、大徳、蛇塚、バサラの最終奥義が今!
俺は三蔵だ!
俺と、三千院、大徳、蛇塚にバサラは蚩尤に対抗するべく最後の秘策?かっこよく言うと、超必殺奥義を行おうとしていたのだ!
だがその奥義を行うためには、ほんの少し時間がいる。
そのために晴明は時間稼ぎを引き受け、巨大化した蚩尤に一人立ち向かっていたのだ!
三蔵「晴明・・・絶対に死ぬんじゃないぞ!」
晴明の身体は光り輝きながら巨大化し、その姿は伝説の九尾の狐へと姿を変えて蚩尤に飛び掛かって行く!
《お前達の時間!必ず私が作ってやるぞ!》
俺は自分の気を集中する。
しかし、この奥義って仲間の力を俺に送る技じゃなかったのか?
なのに逆に力が失っていくみたいだぜ?
この奥義は一度己の力を外に流して全員の力を融合させた後、中央にいる者に一気に流し込むと言う事なんだそうだ。
この技発動の最中の無防備な時に敵に攻撃されたら、間違いなくひとたまりもないわけなのだ!
晴明!頼むぞ!
蚩尤『何をしているか解らんが、俺は雑魚相手にも油断はしない・・・そう・・・二度と同じ轍は踏まん!』
この蚩尤、
かつて敗れた相手に、油断をしていた事が敗因だったのだと、思っていた。
蚩尤『先ずは、この化け狐から始末してやるわ!』
蚩尤は六本の腕全てに己の血から作り上げた武器を掴み、晴明に向かって襲い掛かる!全てが神殺しの武器である。
晴明《そっちが六本なら、こちらは九本だ!》
晴明は印を唱える。
『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!』
九尾の狐の九本の尾が逆立つと、黒光りしながら印の文字が浮かびあがっていく?すると、その九本の尾全てが黒い剣へと変化したのだ!
《鬼神返神尾化魔剣!》
※キジンヘンジンノオカマケン!
九尾の尾の剣が蚩尤に向かって同時に襲い掛かっていく!お互いの武器が激しくぶつかり合い、凄まじい衝突の波動が大地を揺るがした。だが、この衝突に勝利したのは晴明であった。
晴明の攻撃は九本に対し蚩尤は六本・・・
受け切れなかった三本の剣が蚩尤の身体を貫き、そのまま斬り裂いたのだ!
晴明《!!》
が、逆に晴明の顔に冷や汗が流れ落ちる?
何故なら斬り裂いた蚩尤の身体は瞬時に再生し、晴明の剣に伸びてきた触手が絡み付いて来たのだから!
そして・・・
蚩尤は晴明の化けた狐の尾(剣)を触手で引き裂いたのだ!
晴明《うぐぅわああ!》
大量の血が噴き出し蚩尤に降りかかる。
俺は・・・
三蔵「せぇーめーい!」
飛び出そうとする俺を、
三千院「動くな!三蔵!術に集中するのだ!」
三千院が止めたのだ。
三蔵「あのままじゃ、晴明が!見殺しには出来ねぇよ!」
すると三千院は晴明の方向に見て俺に言った。
三千院「晴明の覚悟を無駄にするな!お前はお前の仕事をするのだ!」
俺は蚩尤と戦っている血まみれの晴明を見ると、晴明もまた俺に来るなと視線を向けていたのだ。
三蔵「くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉ!くそぉーー!!」
死なせねぇ・・・
死なせねぇぞ!
俺は再び曼陀羅の陣形に気を集中させていく。
晴明もまた、
晴明《安心しろ・・・三蔵!私は死なない!お前に救われた命を無駄にはしない!》
九尾の狐と化した晴明は身体を翻しながら蚩尤を払い退ける!
蚩尤『九尾の狐・・・かつて美猴王以前に天界を戦乱の世にした史上最悪の大妖怪!フフッ・・・それが今の俺には手も足も出ぬとはな?』
晴明《手も足も出なくとも!》
晴明は残った尾(剣)を蚩尤に向けて振り払ったのだ!
剣は蚩尤の頬をかすめる。
晴明《どうだ?尾なら出るみたいだぞ!》
頬を斬り裂かれた蚩尤は怒り狂い、再び晴明に襲い掛かる。
蚩尤『クゥ・・・この時代遅れの妖怪がぁー!』
晴明《・・・いや、お互い様じゃないか?》
晴明は蚩尤の攻撃を躱しつつ、蚩尤の足場に向けて気を放ったのだ!足場が崩れ、体勢を崩した蚩尤に向けて晴明は攻撃を止める事なく
晴明《体力なんか気にはしてはいられない!今は一秒でも奴を食い止める事が私の役割だからな!》
すると砂煙りの中から、蚩尤の腹部から触手が伸び出て来たのである。
触手は九尾の狐(晴明)の身体を縛り上げ、そのまま地面に向けてたたき落としたのだ!
晴明《うぐぅああ!》
さらに蚩尤は触手を使い九尾の狐(晴明)を吊し上げて締め付けていく。
蚩尤『このままお前の身体を引き裂いてやろう!』
ダメだ・・・
あのままじゃ、晴明が!
俺は・・・
三蔵『俺は仲間を救って見せるぞぉー!』
その瞬間、俺の!俺の瞳が光り輝いたのだ!!
そう!再び魔眼の力が発動したのだ!
三千院「なっ!」
それと同時に俺達五人の背後に明王が出現し曼荼羅の中へと飛び込んで行く!曼荼羅は俺達の神気によって完全な図形へと完成したのだ!!
三千院「こんなに早く曼陀羅を完成させるなんて・・・」
蛇塚「三蔵の奴!やってくれるぜ!」
大徳「ふむ。流石だ」
バサラ「あいつは紛れもなく・・・」
三蔵『ウォオオオオ!』
俺の雄叫びと同時に、曼陀羅から大量の神気が俺に注ぎ込まれる!
凄まじい力だ!!
だが、足りねぇ・・・
もっと!もっと!!
三蔵『俺に力を貸してくれぇえええ!』
その時・・・
三千院「なっ!こ・・・これは!?」
大徳「俺達の力が・・・急激に三蔵に吸い取られていくようだ!」
バサラ「・・・違う!」
蛇塚「グゥウウ!これでは・・・まるで魂を引き抜かれているようだぁ!」
四人は同時に叫ぶ!
『良いぜ・・・俺達の全て!!持っていけぇよ!三蔵!』
瞬間、四体の明王が四人の身体から抜け出したのだ!
降三世明王が!
軍荼利明王が!
大威徳明王が!
金剛夜叉明王が!
仲間達の四体の明王が不動明王の姿の俺の中へ同化するように吸収されていく!
三千院達は元の人間の姿に戻り地面へと落下していく。かろうじて着地した四人は空中で輝く俺の姿を見上げたのだ。
蛇塚「三蔵の奴・・・俺達四人の明王を!力だけでなく、五体の明王を全てその身に取り込みやがった!」
大徳「見よ!三蔵を!」
俺の身体はまるで、太陽の如く金色に光り輝いていたのだ!
バサラ「あれが、大日如来か?」
三千院「違う・・・あれは大日如来じゃない?だが、あの輝きは・・・まるで太陽じゃないか!」
そう・・・
今の俺の姿は・・・
金色に燃える太陽の炎を背負い、光り輝く姿!
『明王』
五体の明王が合神した・・・
新たな究極の神へと!
進化したのだ!!
三千院「あれが救世主の力?三蔵の力なのか?」
大徳「ウム。しかし、聞いた事がない・・・あのような姿の神は?」
バサラ「太陽のように光り輝く明王・・・あれこそ明王そのもの・・・」
蛇塚「良いんじゃないですか?あれがどんな神だろうと!あれは三蔵!三蔵なんですから!」
三千院「そうだな・・・さしずめ・・・」
『救世主三蔵明王か!!』
三人は思った。
三千院さん?ネーミングセンスないな~
と・・・
俺はと言うと、静かに右手に力を集中させていく。
すると、光りが伸びて金色に燃える炎が、剣の形へと変わっていく!
三蔵「降魔の剣に俺の全ての力をぶち込んでやる!!
奴は太陽神に弱いんだったよな?
太陽神にはなれないが・・・」
俺には案があった。
クローリーの野郎が、奴は自分の剣に小型の太陽を作り出していた!
あれを、パクります!!
三蔵『降魔太陽剣!』
俺は金色の炎の剣を空に向けて振り上げると、剣の先に高熱が集まっていく。
それは、まさに小型の太陽だった!その異変に気付いた蚩尤は・・・
蚩尤『何だ?何だ・・・あれは!何故、太陽があんな所に?ヤバい・・・あの人間をあのままにはしてはおれん!』
蚩尤は俺に向かって口を開き、凄まじい威力の破壊波を放ったのだ!
晴明《させるかぁー!》
その破壊波から俺を庇うように、晴明が身をていして前に飛び出す。
が、晴明は威力に弾き飛ばされたのだ!破壊波は一直線に俺に向かって来る!
晴明《威力が強すぎる!躱せ!サンゾー!》
だが、俺の太陽の力は不完全な状態だった。
もう少し時間が欲しい・・・
蛇塚「くっ!三蔵の奴まだか?このままじゃ、先に三蔵の奴がやられるぞ!」
大徳「力が残っていないが、この身を盾にしてでも三蔵を守るぞ!」
三千院「行くぞ!」
バサラ「皆、待て!あれは何だ!?」
その時、そいつは現れたのだ?崩れた遺跡が盛り上がり、何者かが上空へと飛び出して来たのだ!
そいつは大剣を手に蚩尤の破壊波の前に飛び出して来て、俺を庇うように盾になってくれたのだ??
一体、誰だ!?
お前は?
そいつは叫んでいた・・・
『ジャスティース!!』
と???
って、まさか?
まさかの、オイ!
えっ?えっ?えっ?
次回予告
三蔵「ちょちょちょ?何故にアイツが現れるんだよ~??」
晴明「いや、それよりも私には言いたい事があるのだが・・・」
三蔵「はっ?なんだよ~??せっかく俺が今から次回予告を久しぶりに真面目にやるつもりだったのに?」
晴明「そんなのは、どうでも良い!」
三蔵「どうでも良くはないとは思うが・・・」
晴明「私は言いたい!何故に私の技名は何か意味深的なネーミングなのだ!!
私は納得いかないぞ!訂正を望む!!」
三蔵「へっ?」
確か・・・鬼神返神尾化魔剣
晴明「却下だぁーーー!!」




