最後の切り札？五大明王曼陀羅！
太陽神になるように言われた三蔵だったが、無理だった。
そんな三蔵の前に現れたのは？
俺は三蔵！
俺達は過去より現代に現れし魔神・蚩尤と戦っていた！蚩尤はカミシニと妖精の力を手に入れ、俺達が束になっているにも関わらず倒す手段がないでいたのだ！
そんな俺のピンチに駆け付けたのは、蛇塚と死んだはずのバサラだった。
三蔵「バサラが化けて出たぁああああ！」
バサラ「・・・・・・・・・」
蛇塚「驚くのも解るが、生き返ったんだよ！」
三蔵「生き返ったって・・・おぃ！」
バサラ「今はそんな話は後だ！先ずは奴を倒す！」
三蔵「えっ？あぁ・・・そうだな！」
・・・どうでもよい話じゃないと思うが？
ここに俺達五人の明王と晴明が揃い踏みしたのだ！
三千院「で、三蔵の方は？」
晴明「・・・まったく無理みたいです」
三蔵「使えない俺でごめんね！」
晴明「どうしますか？」
三千院「仕方あるまいな？なら、戦略を変えるしかあるまい！長期戦になったら私達には不利だからな！」
三千院は俺達を集めさせる。
三千院「バサラ！さっきの力は自由に出せるのか？」
バサラ「残念ながら無理みたいだ。どうやらゼロの記憶はあるみたいだが、その力までは失ってしまっているみたいだ」
三蔵「勿体ない！」
大徳「いや！あの力は不吉な力だ！失って逆に喜ぶべきだろう！」
バサラ「俺もそう思う。あの力は・・・世界を滅ぼしかねんからな？」
三蔵「で？どうするよ？」
三千院「奴にダメージを与えられるのは三蔵と晴明のカミシニの剣のみ！」
蛇塚「すみません・・・話すの遅れるとアレなんで俺も蛇神の力失ってるみたいっす！」
三千院「そうか・・・詳しくは聞かないが、お前が決めた事なら仕方あるまい！」
それは蛇塚の失った『左目』に関係している事は察しがついた。
三千院「私達に今出来る事で、今の危機を乗り越えよう！」
『大丈夫！私達には力がある！仲間と言う絆の力がな！だから、一人も欠けずに生き抜くぞ！』
仲間の絆か・・・
何か・・・
良いもんだなぁ・・・
フッ
俺の使えなさを、追及しないで許してくれるもん。
俺達は頷きながら再び蚩尤を囲みつつ攻撃を仕掛ける！三千院と大徳、蛇塚が蚩尤からの攻撃を明王の力で軌道を変える事に専念する。俺と晴明、バサラが攻撃に専念する訳だ！
どうやら、バサラにはカミシニの血の力があるらしく、蚩尤にダメージを与える事が出来るようだ。
だが、致命的な攻撃がなきゃ勝てやしねぇ！
そんな時！
蚩尤『ゴミ虫が何匹増えようが同じ事だぁ！一匹残らず消し去って・・・いや、俺の餌にしてくれるわぁーーー！』
蚩尤の身体が更に巨大化していく！
三蔵「なっ！何だとぉ！？」
その身体は３０メートル近くでかくなっていた。
蛇塚「こりゃあ・・・クローリーのドラゴンを見てなかったら、ちびってたぜ！」
大徳「余裕だな？蛇塚！」
蛇塚「別に余裕なんてないっすよ！今もあの化け物見て足が震えてますしね・・・ただ！」
三千院「ただ？」
蛇塚「今回は・・・」
蛇塚は周りを見回す。俺も蛇塚と同じ気持ちだった。
三蔵「一人も欠けずに、ここにいる！」
蛇塚「だな！」
こんな絶望的な危機にも俺達は戦える！
なぜなら・・・
仲間がいるから！
三蔵「絶対に生き残る！勝つ！負けない！やってやるぜぇー！」
全員「ォオオオオオ！」
しかし、どうする？
三千院「最後の秘策はただ一つ！」
秘策だと？
三千院「そうだ！我々の力を一つにする！我々五人の明王の気を一人に集め、明王の力を五倍！いや、数倍に引き上げるのだ！」
三蔵「しかし、それはバサラとの戦いで俺にやっただろ？あの時の力をもう一度やるってのか？」
三千院「いや！あの時のは、ただ全員の力を集めただけだ！これからやるのは明王の力を合わせる合神奥義！！」
三蔵「合神奥義？」
三千院「卑弥呼様の錫杖のおかげで、今の俺達はフルパワーだ！この奥義は今の状態でしかやれんのだ！まぁ、普段は私がやらねばならぬのだが、あの化け物に致命傷を与えられるのは三蔵！お前だけだ！やってくれるな？」
三蔵「ああ・・・それは構わないのだが、あの遺跡から脱出する際に三千院が使った技だよな？本当にあの化け物をやれるのか？」
三千院「これがダメなら私達は今度こそオダブツだな？フフッ・・・」
三蔵「フフッ・・・って！笑ってる場合かよ！」
三千院「救世主としてのお前に・・・いや、三蔵！お前に私の命を預けるぞ！」
すると、
大徳、蛇塚、バサラも
俺に拳を向けていた！
三蔵「お前達・・・」
そこに、
晴明「何分ですか？」
三蔵「えっ？」
三千院「・・・・・・・・・」
晴明は一人、巨大化していく蚩尤を睨み付けていた。
晴明「どのくらいかかるのですか？その奥義に必要な時間は？」
三千院「三分！」
晴明「解りました。その三分を私が凌ぎましょう！そのつもりでしたでしょ？」
三千院「ああ、晴明！君の力を当てにしての作戦だ！」
三蔵「はぁー？待てよ！あの化け物相手に、晴明一人で戦わせるつもりなのかよ！」
三千院「あぁ・・・この奥義には、ほんの少し時間がかかるのだ！条件は、私達の力がフルパワーである事！それに奥義必要なまでの時間を作ってくれる仲間が必要な事なのだ！」
三蔵「そんな無茶苦茶なぁ！無謀だ！」
さらに巨大化していく蚩尤を見ながら俺は、
三蔵「無理だ！」
だが、
晴明「馬鹿三蔵！私を見くびるなよ？三分くらい私が稼いでみせる！」
『だから、私を信じろ！』
三蔵「晴明！！」
信じろか・・・
あぁ・・・信じてるさ・・・
晴明！
いや、晴明だけじゃない！
ここにいる奴達は全員、信じているさ！
だから・・・
三蔵「任せたぜ！晴明！」
晴明「任せておけ！」
晴明は一人、蚩尤に向かって行く！
任せたぜ！
そのかわり
俺も！
三蔵「お前達に報いる仕事してやらぁー！」
三千院「では、行くぞ！」
俺を中心に・・・
蛇塚、バサラ、
三千院、大徳が四方向を囲むように配置につく。
そして、
五人同時に印を結び、真言を唱える！
『オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ！』
『オン・シュチリ・キャラロハ・ウン・ケン・ソワカ！』
『オン・アミリテイ・ウン・ハッタ！』
『オン・バザラ・ヤキシャ・ウン！』
『ナウマク・サマンダ・バサラ・ダン・カン！』
俺達の神気が互いの神気に融合していく！
そして・・・
俺達五人の身体が神気に持ち上げられながら宙に浮かぶ。神気は融合し
赤・青・黒・白・紫へと変色しながら
『五大明王曼陀羅！』
空を覆う神気のオーラが曼陀羅を出現させたのだ！
蚩尤『ウグルルルル！』
俺達の動きに気付いた蚩尤が、曼陀羅陣に近付いて来たのである。
その前に立ち塞がるは、
晴明「蚩尤！お前の相手は、この私がしてやろう！」
晴明の札が四方八方に広がりながら晴明を覆っていく。その身体は目を眩ますほど光り輝く！
『神獣変化唯我独尊！』
そして現れたのは？
晴明が変化した・・・
蚩尤にも劣らない化け物だった！それは九本の尾を持つ巨大な獣！九尾の狐であった。
三蔵「マジにビックリした！
バサラが生き返るなんて！！
それにしても、太陽神になれっって・・・
マジにむちゃぶりだったな？」
三蔵「あ、そうだった！次話は晴明が活躍するようだぜ！」
