妖精の謎の解明!!破壊を呼ぶ倶利伽羅の王?
蛇塚とクローリーとの契約!
そして、瀕死のホーエンハイムが目覚めたのだった。
俺は三蔵だ!
俺がゼロと戦っていたその時、復活をはたしたクローリーと蛇塚の間で、何やら取引があったようなんだ・・・
蛇塚は己の目と引き換えに、クローリーから錬魂の雫を手に入れる。
何故、
クローリーは蛇塚の目を?
その話は、いずれ語る事になるだろう。
そして蛇塚は手にした雫をホーエンハイムに飲ませ、ホーエンハイムは目覚めたのだった。
そしてホーエンハイムはゼロを救うために立ち上がったのである。
蛇塚「あ、後はたの・・・み・・・ます」
蛇塚はそう言い残すと同時に白目を向き倒れ、咄嗟に大徳が抱き抱える。
大徳「蛇塚ぁ!」
舞台は上空の俺とゼロへと変わる。
ゼロは両手に凝縮させた青いオーラの剣を伸ばすと、クロスに交差させ、俺に向けて斬り掛かる。
俺は迫り来る剣の合間をすり抜けながら、ゼロに向かって突進した!
三蔵「ヌオオオオオ!!」
俺は降魔の剣をゼロの心臓目掛けて突き出す!
突き・・・だ・・・
ウグッ!
魔眼の解放とともに暴走し無意識に戦っていた俺の意識が戻り、寸前で我に返った。
このまま突き刺せばゼロを!バサラを貫いてしまう!
とっ・・・止まれぇー!!
俺は降魔の剣がゼロに突き刺さる直前で自らの剣を炎に戻し消したのだ。
同時に、俺の身体から金色のオーラが消えていく。
そんな俺にゼロは容赦なく青いオーラの剣を振り降ろしたのだ!
ダメだ・・・やられる!
俺が覚悟したその時、目の前のゼロが動きを止めたのだ?
その目は、俺の背後を見ていた!
俺の背後に何が?
俺はゆっくりと自分の後ろを振り返ると、そこには!
『遅く・・・遅くなったなぁ?
ゼロ!
私は戻って来たぞ?』
そこには宙に浮いたホーエンハイムがいたのだ!
ホーエンハイム「私だ!ホーエンハイムだ!さぁ・・・私のもとに戻って来い!ゼロ!」
ホーエンハイムは両手を開き、
『私のゼロよ!』
そのホーエンハイムの暖かい声にゼロは反応する?
その目から、
涙が溢れてきていたのだ。
ゼロ「ほ・・・ホーエン・・・
ホーエンハイム?」
ゼロが涙を流しながら、ゆっくりとホーエンハイムに近付いて行く。
ゼロ「お・・・おとう・・・さ・・・」
が、その時!
『!!』
『ガッ!ウガッ!ガ!ガガ!』
突如ゼロは頭を抑えつけながら苦しみ出したのだ?
一体、何が!?
ホーエンハイム「ゼロ!!」
すると、
ゼロ『セカイ・・・ケス!ショウメツ・・・サセル・・・ソレガ、ワタシノ・・・シメイ・・・ウマレテ・・・キタ・・・リユウ!排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除排除!』
ゼロの身体から再び青いオーラが膨れ上がっていく!
そのゼロの右顔には青い竜のような入れ墨が浮かび上がる?
三蔵「ぐぅ!何だ?元に戻ったんじゃなかったのか?」
それに、バサラの顔にあんな入れ墨あったか?
あの入れ墨から、
凄まじい力が伝わってくる?
ホーエンハイム「やはり・・・」
三蔵「やはり?何だ?何か心当たりがあるのか?ホーエンハイム!」
そしてホーエンハイムから語られる妖精の力の秘密!
ホーエンハイム「あれは・・・妖精の力・・・いや、あれは妖精なんかではない!妖精なんかじゃなかったのだ!あれは!」
『世界を滅ぼすために現れる存在!我々カミシニを統べる王の象徴』
『倶利伽羅の刻印!』
三蔵「倶利伽羅の刻印だと?」
ホーエンハイム「話は後だ!三蔵君!」
ホーエンハイムは俺の手を掴み、再び暴走し始めたゼロから猛スピードで離れて移動したのだ。
俺は・・・
三蔵「なぁ・・・ホーエンハイム?」
ホーエンハイム「何だね?」
三蔵「カミシニって飛べたんだな?」
ホーエンハイム「余裕だな?君は!聞く所はそこか!」
三蔵「スマン!アハハ・・・少し気になって・・・で、ゼロの・・・いや!バサラの暴走に何か心当たりがあるのか?さっき言っていた倶利伽羅の刻印って何だよ?」
そしてホーエンハイムは俺の顔を見て言った。
ホーエンハイム「・・・・・・本当なら、先の未来!カミシニの敵になるであろう、君!いや?救世主に話す事はタブーなのだが、ゼロの恩人として・・・いや、友人の君になら教えよう!」
三蔵「!!」
ホーエンハイム「我々、神を狩る一族カミシニには、一部の者達に言い伝わる預言があるのだよ?」
三蔵「預言?」
そして、ホーエンハイムは俺に説明をし始めたのだ。
カミシニにはアライヴを筆頭に血の七賢者がリーダー格として存在する。
しかし、
それは仮のメンバーなのだと!
カミシニには古より、その血に・・・本能?
いや!遺伝子レベル?
そんな目に見えない何かで知らず知らずに記憶しているカミシニにのみ伝わる伝説があるらしいのだ!
カミシニの血の最良特異種者の中より世界の終末に・・・
世界を破壊し、消滅し、混沌に落とす
12人のカミシニの王が現れる伝説が!」
三蔵「12人のカミシニの王だと??」
ホーエンハイム「そう!君も知っていよう?あのアライヴ様もカミシニの王の一人なのだよ?」
三蔵「あ・・・アライヴだと!?」
かつて東京にてヤオヨローズと一戦交えたカミシニのリーダーだよな?
俺も殺されそうになったから覚えている!奴の底知れない力に今でも鳥肌が立つぜ!
ホーエンハイム「その12人には、決まって現れる刻印が出るのだ!
それが『倶利伽羅』と、呼ばれる刻印。
ゼロに現れた刻印は間違いなく、その刻印なのだと!
三蔵「ちょっ!待てよ!おかしいじゃないか?バサラはカミシニじゃねぇぞ!俺にはカミシニの血が流れている。だから、カミシニが近くにいると本能的に気付けるんだよ!確かにバサラからは異様な力は感じるがカミシニじゃねぇのは確かだ!」
ホーエンハイム「それは私も知っている。だからこそ、この事実に辿りつくまでに時間がかかったのだ!」
三蔵「?」
ホーエンハイム「確かに・・・最初に出会った時、ゼロの身体を調べ感じた違和感・・・妖精の力が、あまりにもカミシニの力に酷似していると言う事!更に、神とも魔神とも違う驚異的な身体能力!だが、やはりゼロの血からはカミシニの血の反応がなかった事!どれだけ調べても、ゼロの肉体には、それと言った答えは見付からなかった理由。そこで、私は原点に返る事にしたのだ!」
原点だと?
ホーエンハイム「私は妖精の事を調べる事にしたのだ。
ゼロから聞いた話と、かつてゼロを診た人間の医師の話の相違点に違和感を感じたのである。
ゼロの話では、彼は妖精を見つけた事になっている。
妖精・・・ゼロが出会った妖精とは何か?
小形の、光る人間の姿をした不思議な生き物と?
ゼロが倒れた時に、その妖精は現れ、妖精は瀕死のゼロを救うためにゼロの身体と同化した。それが原因でゼロは今の妖精の力を手にしたと聞いていた。
全てを鵜呑みにしてはいなかったが、この不思議な能力を得た事実は変えようがない現実!
そこで私はゼロを診た人間の医師の元を訪れたのだ。
そこで彼が話してくれた内容から、私にはある推測が頭に過ぎったのである。
そして私は確信した!ゼロの言う妖精の正体が何だったのかを!」
三蔵「妖精の正体だと?」
ホーエンハイムは頷き話を続けた。
ホーエンハイム「人間の医師が見た妖精とは、私達が頭に過ぎっていた姿のソレとは違っていたのだ!
ゼロの会話からも恐らくゼロの子供としての感性が、妖精の姿を無意識に伝説の『妖精』と似せてしまったのだろう。
そう・・・
その場に現れた妖精とは!
光に包まれ、透明の人間の姿をしていたのだ!
私の仮説が正しければ、妖精の正体とは?
そう・・・霊魂!
それも、ゼロから抜け出た霊魂・・・つまり生き霊だったのだぁ!」
はっ?はっ?はっ?はっ?はっ?
俺はホーエンハイムの話している意味が理解出来ないでいた。
ちんぷんかんぷん?
ぱっぱらぱぁ~?
妖精が霊魂だった?
しかも、ゼロの霊魂?
三蔵「話が見えねぇ!」
ホーエンハイム「君も魂の転生は知っていよう?」
三蔵「はっ?そりゃあ・・・転生者がいる訳だし、目の前で俺も直に何人か転生者も見ている訳だし」
ホーエンハイム「なら、話が早い・・・率直に話そう!」
『ゼロは、かつて死んだカミシニの転生者だったのだ!』
三蔵「ゼロが・・・バサラがカミシニの転生者だと?」
ホーエンハイム「そう・・・だから、ゼロ自身は人間だった。いくら調べても何も見付からなかった訳だ・・・
だが、その魂はカミシニの力を持つ者の魂!
その潜在意識に眠っていた転生前の魂が、ゼロの窮地に眠りから醒めて
ゼロに力を!命を救ったのだよ!」
にわかに信じられない話だった。
ホーエンハイム「だが、ゼロの肉体は人間なのだ。その血にはカミシニの持つ神殺しの力はなく、驚異的な身体的能力のみを手にした反動で、その身体にも魂にも負担をきたし自己崩壊を始めたのだ!」
俺はホーエンハイムの話を聞いて、
ホーエンハイム「だが、ラスプーチンにより記憶を消され、本来持ち得た強大な力を失った事がゼロの中にあるカミシニの魂をも押し込み、その崩壊を免れた事がゼロを今まで永らえさせた要因であろう」
『だが、今!その記憶の封印は解かれてしまったのだ!』
ホーエンハイム「しかもあろう事に、そのカミシニの魂は世界滅亡に関与するであろう12人の王たる資格を持つに相応しいと選ばれたあげく、その倶利伽羅の力が今こうやって暴走してしまったのだ!」
俺は唾を飲み込んだ。
ホーエンハイム「これが私の導き出した答えなのだ!」
俺はホーエンハイムの話を聞いて、
「魂の力?」
魂によって人格だけでなく肉体が変わる?
これって似てないか?
転生変化に??
魂の力で、過去の最強の自身の姿へと変化させる術!
その意識は今の己のまま能力のみを得る。
晴明の時は、晴明の魂が微かにしかなかったがため、更に過去の魂たる主の妲乙に意識を持っていかれた。
その転生変化がバサラの時にも同じく中途半端に発動したとしたら?
己の意識はそのままに、過去の魂の能力のみを引き継いだ形になったのだとしたら?
俺も仮説だが・・・
そうだとしたらゼロは何者かに、転生変化をさせられたんじゃないか?
だが、失敗し、
中途半端な今のゼロが出来上がったのだとしたら?
だが、誰が?
ホーエンハイムでないにして、それ以前に誰が?
解らない事ばかりだぜ!
いや、それより・・・
今はバサラを元に戻す事が先決だよな!!
ホーエンハイム「どうやら、君にも心当たりがあるようだな?」
そして、さらに・・・
ホーエンハイム「今のままゼロを放っておけば、その力に肉体が追い付かず、やがて身体は崩壊し、自滅してしまうに違いない!今も、ゼロの身体は細胞が一つ一つ壊れているのだよ!」
三蔵「話は解った!だけど、それじゃあ・・・結局俺達はどうすれば良いんだよ?」
ホーエンハイムは俺達に向かって来たゼロを凝視し、とんでもない事を言ったのだ!
ホーエンハイム「唯一、ゼロを生かすための方法・・・それはただ一つ!」
『それは、ゼロをカミシニに転生させる事!それがゼロを救う唯一の手段なのだ!』
三蔵「!!」
ゼロを!バサラをカミシニにするだとー!?
ホーエンハイムの手には錬魂の雫が握られていた。
次回予告
三蔵「マジに解らない事ばかりだぜ!
えっと?つまり妖精はゼロの転生前の魂で、その魂はカミシニで?
目覚めたゼロはカミシニの王の資格を持つのだったけか?
う~ん?そんで、ゼロをカミシニにすると救えられる?
あ~!めんどくさい!!
ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!
とりあえず殴れば治るんじゃね?」




