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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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蛇塚!復活せし悪魔との交渉?


三蔵とゼロの一騎打ちの最中、死んだはずのクローリーが蘇っていた。


俺は三蔵!


俺がゼロとの死闘を繰り広げていた時、謎のシスターと赤子が俺達の戦いを見ていたのだ。



シスターは赤子に向かって信じられぬ名前を口にした。



シスター『はい、マスター!クローリー様』



て、クローリーは死んだんじゃなかったのかよー??


ほんの少し時を遡ろう。



俺と蛇塚がクローリーを撃破し、晴明を救った後、


俺達は遺跡の別の場所で戦っているであろう三千院達と合流するべく



蛇塚「三千院さん達が心配だ!連戦続きでキツイだろうが、俺達も向かおうぜ!」


三蔵「あぁ!妲己のお陰で傷は癒えてるようだからな!」



俺と蛇塚は意識が戻らない晴明を抱き起こし、入って来た通路を戻るようにその場を後にしたのだった。


が、実は・・・


まだ終わってはいなかったのだ!



クローリーと戦いが繰り広げられた場所に、


光り輝く何かが落ちていた?


それは一枚のタロットカードであった。



それは独りでに宙に浮かび出すと人の形を現わしたのだ。


それはシスターの格好をした女の姿?


『恋人のアルカナ!』


そのアルカナは辺りを見回した後、転がっていた『ソレ』を拾い上げる。



『ソレ』とは?


俺によって消滅させられたクローリーの残骸?


黒焦げた『ソレ』は、すでに原形が解らないほど炭カスになっていた。


恋人のアルカナは、クローリーであった残骸の『ソレ』を何を思ったのか手に取り、食らいつき飲み込んだのだ!!



すると恋人のアルカナは息を荒々しく、次第に腹部が膨らみ始めたのだ?


同時にシスターの盛り上がった腹部から脈打ち心臓の鼓動が鳴り始める?


「ぎゃああああああ!」


悲鳴とともにシスターのアルカナの中から腹を引き裂き、赤子が抜け出し現れたのだ!



『ふぅ・・・前以て自分の分身を恋人のアルカナの中に移植しておいて、正解でしたね~』



それは赤子?



『だが、新しいこの肉体は素晴らしい!例の妖精遺伝子を移植し、更にカミシニの力を兼ねて私の力が増したようですよ!』



それは銀髪の妖精の姿をした赤子であった。



『しかし、まだこの赤子の姿では・・・力が百パーセントにはほど遠いですね?』



赤子は紛れもなく、


俺が死に物狂いで倒したはずのクローリーだった!


クローリーは恋人のアルカナを使い、新たな肉体を手に入れ、見事に復活したのである。



恋人のアルカナの引き裂かれた腹部は、みるみるうちに再生していく。


赤子は恋人のアルカナに抱き抱えられ、俺達が出て行った通路と同じ道から出て行ったのだった。



そして物語は地上へ!



《蛇の君!悪いがこちらまで来て欲しいのだが?》



突如、蛇塚の脳にテレパシーが送られたのだ?


蛇塚「なっ?誰だ!」



蛇塚は辺りを見渡す。


(あそこか!!)


蛇塚の視線の先に人影が見えた。三千院と大徳に知らせようとしたが、


《悪いが他のお友達には内緒にして、こちらまで来て欲しいのですが?》



蛇塚「誰だ!お前は?」


《君も知っているはずだよ?さっきまで君達と戦っていたクローリーだよ!》


蛇塚「なっ!クローリーだと!?クローリーは三蔵が始末したはず!」



《ふふふ・・・蘇ったのだよ!それより君と交渉がしたいのだけど?良いですか?》


蛇塚「交渉だと?」



蛇塚は三千院と大徳に気付かれないように、テレパシーの送られて来た方向へと向かう。


蛇塚が着いたそこには、シスターの姿をした女と、


赤子がいた。


いや、その赤子から発せられる恐るべき威圧感と嫌な空気は間違いなく、姿こそ違えど、あのクローリーだと理解したのだ!



蛇塚「テメェ!生きていたのかぁ?」



蛇塚は警戒し構えをとると赤子の声が聞こえて来た?いや?これはテレパシーであった。



クローリー《・・・止めておきたまえ!蛇の君よ?今の力の尽きた君がどう足掻こうと、私には勝てないでしょ?無駄死には本意じゃないですよね?》



蛇塚「無駄死にだと?例え俺の身がどうなろうと、テメェと差し違えてでもぶっ倒してやるぜ!」



クローリー《ふふふ・・・君の勇気は賞賛するが、もっと良い方法を君に提案しますよ?》



蛇塚「もっと良い方法だと?」



クローリー《君の友達二人を救えて、今倒れているホーエンハイム君を目覚めさせ、しかも私にも得のある提案をね?》



蛇塚「なっ?何だと!?キサマがその手段を知っているのか?教えろ!知っているなら直ぐにその手段を教えやがれ!」



クローリー《そういきり立たないでください?慌てなくても教えますよ?そのためには、君にその分の対価を払って戴く事になるがね?それでも良ければ・・・どうします?》



蛇塚「対価だと?」



クローリー《そう!対価!》


クローリーと蛇塚との交渉とは?


対価とは?


そんな事とは知らずに俺はゼロと戦っていた!



三蔵「ぅおおおお!」


ゼロ『ァアアアアアア!』



俺は魔眼を解放させたと同時に、理性が完全に吹っ飛んでいたのである。


お互いにマトモじゃない状態で熾烈な戦いが繰り広げられていた!金色のオーラと青いオーラがすれ違い、重なり、反発しあう!お互いの力は拮抗し、次第に身体中に傷が増えていく。だが、俺達はお構いなくぶつかり合っていた!


お互いの剣が激しくぶつかり合う衝撃波が大地を斬り裂く!お互いの力は更に膨れ上がり、まるで相乗しているかのように?



その力は・・・


まるで空を!大地を!


破壊していくかの如く!



その戦いを見ていた大徳は、



大徳「これが救世主の力なのか?これでは・・・」


三千院「あぁ救世主もまた、破壊神」


『その力は破壊と再生・・・合い反する力なのだ!』



大徳「しかし、それでも救世主は世界を救う・・・」


三千院「その破壊神たる力をも凌駕する救世主たる本当の強さに目覚めた時!」


大徳「その力とは?」


三千院『人の持つ魂の力!心の強さだ!』


大徳「心か・・・」


三千院「だからこそ救世主は、神でもあり、人でもある者が選ばれるのだよ!」


大徳「!!」


三千院「その不安定なる魂が救世主を更に成長させるのだから!」


大徳「フム。だが、今の三蔵には早過ぎたようだな?力に翻弄され、自我を保ててはおらん!」


三千院「まだ救世主になるには早過ぎたか?いや、救世主の片鱗は見せてもらった!後は俺達の命を捨ててでも止めなければならぬな」



二人の会話に、


『安心して下さいよ!三蔵も、バサラさんも元に戻せますよ!』



それは、顔面から血を流し、右目を抑えながら戻って来た蛇塚であった。



大徳「蛇塚!お前、その目はどうしたのだ?」


蛇塚「俺の事は気にしないでください!それより、この戦いに収拾をつけるアイテムを手に入れましたよ!」



蛇塚の右目はえぐり取られていた。


流れる血を抑え、


蛇塚は横たわるホーエンハイムのもとに片膝をつく。


一体、蛇塚に何があったと言うのか?



見ると蛇塚の手には小さな瓶が握られていた。


その瓶とは?


『錬魂の雫』


それは神を殺すカミシニのリーダーであるアライヴの純血なる血であった。


その血は特定の者をカミシニへと転生させ、傷付いたカミシニを再生させる事が出来るのだ!



蛇塚は説明する。



蛇塚「まぁ、受け売りですが、説明はこんなもんですよ!これで、ホーエンハイムを生き返らせます!」



蛇塚は瓶の蓋を開けて、中の雫をホーエンハイムの口元に近付け飲ませる。



するとホーエンハイムの止まりかけていた心臓の鼓動が速くなる。


その途端、痙攣したかのように震えだしたかと思えば、ラスプーチンにより傷付いた身体が塞がり再生していったのだ!



ホーエンハイムはゆっくりと目を見開き


(ゼロ・・・)


上空で戦っているゼロを見たのだった。



(本当に生きて・・・いたのだなぁ?生きて・・・生きて・・・また、お前に、会えた・・・)



その目には涙が溢れていた。ホーエンハイムはゆっくりと起き上がり、蛇塚の肩に手を置くと、



ホーエンハイム「どうやら君にも世話をかけたようだね?ありがとうと言わせてくれ!」


蛇塚「気にするな!それより、あのバサラさんを戻せるのはアンタだけなんだよ!」


ホーエンハイム「後は・・・私に任せておけ!」



ホーエンハイムは立ち上がり、ゼロを見詰める。



ホーエンハイム「これから先は私の仕事だからな!」


三蔵「蛇塚・・・お前、一体クローリーとどんな交渉をしたんだよ?


だが、そのお陰でホーエンハイムが復活した!


これで、バサラが元に戻るに違いないぜ!!



ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


親子万歳!!」

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