謎の少女・妲己と輝く魔眼の力!
晴明を呼び起こすために、三蔵が繰り出した術は?
そして、現れた者は?
俺は三蔵!
俺は百鬼夜行
いや?晴明と戦っていた。
俺は百鬼夜行を降魔の剣で一刀両断に斬り裂いたのだ!
燃え盛り、消えて無くなりそうな百鬼夜行を目の前に、俺は小角の言葉を思い出したのだった。
そこで、俺が一か八かで繰り出したのは?
「テンセイ・ヘンゲ・ユイガドクソン」
夢の中で現れた男の使った奇跡の術だったのだ。
晴明よ、蘇れ!
百鬼夜行の崩壊する身体から閃光が放たれ、その光の中から現れたのは?
晴明ではなく??
髪の長い白髪の、見知らぬ美少女だったのだ??
って、どうなっているんだぁよー!
だっ、誰?お前??
俺の前で浮いている少女は着物姿。見て解るのは、おそらくは人間ではないだろう?何故なら!
頭上に耳?それに尻に九本の尾があったのだ・・・
こいつは一体何者で、晴明は何処に行ってしまったんだよ?
晴明・・・
俺は全ての力を使い果たし膝をつき、次第に俺の不動明王の姿が元の姿へと戻っていく。
すると、目の前に浮かぶ謎の少女がゆっくりと目を開き、
呟いたのだ?
それは美しく、透き通った声であった。
『小角は何処じゃ?』
小角?今、小角と言わなかったか?
この娘?
小角の知り合いなのか?
三蔵「おい!お前は誰だ?何者なんだ?晴明は何処だぁ!今、小角と言ったようだが、小角の事を知っているのか?」
俺の問いに・・・
『・・・・・・』
しばし無言だった娘は俺を見下ろし、
『・・・お前は誰じゃ?小角を知っておるのか?小角は何処じゃ?』
三蔵「て、俺が質問したのにシカトしてんじゃねぇや!」
だが、少女は
『無礼な人間よのぉ・・・うるさいし、礼儀がなってないようじゃのぉ?』
なっ?なっ?
ムカッ!
三蔵「うるせぇ!お前みたいなガキに言われたくねぇや!」
少女は俺を無視して周りをゆっくりと見渡す。
『どうやら、小角はいないようじゃな?小角・・・小角・・・』
小角を知るこの娘に俺は、
三蔵「なぁ・・・お前は小角の知り合いなのか?残念だが、小角は死んだよ・・・俺は小角の死を見届けたんだ・・・嘘じゃねぇよ!」
俺の台詞を聞いた少女は俺を睨み付ける!同時に凄まじい妖気が俺の身体を縛ったのだ?
『馬鹿を言うな!貴様は何者じゃ!?小角が死ぬはずない!小角は・・・』
突如、凄まじい妖気を発して感情をあらわにしたのだ!
凄まじい妖気だ!
並の妖気じゃねぇよ!
三蔵「俺は小角の弟子だ!俺の名前は三蔵!三蔵だぁ!」
その時、
『さ・・・ん・・・ぞ・・・う?』
少女から発っせられた妖気が消え、今度は、
突然、手で顔を抑え、
涙を流し始めたのだ?
『お前は・・・三蔵か?三蔵なのか?』
俺は頷く。
溢れ出る涙を何度も拭いながら、
『そうか・・・そうか・・・小角は三蔵と巡り会えたのか?ふふふ・・・良かったのぉ~良かっ・・・た・・・小角!小角・・・良かったのぉ・・・』
突然泣きじゃくる少女に俺は戸惑うしかなかった。
三蔵「ぅわ!すまん!えっ?あっ!泣くな!」
俺は女の涙には慣れてないんだよぉ~
慌てるそんな俺に今度は少女は泣き止み
真面目な顔付きになって己の正体を語りだしたのだ。
『我の名前は妲乙じゃ!』
・・・妲乙?
そして、俺のやった禁術の説明をしてくれた。
妲乙『どうやらお前は、禁断の術を使ったようじゃのう?その術は魂を遡り、その魂が最も強い力を持っていた姿へと変えるのじゃ!つまり、この身体では儂じゃな?』
三蔵「それって・・・じゃあ、晴明は?晴明はどうなったんだよ!」
妲乙『晴明・・・微かじゃが解る・・・我の転生した後の人間の器じゃな?我が蘇ったと言う事はつまり・・・』
三蔵「・・・そんな・・・それじゃあ、晴明は?」
妲乙は顔を伏せていた。
それじゃあ・・・
俺のした事は無駄だったというのかよ?
くそぉ!くそぉ!
くそぉー!
そんな俺の絶望を遮り、今まで黙っていた奴が口を開いたのだった。
全ての元凶の奴が!!
クロウリー「これは面白いものを見せて戴きましたよ!本当に君達は私の想像を覆す事をしてくれますねぇ~!失った肉体を百鬼夜行の遺伝子から再構築させただけでなく、その魂をも再構築させたのですから・・・つまり、魂を使った錬金術と言った所ですかねぇ~?魂の錬成・・・これは錬金術師の私には興味をそそられますよ~!是非とももう一度見てみたいですねぇ~!」
飄々と喋り出したクロウリーに対して、
妲乙『お前は・・・カミシニの者か?我と小角を引き裂いた神を狩る一族・・・忌まわしい者達よ!』
この妲乙という女妖怪と小角・・・それにカミシニには一体どんな因縁があるというのか?
妲乙から再び強烈な威圧的な妖気が、クロウリーに向かって放たれたのである。
が、その妖気は・・・
クロウリーの前で消え去ったのである。
クロウリー「ふふふ・・・どんなに凄まじい妖気を持っていても、私達カミシニには神魔の類いの力は無効なんですよねぇ~残念!」
妲乙は解っていたもどかしさで、怒りに奮えていたのである。
が、直ぐに笑みを見せたのだった?
クロウリー「?」
妲乙は勝ち誇った顔付きになって言った。
妲乙『残念じゃ・・・我にはオヌシに傷を付けれぬようじゃが、倒す事は出来るぞ?ふふふ・・・この・・・』
『三蔵の手でな!』
なっ?俺!?
俺を過剰評価してくれるのは嬉しいが・・・
いや、確かにクロウリーには恨み、怒りがある!
この手でぶっ殺してやりてぇ!
だが、奴はムカつくほど強い!しかも、俺の身体は百鬼夜行との戦いでズタボロだったのである。
幾つかの骨にヒビが入り折れてる場所もある。相当な血が流れたのか?寒気までしやがる・・・
万全の調子でもヤバいのに、こんな状態じゃ・・・
だが、
やらなきゃならねぇよな?
クローリーをぶっ倒す!!
俺は気力を奮い起こしたのである。
三蔵「うおおおお!」
諦めたら・・・
終わりなんだ!
ここから出て、蛇塚を手当てしなきゃならないし、
晴明の敵討ちも出来ねぇからなぁ!
そんな俺の背後に、妲乙が音もなく寄り添って来たのだ?
一体、なにを?
そして、俺の額に掌を突き付け、
妲乙『開眼!』
何か術を施したのだ??
その瞬間!
俺の瞳が金色に光り輝き始めたのだ!?
それと同時に、凄まじい力が漲り身体の傷が塞がっていく??
何なんだ!?
この力は!
すると妲乙が言った。
妲乙『魔眼じゃよ!しかも生粋のなぁ?黄金に輝く魔眼・・・それは救世主の証!救世主に与えられた神秘なる力!』
三蔵「ま・・・魔眼だと!?」
どうして、そんなもんが俺に?
救世主の力だと?
訳わからねぇ・・・
だが、
三蔵「凄まじい力が漲って来たぜぇー!」
俺の右手に降魔の剣が現れ再び握られる。
炎が俺を包んでいき・・・
再び不動明王の姿へと変わっていく!
三蔵「クロウリー!貴様をぶちのめすぜ!」
俺はクロウリーに向かって飛び出したのだ!
クロウリー「ほぉ~!身の程知らずですねぇ~己の力量も解らないおバカさんだねぇ~!まぁ良いでしょう!自信作の百鬼夜行が無くなった今、貴方達を代わりの実験素材にして差し上げますよ!」
『行きなさいアルカナ達!』
クロウリーの手にあるカードから、アルカナの魔神達が出現したのだ!
『戦車』が出現し、砲弾を俺に向かって放たれる!
が、俺はその砲弾を紙一重で躱したのだ!
クロウリー「!!」
するとクロウリーのアルカナが更に襲い掛かって来たのだ。
『死神』『悪魔』
『魔術師』『皇帝』
『教皇』『女教皇』
『女帝』
死神と悪魔が武器を手に切り掛かってくる。
俺は・・・
降魔の剣で火炎放射を放ち、襲い掛かる死神と悪魔を一瞬で消し去ったのだ!
更に教皇と女教皇が俺に術をかけてきたのだ。
この二体は俺の力を奪うんだったな?
が、俺の魔眼の力は消える事なく二体のアルカナを斬り裂いたのだ!
更にアルカナ達を撃破していく俺!
クロウリー(・・・どういう事ですか?)
最後にクロウリーを守っていた塔を破壊し、
クロウリー「ばっ・・・馬鹿な!?ありえない・・・何なんだ?その力は!?ありえない・・・ありえない・・・必ず力には、それが作用するに必要な理があるはずなのに?その力には・・・それがないと言うのか!何なんだ・・・その力は?解らない・・・興味深すぎる!知りたい!」
塔を破壊した俺は・・・
「ヒィギャアアアアア!」
混乱するクロウリーの頭上から落下して来て、降魔の剣で一刀両断にした!!
次回予告
三蔵「次話!俺とクローリーとのバトルに決着!
ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!
俺の中に眠る力が目覚める!!」




