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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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破滅の悪魔!ファーストを倒せ!!


百鬼夜行との戦いに傷付いた蛇塚


三蔵は蛇塚に気付かされ、百鬼夜行である晴明と戦う決意をするのだった。


だが、今・・・もう一つの戦いがこの遺跡で繰り広げられようとしていた。



俺は、バサラ・・・



三蔵と蛇塚が百鬼夜行と死闘を繰り広げている時、もう一つの戦いが、この遺跡にて繰り広げられていた。


時は少し遡る・・・



三千院「待て!三蔵!早まるな!」


大徳「ダメだ!三蔵の奴、頭に血が昇って俺達の声が聞こえていないみたいだぞ!」



三千院の制止を聞かずに向かって行く三蔵に、


「俺が止めます!」


三千院「蛇塚!頼むぞ!」


蛇塚が三蔵を追いかけて遺跡の地下に向かって行った。同時にその通路が崩れ落ち、塞がってしまったのだった。



遺跡は更に揺れ、暴走するファーストを目の前にして、


ホーエンハイム「戦力が減ったのは痛いが、悪いが君達の力を借りても良いかな?」


三千院「良かろう!目の前のこの化け物を、放っては置けないからな!」


大徳「三蔵は蛇塚に任せて、我々は目の前の化け物に集中しよう!」


バサラ「だが、ホーエンハイムよ!この化け物を始末した後は、お前は俺が殺す!」


ホーエンハイム「セカンドの若者よ!この化け物を倒した後に私が生きていられたらな?」


バサラ「お互い様だ!」



俺達は目の前の妖精の少年の姿をしたファーストに警戒しながら身動きが取れない状態でいた。ファーストは外見は12、13歳くらいの少年。髪は銀髪で透き通るように白い身体であった。


その瞳の色が違う俺に似た容貌・・・


だが、目の前のファーストは産まれたばかりの赤子のように、言葉は喋れず、


ただ・・・


落ちていたそれを、玩具のように振り回したり、引き千切ったり潰したりしながら遊んでいるのである。



無邪気にサードの散らばった屍を玩具にしながら・・・



三千院「で、どうするつもりなのだ?」


ホーエンハイム「・・・・・・」


ホーエンハイムはファーストの様子を見ながら、過去の悲劇を思い出していた。



過去の悲劇、それは?


かつての暴走は運が良かったと言える。


何故なら、



ホーエンハイム「あの時は偶然止められたに過ぎない!止める事が出来た事は幸いだった・・・だが、」


『あの悪夢から、得た教訓もある!』



三千院「教訓か」


三千院は危惧していた。


何故なら


今、俺達は・・・


立っているだけでもやっとの状態だったからだ!



ファーストから発っせられる重圧が、この場にいる者達の身動きを止めていたからである。



大徳「まだ奴からは戦意の一つも感じられないと言うのに!」


バサラ「・・・・・・」


ファーストは、全く俺達には無関心であった。


唯一、関心を持っている事は転がっているサードの死体だけ。ファーストはサードの死体を分解し、力任せに潰していた。そしてそれに飽きた時!


ようやく、俺達に興味を持ち始めたのだ!



動いている物体に・・・


生きている俺達に!



その異変を感じた俺達はファーストの動きに警戒し身構える。



『来るぞぉー!』



その瞬間、


「うがあああああ!」


「うぐぅううう!」


三千院と大徳の声が響いたのだ!俺は二人のいる方向を振り向くと、大徳の胸から、三千院の肩から血が噴き出していたのだ!


一体、何が!?


そして、


「ウグオオオ!」


ホーエンハイムの呻き声が聞こえて来たのだ?


そこではファーストが抑えつけたホーエンハイムの腕を掴み、そのまま強引に引き千切った所だったのだ!



ホーエンハイムの腕は投げ捨てられ、そこから血が噴き出す!



バサラ「いつの間に?」


すると、ファーストの姿が消えていたのだ!



何処だぁ!?


俺はファーストの居場所を探りながら警戒する!


何処にもいない??


その時、自分の足元から寒気立ったのだ!


真下か!


そこには、俺の足元に仰向けになって笑っているファーストがいるではないか!


バサラ「クッ!」


俺はファーストの顔目掛けて踏み潰したのである!


ファーストの顔はグチャグチャに潰れたが、その形状が水銀のような液体へと変わっていく?



バサラ「なっ?何が!」



液体は俺から離れ部屋の中央に集まると、次第に元のファーストの姿へと戻っていく。



『クッククク・・・ククク・・・』



バサラ「なっ?何なんだ?これが・・・ファーストなのか?俺以前の妖精なのか?」


そこに片腕を失ったホーエンハイムが、傷口を抑えながら説明する。



ホーエンハイム「一緒ではない!お前達セカンドは元は人間であり、人間を素材にしている分人間に近い存在だ!つまり妖精の力を移植したに過ぎない!だが、ファーストは元の妖精の遺伝子を組み替え、ゼロから造った正真正銘の化け物なのだ!」



バサラ「正真正銘の化け物か・・・」



するとファーストは今度は俺達に見向きもしなくなり、何かを探しているようであった。



バサラ「今度は何を?」


ホーエンハイム「まさか!」



ファーストは座り込み、再び転がっているサード達の死体を手にしていた?



『ア・・・アアア・・・アアア・・・』


そして、その屍を貪り始めたのである!



三千院「共食いか!」


大徳「・・・本当に化け物だ!見た目とのギャップに騙されてはいられないぞ!」



二人も傷ついた身体で、ファーストの行動を見ていたのである。



『・・・オナカ・・・スイタ・・・タベル・・・スイタ・・・タベル・・・』



ファーストの姿が次第に大きくなってきているような?まさか成長しているのか?いや!そればかりか確かに今、言葉を喋ったような?



ホーエンハイム「まずい!奴はサードの屍を喰らい、力と知識を吸収しているのだ!」



ホーエンハイムは傷口に力を籠めると。


『フン!』


傷口から流れ落ちる血が生き物のように動き出して、失った右腕を再生したのである。



バサラ「・・・カミシニの力か?忘れていたが、貴様も化け物だな!」


ホーエンハイム「そう言うな!カミシニの力は血・・・カミシニの中には、血を使い失った身体をいくらでも再生出来る者もいるのだぞ?」


そしてホーエンハイムは再び血で拳銃を構成すると、転がっているサードの屍を狙い撃ちする。


死体は一体一体消滅していく。


俺達も気功を放って同じく一体一体消していく!



『ジャマ・・・スルナ・・・ニンゲン!』



そんな俺達に、食事を邪魔されたファーストが俺達に向けて気功を放って来たのだ!



三千院「何!?」


大徳「まさか!俺達の技を見て学んだと言うのか?」



俺達はファーストから放たれた気功を金の錫杖を盾にして防御する。



ホーエンハイム「奴にこれ以上力を与えてはまずい!早急に始末せねば!」


三千院「しかし、どうやって!?」


ホーエンハイム「奴も完全な生命体ではないと言う事だ!奴には生存に必要な核が存在する。その核が奴の本体なのだ!それを叩くしかない!」


バサラ「それは何処にある?」


ホーエンハイム「特定は出来ない・・・だが、それしか方法がないのだ!」



三千院「なるほど・・・その核を見付けるのは私に任せて貰いたい!」



ホーエンハイム「君に解るのか?」



すると三千院は瞳を綴じて集中した後、ゆっくりと瞼を開く・・・


開かれたその瞳は朱く染まっていたのだ?



ホーエンハイム「それは、まさか?」



三千院「あぁ・・・私の特別な力!」


『魔眼・鷹の眼だ!』



三千院の持つ魔眼・鷹の(タカノメ)とは、どんな遠くに離れた物体も見通し、微妙な気の流れも見る事が出来るらしい。


つまり、三千院の眼力を数倍に高める能力である。



三千院「私の眼で奴の気の流れを探り、核の位置を見付けてみせる!」



三千院はその魔眼をファーストに向けると、その核を探し始める。



大徳「三千院!お前は核を探す事に集中しろ!お前に向かって来る攻撃からは俺が身を呈して護ってやるぞ!」


ホーエンハイム「なら、私達は君達からファーストの意識を反らすために」


バサラ「囮になろう!」



ホーエンハイムと俺は素早い動きでファーストの周りを駆け抜けながら遠距離攻撃を繰り出していく!



ホーエンハイム「とにかく足止めをする!」


ホーエンハイムの拳銃がファーストを狙い撃つ!


バサラ「承知!」



俺達の攻撃はファーストには効いてはいなかった。


ホーエンハイムの銃弾はファーストの身体に命中するも、それは体内を通して口から吐き出していたのだ。更に俺の繰り出す短刀の斬撃より与えた傷痕も、瞬時に再生していたからだ。



だが、足止めさえ出来れば良い!



ファースト『オマエラ・・・イナイイナイ・・・シニナ!』



瞬間、ファーストの身体が発光し、凄まじい勢いで何かが向かって来たのだ!


それは指?ファーストの指が伸びて来て、俺達を貫かんと向かって来たのだ!!


俺は短刀で指を弾くが、その勢いは凄まじく短刀を逆に弾かれてしまった。


ホーエンハイムは拳銃で指を狙い撃ち軌道を変えていた。


だが、魔眼に集中している三千院は今は身動き出来ない!


三千院に迫るファーストの爪が三千院を貫こうとした時、大徳が指を掴み止めたのだ!だが、更に二本の指がしなりながら大徳に向かって行く!


大徳「させるかぁー!」


大徳は掴んだファーストの指を握り、逆に振り回したのだ!ファーストの指は軌道を変えられ、四方八方の壁を削りまくる!


大徳「どおぅりゃあ!」


大徳の怪力でファーストは床に直撃する。が、ファーストはまるで水風船のように弾けるように身体が飛び散ったのだ!



大徳「はぁ・・・はぁ・・・」



大徳の手は変色していた。


それはファーストに触れたためであった。


バサラ「まさか、奴の身体には猛毒が??」


大徳はその毒に感染してしまったのだ。


大徳「どうやら、直接触れるのはマズかったようだ・・・」


大徳はそのまま、ゆっくりと倒れる。



その時!


『バサラ君!前だぁ!』



ホーエンハイムの声が!?


俺が気付いた時、


俺の目の前に液状化したファーストが飛び込んできていたのだ!



殺られる!



そう覚悟した時、目の前に影が飛び込んで来て俺を庇ったのだ?


ファーストの身体が槍のように変化し、



俺を庇った者を貫く・・・



俺はただ茫然とした。


どうしてお前が!?



『ホーエンハイムー!!』



俺の叫びが遺跡中に響き渡ったのである。


次回予告


バサラ「俺を庇ったホーエンハイム。何故?


ホーエンハイムと、妖精始まりの過去が語られる」

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