妖精に芽生えた光!現実の闇!?
バサラはかつて№6と呼ばれる妖精だった。
そこで妖精同士のバトルロワイヤルの命令、
№6は№1に助けられ、興味を持ち始める。
俺はバサラ…
この時、俺はNo.6と呼ばれていた。
無人島でのバトルロワイヤル(妖精狩り)の一件から、俺はNo.1のグループと行動を共にする事が多くなっていた。
そんな事もあり、俺はNo.1のグループに入れて貰った。
そんなある日…
俺達のグループは任務で向かった戦場で、妖精の仲間達から取り残され孤立してしまったのだ。
体力も気力も底を尽き、俺達は窮地に陥っていたのである。
仲間はNo.1と俺…
それに下位ナンバーの三人だけだった。
No.28「私が囮になるわ!そのうちに」
No.28は、数少ない女妖精だ。
No.12「確かに誰かが囮にならなければ…」
No.13「なら、俺が行く!」
No.12「馬鹿言うな!だったら俺が!」
No.12と13は双子の兄弟。この三人は少し他のナンバー達とは違っていた。そう…他人を思う気持ち?仲間を思う気持ちが失われずに感情を残していたのだ。
No.1「No.6よ!お前ならどうする?」
No.6「俺なら…」
俺は的確に作戦を立て説明する。
No.1「ふふふ…面白い!やはりお前の作戦は面白いよ!それに…」
(その作戦なら、こちらに犠牲者が出ないしな…)
作戦は夜更けてから決行する事になった。
作戦決行前…
No.6「俺の作戦に…皆、命を預けるなんて…」
No.28「貴方だから預けられるんだよ?」
そこには唯一の女妖精のNo.28が俺に向かって言った。
No.28「No.6!自信持って!」
No.6「自信か…」
するとNo.28は…
『じゃあ…自信出るおまじないよ?』
えっ?
No.28は、突然俺の唇に自分の唇を重ねて来たのだ?
No.6「何を!?」
No.28は背中を向けて説明する。
No.28「私…妖精唯一の女でしょ?だから、女しか出来ない元気が出る『おまじない』なの!」
No.6「おまじない?」
No.28「そう!おまじない!元気出た?普通の男の子と女の子は、こうすると元気出るんだって!前に死んだNo.55が言ってたから…」
No.6「No.55か…お前と同じ女の妖精だったな?以前、一度銃の取り扱いの訓練時に話した事がある」
No.28「…うん。無人島の時に死んだけど…」
俺達は少し沈黙した後、俺達は作戦の準備を始めたのだった。
No.28は…
自分の唇を触り…
(…これで私…元気出たわ…これで心残りはない!…No.55!ごめんなさい…私も…ナンバー6の事…)
そして俺達は俺の立てた作戦を実行に移した。
俺は暗闇に紛れ敵のアジトに向かって、銃を撃ってくる兵士の間を駆け抜ける!
俺達は銃で撃たれたくらいじゃ簡単には死なない…
だが、もし足を撃たれれば動きも止まるし、頭を撃たれれば、思考も止まる。
俺達は左右に揺れるように駆けて行く…
残像で兵士の標準を定めさせないようにだ!
それでも俺達に当たりそうな銃弾を、後方より待機していたNo.12と13が飛んで来る弾をライフルで撃ち落とす。正に正確な射撃だった。
この二人は遠隔攻撃に長けているのは、この数日の間に解っていた…
さらにNo.28が銃を向ける敵兵を狙い撃つ。
特攻は俺と№1の役目。俺達は敵軍の兵士を通り抜け、そのまま敵の指揮官を捕らえたのだった。
なんて事はない…
俺の作戦なんてのは逃げられないなら、敵の頭を潰せば良いと言う事!
それに下位ナンバーの長所を活かし、サポートに回す事で俺と№1の特攻を楽にしたのだ。
と、言っても…俺達の特技が合わせられたから出来たのだがな?
指揮官を失った敵軍は総崩れ…
俺達は見事に五人だけで敵軍を殲滅し、生き残る事が出来たのだった。
No.1「ふぅ~やれやれ…どうやら上手くいったようだな?」
No.28「ええ!No.6のお陰よ!」
No.6「俺はただ…出来る事を…」
No.12「照れるなよ!」
No.13「それにしても奇跡だよな…」
No.1「奇跡か…いや!奇跡じゃないさ!俺達は生き残るために戦った!生き残りたいと強く信じていれば全然に死なない!だろ?」
No.6「…そ…そうだな…」
俺は、こいつ達の前では素直になれた。
そんな俺に…
No.1「何を顔を赤らめてんだよ?」
No.6「なっ!赤らめてなんかいないぞ!」
No.12「赤い赤い!アハハ!」
俺達は気が抜けたのか、戦地で大笑いしたのだった。
その時…
No.1が、俺に向かって飛びかかって来たのだ!
No.6「なっ?」
銃弾の音が響いた?
すかさずNo.12が銃弾の軌道から音のした方向に向けてナイフを投げつける!
何者かの悲鳴が聞こえ、倒れる音がした。
敵兵士の生き残ってた者が俺達に銃を撃ったのだ!
そんな事より…
俺の目の前で、No.1が顔から血を流して倒れたのだった。
No.6「No.1!しっかりしろ!何故、俺を庇った!」
そうか!
No.1は、俺を庇って銃弾を受けたのだ。
顔から血を流しているNo.1にはまだ意識があった。
No.1「大丈夫だ…心配するな…俺は大丈夫だ…」
そう言って、No.1は意識を失った。
その後、仲間の組織のヘリが迎えに来て俺達は無事に帰還したのだった。
それから暫くして、No.1が回復し目覚めた時、俺は驚愕した。
No.1の目が開かなかったのである。
No.1「俺も運が悪かったようだ…脳にダメージを受けたらしく、他の再生は出来たみたいだが…この目は無理みたいだったようだ」
No.6「俺の…俺のせいだ…」
すると、No.1は言った。
No.1「気にするなよ?もしお前が逆の立場なら同じ事をしていただろ?今回はたまたま俺がしくじっただけだからな!」
No.6「………」
返答に困り俺は下を向いていた。そんな俺に気遣かって、No.1はベットから起き上がり、
No.6「?」
No.1「俺に目は必要ない!」
そう言って、俺の目の前でシャドーを始めたのだ?
置いてある短刀を大道芸のように扱い、ドアの取っ手に投げて命中させる!
No.1「俺はもともと、この能力に長けていたんだよ!」
No.1は、辺りから感じる『気』を感じながら動いていたのだ。気とは生きている者にだけではない…
無機物からも多少ながら感じ取る事が出来るのだと言った。
後は空気の流れや匂い…
五感を駆使すれば…
目がなくても不便ないと俺に向かって笑いながら自慢したのである。
だからといって…
俺は自分自身に誓った。
今度は俺が、No.1の盾になると!!
お前のためになら、この命をかけられると…
そして、今…
俺達は白い壁の部屋に集められていた。
今から行われるのは…
仲間通しの?妖精通しの殺し合い…
今度は無人島の時とは違う!生き残れるのは一人だけなのだ!
この部屋には…
戦場で一緒に生き残った双子のNo.12と13…
唯一の女妖精のNo.28…
それに…
No.1がいる。
俺は…どうしたら…?
いや!
俺の考えは決まっている…
その時だ!
部屋の中で悲鳴が聞こえたのだ!
首から血が吹き出し白い壁に鮮血が滲む?
一体何が!?
そこには頭を失い倒れる妖精の後ろから、二人の影が現れた。
そいつ達は…
以前、俺を襲ったNo.2とNo.3の姿であった。
No.3「こんな所で死ねるかぁ!」
No.2「生き残り、お父様の息子になるのは俺だ!」
二人は近くにいる妖精達に短刀を振り払ったのだ!
妖精の一人の手首が飛び、うろたえる妖精の心臓にナンバー3が短刀を突き刺す
その妖精の悲鳴で、他の妖精達も殺気立ち動き出したのだ!
辺りから短刀のぶつかり合う音が響き渡り、吹き出した血が白い壁に滲む…
No.6「止めろ!」
止める俺にも他の妖精が襲い掛かる?
クッ!
俺は攻撃を弾き返したが攻撃はしなかった。
もう嫌だ!!
仲間通しの殺し合いなんてしたくない!
そんな時、俺を標的にしたNo.2と、No.3が俺に近付いて来たのだ。
No.3「お前!戦う気がないなら、早く死ねよ?」
クッ!
こいつ達相手に手加減なんか出来ない!
だが…俺はもう…仲間通しで殺し合うのは嫌なんだ…
俺が覚悟したその時、No.1が俺達の前に現れたのである。
No.3「ケッ!またお前かよ!だが、お前へまこいて目を失ったんだってな?」
No.2「二人がかりなら、殺れるさ!」
二人はNo.1に向かって襲い掛かる!
No.6「待てー!」
俺が叫んだ時、No.1が俺の正面に立っていたのだ。
えっ?
それと同時にNo.2とNo.3がゆっくりと倒れたのだった。その倒れた身体には首が切り落とされ失くなっていた?
まさか…No.1??
一瞬で二人を?
するとNo.1は今度は俺に言った。
『お前は死にたいのか?』
No.6「えっ?」
No.1『前に言ったのを覚えているか?強く生きたいと思っている者が生き残れると!』
No.6「ああ…覚えている…だけど…
俺はお前に生きて欲しい!俺は、お前になら…」
『殺されても良いんだ…』
No.1「そうか…」
No.1は俺の目の前で静かに短刀を振り上げたのである。俺は瞳を綴じて覚悟した。
これで、終わるんだ…
次回予告
バサラ「生き残り一人だけのバトルロワイヤル
戦場で心を交わした仲間達
俺の取る道は・・・」




