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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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終幕は始まりの序曲!!



いよいよヤオヨローズとカミシニの因縁の対決最終章!



日本国…東京!


その赤き塔である東京タワーの頭上に四体の太陽神が降臨したのだ。



太陽神・アポロ!


太陽神・ラー!


太陽神・大日如来!



そして、カミシニのデッドマンとの激闘の最中に死んだはずのヤオヨローズの太陽神・アマテラス!



四大太陽神の光が神々しく輝き、その光が大日如来と化した三蔵に集約していく!



『おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら

まに はんどま じんばら はらばりたや うん!』



それは、全ての災厄を取り除く光明真言!


三蔵の身体から金色の閃光が地上へと放たれると、その神々しい神光はカミシニの血である赤い雨をも浄火し消し去っていき、地上に残っていたカミシニの軍勢をも消滅させていく!


更に代々木公園にて戦っていた転生と輪廻の身にも起きていたのだ。蛇塚の攻撃を凌いでいた転生が気付く。意識を失っていた輪廻が悲鳴をあげたのだ!



輪廻「キャアアア!身体が熱い!痛い!何なのよ!この光は?」


転生「ぐぅうう!」



二人の身体から煙が出ているのである。



転生(このままだと、いけない!)


転生は己の翼を分身の楯に使い蛇塚の放った赤い蛇のオーラを受け流すと、自らは輪廻を背負って戦場から飛び去り離れて行く!



蛇塚「待ちやがぁ…」



二人を逃がさんとする蛇塚だったが、仲間達の明王を自らの体内に引き込み大技を放つ荒行に力尽き足元から崩れる。そんな倒れる蛇塚を仲間の三千院が抱きとめたのだ。



三千院「よくやった…もう良い!大丈夫だ!」


大徳「あの者?何故に逃げたのだ?何が起きた?」


三千院「きっとそれは…」


『現れたに違いない!我々が望む救世主がこの地に降臨したのだ!』




三千院の視線の先には強烈な光を放つ四体の神の姿があったのだ。


その中心には神々しく輝き放つ三蔵がいた。




そして、カミシニのリーダーであるアライヴと戦っていたアマテラスは、



アマテラス「異国の太陽神方の力が!太陽の光が!私に力を与えてくれている!力が漲ってくるようだわ!」



アマテラスはアライヴを背後から腕を掴み抑えつけたまま、



『今こそ!』



今度は他の太陽神の光がアマテラスに集まっていく。



『現れ出よ!八咫鏡!』


※ヤタノカガミ



アマテラスの身体より八咫鏡が出現し、他の太陽神より照らされた太陽光を凝縮し始める。


すると上空に巨大な光の穴を出現させたのである。



突如現れた太陽神達と死んだはずのアマテラスの存在に気付いたスサノオは、傷付いた身体で東京タワーをよじ登っていた。



スサノオ「姉貴!何をするつもりなんだ?俺は聞いてねぇぞ!だから早まるんじゃねぇー!!」



アマテラスはアライヴを押さえ付けたまま、



アマテラス「さぁ…色男さん…今から私と心中してもらおうかしら?」



アライヴ「残念ですが、私は見知らぬ女性と心中するつもりはありませんよ?」


そう言うと、アライヴは身体を回転させてアマテラスを投げ飛ばしたのである。


アライヴ「残念でしたね?私はこれからやらなければならない事が出来ましてね…」



アライヴは空中で大日如来と化した三蔵を見上げる。


アライヴの狙いが三蔵へと向けられたのだ。




アマテラス「ふふ…既に貴方は私の結解からは逃げられないわ!」



アライヴ「なんですって?」



その瞬間…


アライヴの周りに光の岩柱が出現したのである。そして、その柱から無数の透明の縄が飛び出して来てアライヴの身体を拘束したのだ!



アライヴ「くっ!これは一体!?」



光の縄に拘束された時、アライヴの血の力が封じられたのである。



アマテラス「さぁ…私達!八百万の神とお前達カミシニとの長い復讐劇が今ここで終幕するわ!」



(…この私の命と引き換えにね!)



アマテラスは両手を広げて念を籠めると、拘束されているアライヴを中心に光の岩柱が距離を縮め始める。



アマテラス「これが貴方の棺!天の岩戸よ!」


アライヴ「………」



アライヴは慌てる事も取り乱す事もなく、ただ目を綴じていたのである。



アマテラス「観念したみたいね?」



その時、東京タワーをよじ登っていたスサノオが叫ぶ。


『姉貴!後ろだぁ!』



アマテラス「えっ!?」



その瞬間、アマテラスは背後から強い衝撃を受けたのだ?



アマテラス「…ナッ!?」


アマテラスは何処からか飛んで来た槍によって身体を貫かれたのだ。それは先にアライヴがヤマトタケルを消し去った槍であった。


アライヴは念力で槍を動かして、アマテラスに向けて飛ばし貫いたのだ。



アマテラス「ウググ…」


『往生際が悪い男は…みっともないよ!』




スサノオはアマテラスの安否が気になり、タワーを登るスピードを速める。



スサノオ「死ぬな!死ぬな!死ぬな!姉貴!」



それを見たアマテラスは…



アマテラス「…後を…後を頼むわ…スサノオ…」



アマテラスはスサノオに向かって笑むと、アライヴを拘束する天の岩戸に念を集中し全ての力を解放させたのだ!



『ハァーーーー!』



強烈な閃光が放たれた!空中に浮かぶ透明の岩柱がアライヴを完全に拘束する。


アライヴ「何を!?」



さらに空中に巨大な光の穴が出現したのだ!しかも光の穴はアライヴを封じた岩柱事、吸い込み始める!



アマテラス「私と同じ太陽神達のみに使用を許された禁術中の禁術!この光の穴はね?あの空に見える太陽と繋がった空間なのさ!つまり一度取り込まれたら最後!脱出は勿論、二度とは戻っては来れないのさ!それもお前が灼熱の太陽の中で生きていられたらの話…例えお前にも赤髪の奴みたいに化け物じみた再生力があったとしても、いずれ力尽き消滅するしかないのよ!」



それはアマテラスの策であった。彼女は最初からカミシニのリーダーであるアライヴを道連れにするつもりで、密かに世界に散らばる他の太陽神達に禁術の発動の承諾をし計画していたのだ。この地にいない世界中の太陽神達も今、この時!この太陽の牢獄の召喚を完成させるがために力を送っているのだ。



アマテラス「これで…もう…全てが終わ…る…ゎ…」



するとアマテラスの身体も光体となってアライヴを閉じ込める柱に入り込んだのだ?同時に錠が閉まる音が響く。アマテラスはその命と引き換えに自らの魂を太陽の牢獄の鍵となったのだ。アマテラスもそのまま力尽き、アライヴを閉じ込めた石棺と一緒に光の穴の中へと吸い込まれていく!



アライヴ「まさか…こんな事が…これから目的を果たす直前に…だが、忘れるなよ?神々よ!私は必ず再び現れる!それまでに私達カミシニに対抗出来るくらいの力をつけて待っている事ですね!」



アライヴの石棺は、アマテラス共々そのまま空中の穴の中へ消えて行ったのだった。それと同時に空に出現した他の太陽神達も消えていく。




「ふざけるなよ…」



それは、東京タワーをよじ登っていたスサノオであった。



スサノオ「姉貴…まさか最初から奴と心中するつもりだったのか…?俺は!俺は!うぐおおおお!姉貴ー!」



スサノオのアマテラスを呼ぶ声が響き渡ったのだ。



さらにその上空から落下してくる影が…?



それは人影?次第に近付くそれは、力尽きた三蔵であった!





スサノオ「あれは!くっ!三蔵ぉーー!」


だが、三蔵は力尽き指一本と動かす力も残っていなかったのだ。



だが、落下して来る三蔵を東京タワーをよじ登っていたスサノオが腕を伸ばして、その腕を掴んだのだ。



スサノオ「くそぉ!三蔵!しっかりしやがれぇ!せめてお前だけは死なせねぇぞ!」


三蔵「悪い…スサノオ…助かったぜ…」



三蔵は運良くスサノオに救われたのだった。




それを離れた場所から見ている者がいた。



「……………」



(姉さん…。ご苦労様です。見事な死に様でしたよ!一番厄介なアライヴ様を天の岩戸に閉じ込めてくれたのですからね。これで、私の計画の一つが軌道に乗りましたよ?後はゆっくり休んでくださいね…おやすみなさい姉さん!そして、さようなら…)



それは、スサノオとアマテラスの兄弟の一人であり、ヤオヨローズの裏切り者…


月読であった。



そして月読は一部始終を見届け後、闇の中へと消えていったのである。



彼にはヤオヨローズでもカミシニとも違う何か異なる目的があるのか?



カミシニのリーダーであったアライヴが消えたのを見ていた生き残りのカミシニ達も、戦場から静かに離れていく。



クロウリー「さてと…私達はどう致します?」


シュタイン「良い機会だ!私は先日、かの地で見つけたあの遺跡で進めていた実験の続きをするとしよう。それに面白い素材も手に入れたしな!」


クロウリー「それは、興味ありますなぁ~」


シュタイン「手伝ってくれますかな?」


クロウリー「好奇心くすぐられますなぁ?喜んで行かせて戴きましょう!」


シュタイン「パラケルスス氏はいかがします?きっと後悔はしませんぞ?」


パラケルスス「そうですねぇ…私は気ままに旅をしようかと思っていたが、もし何か機会があればその際はお邪魔しよう?」


シュタイン「そうですか?貴方の魔術知識も参考にしたかったのですがねぇ…」


三人の魔術師は、そのまま闇と一緒に消えて行く。



更に、神を使役する者達との戦いから、戦線に戻って来た転生と輪廻はアライヴが消えたのを目撃した。



輪廻「私達はどうする?アライヴ様消えちゃったわよ!」


転生「そうですねぇ…私達に出来る事は…」



『これからも、神を狩って行くだけです…』



輪廻「そうね…」



『フギャア!』



輪廻が移動しようとすると、足元から悲鳴に似た声が聞こえた?


輪廻「何あんた…?」


声『足を退かしなさい!潰れる!潰れる!』



それは、オタマジャクシのような姿の影の生き物?それは三蔵にフラスコを割られてやられた、ホムンクルスの本体であった。



輪廻「あら?あんた生きてたの?」



ホムンクルス『い…息が出来ない!存在が消える!イヤァ~!』


輪廻「仕方ないわねぇ…」


輪廻はホムンクルスを落ちていた棒を箸のように使い摘まむと、自分の持っていた香水の空き瓶に入れる。


輪廻「感謝しなさいよ!」


ホムンクルス『フヒィ~』



彼達もまた闇に消えて行く。




また、誰もいなくなった東京タワーの展望台に、怪しい男が一人?



「グフフ…危ない橋を渡って来たかいがあったですよ~グフフ…」



その男は、東京タワーに起き忘れられていたアライヴの血…つまり『錬魂の雫』を手に取り、ほくそ笑む。


「これで、私の念願の夢が!野望が叶うのですよ!グフフ…」



この男の名は…


『果心居士』


この男の野望とは…?



この男が今後どう絡んで来るかは、また先のお話。



そして、スサノオとデッドマンの戦っていた場所では大量の血液が、一カ所に集まっていたのだ?



(ユルサン…カミドモ…



イズレ…ミナゴロシ…ニシテヤルゾ!



ダガ、ソノマエニ…アライヴ…オマエ…ヲ…カナラズ…スクイダシテヤル!)



大量の血溜まりの中から何かが浮かび上がる?



それは、不死のカミシニであるデッドマンの首!


その首を中心に血が集まり出して、身体が構成されていく。



デッドマン「それまで待っていろよな?アライヴ!俺が必ずお前を…目覚めさせてやるからな…」



「それまで…


ほんの少しの間…休んでいてくれ…」




デッドマンの身体は完全再生すると、その場から消えていく。







これにて…


八百万の神・ヤオヨローズと神を狩る一族・カミシニ達との…



三蔵を巻き込み…



東京を舞台にした壮絶な戦いが幕を閉じたのだった。




『神を導く救世主~』


『東京に降る赤い雨の章』


『終劇…』





が…


物語は終わらない?




遠く離れたビルの屋上から、この戦いの一部始終を見ていた者がいたのだ!




白い狼の毛皮を頭から被り、顔にはピエロの仮面を被った怪しい男が一人…




(カミシニ達の動向が活発になったかと思えば、あのアライヴ君が負けて封じられるとは傑作だぁ!



それに、まさかこんな小さな異国の地で、世界を手にする三つのアイテムを手に入れるために必要な『地獄門の鍵』を持つ器が見つかるとはな!俺様は何処までもラッキーじゃないか!



だが、まだまだあの器は力不足…もう少し育つのを待つとしよう…




さてと…



いずれ、その『時』が来た時…



この世の全てを手にするのは、この俺様なのだからな!


ふふふ…あはははは!)




ビルの屋上から、その者の姿が消える。



この者が一体何者なのかは、いずれ語られる事があるだろうが、今回はこれまで!



いずれ、その時が訪れた時に…いずれ…いずれ…




世界の終末に!



次回予告



いよいよ物語は神を導く救世主から、転生記へと繋がる核心へと迫って行きます。若き三蔵が大人へと成長する過程で新たな仲間!


運命の女性との出会い?


更なる成長を遂げながら!


いまだかつてない絶望的な脅威の中で若き三蔵が突き進んで行く!


新たな新展開が待ち受ける!


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!


次の話は・・・



三蔵「読まないで・・・」

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