スサノオ猛る!対決デッドマン!!
ピンチのクシナダの前に現れたのはヤオヨローズのリーダーであるスサノオであった。ついにカミシニのリーダーであるアライヴの前にしてスサノオが一族の仇を討つのか!?
クシナダのピンチに現れたのは八百万の神のリーダースサノオだった!
スサノオは背中越しにクシナダに伝える。
スサノオ「下でヤバくなっている三蔵を見た!クシナダ!お前は三蔵を見てやれ!」
クシナダ「だ…だけど…」
スサノオ「行け!後は俺がお前の分も引っくるめて戦ってやる!俺を信じろ!」
クシナダ「わ…解った…スサノオ…死なないで!」
スサノオ「当たり前だ!」
(それに…これからの戦いは、お前には辛いだろうからよ…)
クシナダは傷の痛みを堪えながら、三蔵のいる展望台に向かった。
クシナダが出ていくのを見届けた後、スサノオはアライヴに向かって行く。
スサノオ「テメェか?テメェが…父神を…母神を…里を…そして、あの女を泣かせたカミシニのリーダーって奴かぁ!」
スサノオは怒りが込み上げていた。そう…長かったカミシニとの戦い…
仲間達の無念を背負い!
悲しみを、怒りを…
この日、この時まで堪えていたのだから!
スサノオ『うおおおおお!おおお!』
スサノオの草薙の剣がアライヴの眼前に振り下ろされたのだ!が、アライヴは微動だにしない…
そこに、割って入るかのように現れた男が、スサノオの剣を受け止めたからだ!
そいつは赤い長髪の男…
名をデッドマン!
デッドマン「俺との戦いの最中に何処に行ってるんだぁ?あ~?」
スサノオ「テメェ!俺の邪魔するなぁー!」
スサノオの振り払った剣を難無くデッドマンは受け止める。
スサノオ「テメェは…姉貴が相手していたはずだが?姉貴はどうした!」
デッドマン「あん?あ~!あのしつこい女か?」
するとデッドマン
『邪魔だから、殺っちまったよ!』
スサノオ『何だと!?』
スサノオは直ぐさま地上に念を送る。地上では、まだ仲間達がカミシニの大群とが戦っていた。
そうなのだ…
スサノオがこのタワー頂上にまで来るまで、仲間達の助けを借りて道を切り開いて来れたのだ!
月読にクシナダと三蔵を連れ去られた後は、タワーより降りてきたカミシニ大群との乱戦…
しかし、あまりにも数に戦力差が有りすぎた。
一人一人消えていく仲間達を残し、スサノオ達ヤオヨローズはそれでも東京タワーの頂上を目指して駆け上がったのだ!
落下していく仲間達…
自分を庇ってカミシニの攻撃をくらう者…
スサノオ「俺は仲間達の死を背負って来たんだ!」
だが、ここへ来る途中で厄介な敵が現れたのだ!
それは赤い長髪の男!
そいつは突然頂上から落下して来たのである。
奴は俺達に気付くと血をロープのようにタワーの柱に絡み付けて落下のスピードを抑えたかと思えば、再び血を大剣に変えて東京タワーを駆け上がっていた俺や仲間達に襲い掛かって来たのだ!
俺は仲間を庇いそいつと激突した…
スサノオ「オリャア!」
そいつの武器は大剣…
『ブラッド・クレイモア』
奴は大型の剣をまるで棒切れを振るうかのように扱っていた。一撃の重さが半端ない!!
スサノオ「邪魔だぁー!」
デッドマン「活きの良い虫けらだな?せっかくわざわざ遊びに来たんだぜ?あんまり俺を邪険にするんじゃねぇーよ!」
そこに、
アマテラス『スサノオ!そいつは私に任せな?あんたは上を目指しなさい!』
アマテラスが割って入りスサノオを先に行かせたのだった。
スサノオは知っていた。
アマテラスがヤオヨローズで最も強く負ける事がない事を!
スサノオ「姉貴がこんな野郎に殺られるはずねぇ!」
スサノオの動揺を他所にアライヴは上空を見上げていたのだ。
アライヴ「どうやら時間のようですね…」
突然、アライヴが上空を指差したのだ?
空?空に何が?
そこでスサノオは再び驚愕したのだった…
東京タワーの上空にはまるで『心臓』のような?
信じられないくらい巨大なモノが浮いていたのだ!
それは、東京ドーム十個分まで膨れ上がった心臓であった。
地上からは全然気付かなかった…
それは特殊な魔法陣のためであった。
スサノオ「あれは一体何だ!?」
アライヴ「ふふ…教えてあげましょう。あれは、まさしく生きた心臓!しかもカミシニの血を大量に含んだ心臓です。そして、あれはもう直破裂します!」
スサノオ「破裂だと?」
『!!』
スサノオは理解したのだ。
血の雨の正体…
それは、あの巨大な心臓の中にある大量の血が降るって事なのだと!
デッドマン「あの心臓は巨人族の生きた心臓なんだぜぇ?この時代に奴達を見つけ出すのはマジに苦労した!俺達は奴達を狩った後、その心臓をえぐり出し、特殊な方法でカミシニ化させて保存していたんだ!本当に地味な作業だぜぇ!」
アライヴ「複製させて降らせた雨は失敗に終わりましたからねぇ…一人もカミシニ化出来なかった…いや?君[スサノオ]が生き残ったみたいですね?」
スサノオ「里の雨も、こんな馬鹿げたモノで…」
アライヴ「不思議ですね?どうやら君もクシナダさんみたいに私の血の洗礼を受けていても、私に逆らえるみたいですねぇ?どういう事なのでしょうか?」
スサノオ「神転血したんだよぉ!貴様を殺すためになぁ!」
アライヴ「神転血?」
デッドマン「こいつを分解して調べりゃ良いだろうよ!」
アライヴ「あんまり跡形もなくしないでくださいよ?」
デッドマン「解ってるよ!」
アライヴはデッドマンに俺を任せて立ち去ろうとする。
スサノオ「待ちやがぁれぇ!」
アライヴ「?」
スサノオ「貴様の目的は何だ!何故神を狩る?何故雨を降らせるのだ!」
アライヴ「直に解りますよ…直にね?」
(そう…既に来ているのだから…)
デッドマン「話は終わりダァーッ!」
スサノオ「ぐぅうう!ぐぅわあああ!」
デッドマンが突進して来て、スサノオ共々…
東京タワーから落下したのである。
空中で落下しながらもデッドマンの攻撃は止まらなかった!
スサノオ「何て狂った奴なんだ!落下したら、コイツだって無事にはすまないだろうに!」
スサノオとデッドマンは空中戦を繰り広げながら、凄まじい勢いで落下していた。
それを見届けるとアライヴは、空中に浮かぶ巨大な心臓を見上げ…
アライヴ「もう直ぐ…もう直ぐ世界は終わる。これはその序曲なのです!」
東京タワーより離れたスカイツリーのてっぺんから、スサノオ達とカミシニ達の戦いを見ている者がいた。
《終わらせない…》
その者は白い民族衣装を纏った少年であった。
少年は片腕を挙げると2匹の紅色の小鳥がその手に止まる。
少年「行って来てくれるかい?」
小鳥は頷くと少年から飛び立って行く。
少年「さて、僕は…」
再び場所は代わる。
東京タワーから落下中のスサノオとデッドマン。
スサノオ(クソッ…そろそろ着地の準備しなければ!)
スサノオは剣をタワーの柱に突き刺して、落下の勢いを殺していく…
そこに…
デッドマン「何を遊んでやがぁるんだぁ!」
スサノオ「なっ!?」
デッドマンは落下の勢いのままスサノオに斬り掛かって来たのだ!
馬鹿な!!
「うっ…うぐわあああ!」
スサノオは突っ込んで来たデッドマンと東京タワーから落下して地面に衝突したのだ!凄まじい衝突音が響き渡る。
スサノオ「アガガ…!」
スサノオは辛うじて生きていた。だが、身体中が衝突したショックで動けないでいた。
身体中が痛みよりも、苦しみで嘔吐し、頭が…目の前がふらつき…
それでも剣を地面に突き刺して立ち上がる。
近くには赤い長髪の男が倒れていた…
デッドマンに間違いなかった。
デッドマンは首が逆に折れ曲がり、身体中の骨や肉が皮を突き破り、飛び出していたのである。その周りは血のたまり場となっていた。
スサノオ「馬鹿な奴め…着地を失敗して地面に激突しやがったようだな…間違いなく即死だ…」
スサノオは再び東京タワー頂上を見上げ、よじ登ろうとした…
が…
そこに殺気を感じたのだ!
スサノオは直ぐに振り返り剣を構える!
が、スサノオは何者かの攻撃で弾き飛ばされたのである。
スサノオ「ぐぅわああ!」
スサノオは地面に叩きつけられるも直ぐに立ち上がり、その相手を見たのだ。
スサノオ「まさか…!!」
その相手は…
間違いなくデッドマンであった!
デッドマンは身体中の飛び出た骨と、へし曲がった首が変な方向に向かせたまま立ち上がり、スサノオに向かって攻撃をして来たのだ。
スサノオ「コイツは…」
…不死人か!?
デッドマンの身体が次第に再生していく。
デッドマン「ヘヘヘ…改めて再戦と行こうやぁ?」
スサノオ「………」
(そうか…
だからコイツは東京タワーから落下してる最中も、着地を気にしてなかったのか!
何て…ふざけた野郎だ!!)
スサノオ「関係ねぇ!俺はアライヴの奴をぶっ殺す!そのために邪魔する奴は誰であろうとぶっ倒すだけだぁ!」
スサノオは剣をデッドマンに向けると、
スサノオ「おぃ!テメェ?姉貴を…どうした?さっき姉貴をどうしたとか言ってたよな?」
するとデッドマンはヘラヘラしながら言ったのだ。
デッドマン「姉貴だ?あ~あの女か?良い女だったぜ?マジに熱々な関係だったんだがよ~?あんまりしつこいからウザくなって消えてもらったぜ!暇潰しにはちょうど良かったぜ!アハハハハ!」
スサノオに寒気が走った!
アマテラスは戦闘力だけならスサノオよりも上だったからだ!
スサノオ「あの…アマテラス姉貴が?ありえねぇー!!」
デッドマン「安心しろよ?テメェも直ぐに逝かせてやるからよ?」
スサノオ『貴様ァ!貴様ァ!貴様ァ!殺してやるぞぉーー!!』
次回予告
三蔵「出鱈目な野郎だぜ!デッドマン!いや・・・マジにヤバくないか?勝てるのかよ?スサノオ!それにマジにアマテラスはデッドマンに殺られちまったのかよ??次回の話がマジマジに気になるぜ!!」




