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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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クシナダ!その愛の戦い!


クシナダはカミシニの血の呪縛に打ち勝ち、見事に神転血を遂げたのだ!


そしてクシナダは単身、カミシニのリーダーであるアライヴに挑む!!



アライヴの血の洗礼を受けたクシナダは、その魔性の血に打ち勝ち『神転血』を遂げたのだった。



クシナダ「貴方との因縁は私の手でつけるわ!」


アライヴ「正直、驚きましたよ…まさか貴女が…フフッ…しかし、貴女に私との因縁を断ち切る事が出来ますか?」



クシナダ「断ち切る!そして終わらせるわ!」



そこに…



クシナダの血の鞭から抜け出したデッドマンが割って入ったのだ!


デッドマンはクシナダの頭上から、血の大剣を振り下ろす!クシナダはその大剣を身軽な動きで躱して、体勢を整え着地する。


デッドマンは大剣を振り回すと、アライヴの身体を拘束していたクシナダの鞭を切り裂く。



クシナダ「デッドマン!邪魔はさせないわ!」



デッドマン「おい!あんまりオイタが過ぎると、軽くぶっ殺すぜ?」


デッドマンの殺意がクシナダへと向けられた時、



アライヴ「デッドマン!クシナダの相手は私がします!貴方は退いてください?」



アライヴが止めたのだ?



デッドマン「でもよ…」


アライヴ「それより貴方は下の邪魔者(ヤオヨローズ)を片付けて来てください!」



デッドマン「…そっかぁ?わかったぜ!」



デッドマンは渋々引き下がると、そのまま大剣を東京タワーの展望台に突き刺し穴を開けたのだ!


そして、そこから飛び降りたのである。


東京タワーから落下しながら、デッドマンは笑っていた。



デッドマン「ハハハハハハハ!邪魔者を片付けたら直ぐに戻って来るからなぁ!」



アライヴはクシナダと二人になった後、



アライヴ「さて、これで二人きりになれましたね?」


『私のクシナダ!』



クシナダ「!!」



クシナダは一瞬目を背けた後、再びアライヴを睨みつける。



クシナダ「貴方は私の心をどれだけ苦しめれば気がすむの?」



そう言うと、クシナダは血の鞭を回転させながら、アライヴに向かって攻撃を仕掛けたのである。



アライヴはその鞭を躱しながら、まるで遊んでいるかのように移動して、先程デッドマンが空けた穴から東京タワーの外に飛び出したのだ。



クシナダ「逃がさないわ!」


クシナダもアライヴを追って東京タワーの展望台の外に出て追い掛ける。


二人は強風の中、更に東京タワーの頂上を駆けながら攻防を繰り返す!



二人が去った後、東京タワーの展望台には一人、月読が気配を消して潜んでいたのだ?



月読「さぁて…私にはまだやる事がありますから、ここで消えさせて戴きますよ!さよなら~皆さん」



そう言うと、月読の姿が闇に消えていったのだった…


月読の思惑は一体?



クシナダの攻撃は続く!



『血の赤薔薇!』



クシナダの血が薔薇のような形になって、アライヴに向かって飛んでいく!薔薇はアライヴに近付くと、トゲが伸びて串刺しにする!


アライヴ「おっと?危ない危ない!」



アライヴは躱しながら、今度はクシナダに向けて、血で造ったナイフを投げつけたのである。


クシナダも、そのナイフを鞭を自在に操りながら打ち落とす。



クシナダ「貴方から貰ったた血は、貴方を殺す刃になる!皮肉よね?私は…貴方を許さない!殺してやる!」



アライヴ「憎まれたものですねぇ?あんなに愛しあった仲なのに…寂しいですよ?私は…」



クシナダ「寂しい?愛しあった?ふざけないで!貴方は私を一度足りとも愛してはくれなかった…利用していただけ!私が苦しむ姿を見て楽しんでいただけ!」



二人は言葉を交わしながら、攻撃の手を止める事はなかった。



クシナダ「私は貴方を…殺します!」


アライヴ「そうですか…残念です…」



すると、アライヴは何を思ったのか?攻撃の手を止めたのだ。その瞬間、クシナダの鞭がアライヴの身体を引き裂いたのだ!



アライヴ「ぐぅ!」



アライヴの身体から、血が流れていく…



クシナダ「なっ!何故?攻撃の手を止めたの!?」



アライヴ「私には貴女が必要なのです…」



『クシナダ…私のもとに戻っておいで!』



アライヴはクシナダに向かって、迎えるように両手を差し出したのだ!



『さぁ…おいで!クシナダ!』




その瞬間…


クシナダの身体から力が抜けていく?


目から涙を流しつつ…



クシナダ「酷い人…」


(アライヴ…貴女の瞳は昔のように…初めて出会った、あの頃と変わらない…


優しい目で、私を…見詰めてくれる。



手を伸ばせば届く…


あの人は目の前にいる…)



クシナダ「私は…」



クシナダの手がアライヴの差し出された手に惹き付けられるかのように、自らの手を伸ばそうとした…



が、クシナダは自らの手を引き戻し、自分の胸に押し付けたのである。



そして…



クシナダ「私は…貴方を…あ…愛してた…」



クシナダは涙を流してアライヴに向けて叫んだのだ。



『愛してた!愛してた!愛してた!愛してた!愛してた!愛してた!愛してた!愛してた!愛してた!』



クシナダは訴えるかのように!叫び散らすかのように!今まで押し留めていた想いを口に出したのだ。




アライヴ「クシナダ…嬉しいよ!だからこそ私のもとに戻っておいで?私も君を愛しているよ!」



クシナダ「だったら…」



『何故、あんな事をしたのですか!』



それはクシナダの口から明かされる二人の因縁だった。



クシナダ「私は貴方を許せない!絶対に…許せないの!あの子のためにも!」




クシナダはアライヴから離れるキッカケになった出来事を思い出す。



それは、ヤオヨローズの里の悲劇より後の話。



ブラッドであったクシナダはアライヴの命で、神狩りを繰り返していた。



迷いはなかった…


自分の手が汚れようと…


(同族を殺す事)


愛した男のために!



そんなある日だった。クシナダは自分の身体の異変に気がついたのだ。


それは、吐き気から始まった。


まさかと思った…


しかし間違いではなかった。



クシナダの中には、もう一つの魂が宿っていた。彼女は身篭っていたのだ!



その相手は間違いなく…


アライヴだった。



しかしクシナダには自信がなかった。アライヴがそれを知ったらどうする?


クシナダは仲間達から身を隠し、一人『赤子』を産んだのだ。


そんなクシナダにアライヴ直属の命令で数人のカミシニの追っ手が差し向けられたのだ。逃げていたクシナダも赤子を連れては自由に動けずに捕まってしまう。



そして場所は変わり、とある超高層ビルの真上…



そこにはアライヴと追っ手を任されたカミシニが四人。クシナダは観念してアライヴに自分達の間に赤子が出来た事を伝えたのだ。


その話を聞いたアライヴは、指先に血の結晶を宙に浮かばせると、その場にいた追っ手のカミシニ達を背後から消し去ったのだ?


それは証拠の隠滅だったのかもしれない。


そしてクシナダに近寄り赤子を受け取ると、優しく抱き抱える。



アライヴ「この子が、私と貴女との?」


クシナダ「はい…」


アライヴ「そうですか…それは驚きました」



本来、カミシニに子供は出来ないのだ。それは幾度と実験された…が、カミシニには生殖機能が失われてしまうのである。不死であるカミシニには必要ないからなのだろうか?



だが、異例が生じたのだ。


アライヴはまだ幼い赤子の顔を指で触りながら、あやしていた。


それはまさしく父親としてのアライヴ…



アライヴ「まるで天使のような笑顔ですね?本当に可愛い…」



クシナダは一瞬、嬉しくなった。が、



クシナダ「アラ…」



クシナダがアライヴの名前を呼ぼうとした…その時!


クシナダの目を疑うような事が起きたのだ…



アライヴ「しかし、私には不要ですね…」



そう言って、アライヴは抱き抱えていた赤子を…


何の躊躇もなく…


まるで、ゴミを捨てるかのごとく…




ビルの下に落としたのだ。



『いゃあああああああ!』



クシナダの叫び声が響き、直ぐさま赤子を助けに飛び出そうとしたが、アライヴに腕を掴まれ…


そのまま…


連れて行かれたのだった。



クシナダ「私は…私は!貴方を信じられない!私は!私は!」


アライヴ「まだ、そんな小さな事で怒っていたのですか?」


クシナダ「あれが小さな事ですってー!?」



クシナダの中で怒りが爆発したのだ!



が、その瞬間…



クシナダは身体中、アライヴの投げた無数の血の剣で串刺しになったのだ!!


クシナダは両手、両足を串刺しにされたまま…


東京タワーの鉄の柱に張り付けにされた。



クシナダ「うぐっ!」



そして目の前にはアライヴが近寄っていた。


身動き出来ないクシナダは何も出来ないまま…



クシナダ「悔しい悔しい悔しい…」



(でも…私は酷い女…)



クシナダ「最後に謝りたい…」


アライヴ「今頃、命乞いですか?」


クシナダ「違う!ヤオヨローズの皆によ!」


『仲間のため…八百万の里の復讐のためと言いながら、実は私の私怨だったのだから…私は…身勝手だったと!私なんかが彼等と仲間だなんて…言えない……』



クシナダは観念した。



クシナダ(このまま死ぬくらいなら…)


クシナダは串刺しになった両手と両足を強引に引き抜き、アライヴ目掛けて最後の一撃を放ったのだ!


クシナダの流れた血が刃となってアライヴに迫る!


が、それも虚しく…


アライヴは片手で受け止めたのだ。



クシナダはその場に力尽き崩れるように倒れる。



クシナダ「せめて…最後に…皆に謝りたかった…」



一瞬、クシナダの脳裏に…あの者の顔が浮かぶ。



クシナダ「あの人は私のそんな心を見透かせていたに違いない…仲間としてではなく…私怨で戦っていた私を…仲間にだなんて思えないのも当然だわ…ごめんなさい」



アライヴ「何を言っているんだい?突然一人言とは?」



『!!』



その時…目の前のアライヴがクシナダではなく、その後ろを凝視する。


直後!剣がクシナダとアライヴを引き裂くように飛んで来て突き刺さったのだ!アライヴは剣を躱し後方へと飛ぶ。



残されたクシナダの頭を軽く撫でる手が?



『もう良いぜぇ?それ以上気にするな…俺はそんな事は関係なかった…』



『復讐をお前に強制するつもりなんて、さらさらないぜ…私怨だろうが何だろうが関係ない!俺はな?お前が俺達と行動を共にし、仲間になる以上…素直に…自分一人で抱え込まないで、全て打ち明けて欲しかっただけなんだ!』



クシナダ「!!」



『まぁ、姉貴曰く…言いにくい事情だってあるって事は、解る!でもな…俺達はお前の私怨を引っくるめて一緒に戦ってやるんだぜ?だからな…え~とよ?俺達をもっと信じて欲しかったんだよ!解ったか?』



クシナダの目の前にいる男の背中は、とても大きく…その不器用な言葉にクシナダは救われていく…



その男は最後に言った。



『だって、お前は俺達の仲間だからな!』




クシナダはその言葉に涙した。



クシナダ「貴方は…こんな自分勝手な私を仲間だと言ってくれるの?こんな私を?言えなかった…怖かった…貴方達からも拒まれる事が怖かった…」



『はぁ~?既にお前は仲間だよ!』



その男は剣を片手に握りアライヴに向かって行く…



その背中に、言葉にクシナダは崩れ泣いた。



クシナダ「あり…が…とう……スサノオ!」


次回予告


三蔵「俺は三蔵だ!


と、いつもは語りが名乗っていたのだが、暫らくの間はないぜ?


一応は瀕死使い物にならない気絶中の、主人公をスサノオに奪われ中の俺が語っていると思ってくれよな?」



三蔵「それにしても完全に主人公の座を・・・美味しい登場を奪われちまった・・・くすん」

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