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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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血の定め?神を殺した少年!


ヤオヨローズの裏切者の正体は、スサノオとアマテラスの兄弟である


月読だったのだ!?





それは…遥か昔の記憶…


いつだっただろう?



それは私がまだ、何も知らない幼い子供だった話。



己の血の宿命に気付かされた運命の日の記憶…



私の住んでいた村は荒れ果て、生きている者全てが飢えと病気に苦しんでいた。


私の父もまた私が幼い頃に病で他界していたため、母と二人暮らしで、細々と生きていたのだ。



そんなある日…



私の住んでいる村に神が舞い降りたのだ!



背に白き翼を生やし、白い衣を身に纏った美しき神(天使)…



神は村の広場の中央に舞い降りると、村の皆に病や怪我に苦しんでいる者はいないか?と尋ねたのである。


村の皆は恐る恐る神に近付き、病の者を見せると…


神は手を当て光を照らしたのだ。



すると…



今まで寝たきりだった者が、何もなかったかのように歩き回り、歓喜の声をあげたのだ。



その奇跡は村全体の話題となった。一目神をその目にと野次馬が集まり、そこには病や怪我で苦しんでいる人間達が行列になっていったのだ。



そんな自分も、母とその神を一目見ようと好奇心で集まったやじ馬の一人であった。



後に、この好奇心を一生恨む事になるとは…



集まっていた行列も落ち着き、子供達が神に集まって行ったのである。


神は子供達に祝福の光を照らしていた。


私もその神に近付きたくて、駆け足で神のもとに向かったのだ。しかし私は躓き転んでしまったのである。


私の膝は擦りむき、血が垂れていた…


そんな私に気付いた神は自分に近付いて来た。


そして私の膝に光を照らしたのである。



温かい…



見る見る傷が癒えてきたかと思うと、突然…


目の前の神が苦しみ出したのだ!



私は心配になって神に触れてしまったのだ。


だけど、神は私の血に触れた途端…


更に苦しみもがき、身体が腐り始めたのである。



そして、私を指さし…



『呪われし神殺しの…血…』



と言い残した後、白い羽だけを残して身体が腐り溶けてしまったのだ!



私は意味も解らないままその場に立ちすくんでいた。



その現場を目撃した村の誰かが叫んだ。



「あのガキ!神を殺したぞ!」



意味が解らないままその場にいた者達が我を取り戻し『神殺し!神殺し!神殺し』と、私を指差し、手に凶器を持って迫って来たのだ。私は恐怖に奮えて動けないでいた。


だが、そんな私を守るように優しく抱き抱える者がいたのだ?



母である…



母は「大丈夫!大丈夫だから!」と、私を抱きしめてくれた。



母さんの温もり…



恐怖の中で、一瞬感じた…


母の愛…


私はそんな母さんに「話せば解ってくれ…る」と…言いかけた時…


母さんの唇から赤い血が垂れて行くのが見えた。


滑るように首が胴体から滑り落ちて行く?


足元に転がる母の頭…


私は目の前の現実が理解出来なかった…


母の胴体から血が噴き出し、まるで赤い雨のように私に降りかかっていたのを鮮明に覚えている。


そして、その先には刀や、矛を持った村の男達が近付いて来る。


私は恐怖で動けないところを…母の身体ごと…



貫いたのだった。



それから…



狂気に満ちた村の男達は私と母の身体を何度も何度も貫き…


そこには見る影もない無惨な死骸が転がった。



まさに狂気!



彼等にとってそれは神を殺した悪への制裁…



時が経ち、無惨な死体が転がり、落ち着いた人間達は自分達を誇らしく感じていた。それは神への忠誠?いや!自己陶酔に近かった。



だが、斬撃はまだ終わらなかった。


私だった幼き身体から流れる血が尋常ではなかったのだ?



流れていく血は…


溢れ…


大地を染めるまでの血が溜まっていく?


そして、私の死骸は血の中へと沈んで行った。


人間達はその異常さに気付き恐怖していた。


その血の海の中で、私はまだ意識があった。



私は感じていた。



一本一本…何か糸のようなものが…自分の中で切れていくのを?



血溜まりから再び表の世界へと私の身体が浮かび上がった時…



そこには…



傷一つない私が現れたのだ!



そこにいた者達が叫ぶ…



「化け物だぁ!神を殺してたあげく、殺しても死なない化け物だぁー!」



瞬間、叫んだ男が串刺しになった!


それは血の槍??


少年[私]から流れた血が、まるで生き物のように動き出し、血の槍となって男の身体を貫いたのだ!



更に、血溜まりから出現した無数の血の槍が、その場にいた全ての人間を貫いていったのである。



悲鳴が絶叫が村全体に響き渡る。復讐!処刑!根絶やし!



「死ね…死ねぇ…死ねぇ…死ねぇ…全て消えてなくなってしまえ…」



そして…


僕の心を凍てつかせてくれ!


これ以上…


何も感じないように…その日を境に…


私は神を呪う者となった。



ほんの気まぐれで村に現れた神が私と母の未来を奪った…



私の血が神を殺すものだと知らされた…



神さえいなければ…


存在しなければ…



それからと言うもの私は神が現れたという噂を聞いては、その地に出向き神を見つけては…


狩っていったのだ!


神って…


鳥みたいなんだぁ…


美しい羽が鮮血に染まり…


私の前に平伏す。




そんなある日、新たな神の噂を聞いて、いつものように現れた場所に訪れたのだ。その先で…私が出会った神は、私の凍てついた心を溶かし、その運命を決定付ける事になったのだ。



その者は人と神との間に産まれ落ちし者!



人々は彼の事を口々にこう言った。



『救世主と…』


だが、彼は無力な存在だった…


神と言っても見た目は人間と変わらず、唯一奇跡の力があると言えば病人や怪我人を癒す事くらいであった。


そんな彼は貧乏な人間達からは正しく神に等しい存在であり、聖人であった。


だが、そんな彼に不満を抱く者もいた。


人間の王の存在だった。彼の噂は人伝で王の耳に伝わり、絶対権力を誇示していた王は面白くなかったのだ。自分以外の人間が敬われ神と讃えられているのだから…



そんな時、私は王に命じられて彼を暗殺する命令を受けたのだ。そう神を殺せる人間として、私もまた王の耳に入り呼ばれたのだ。


私は彼を直ぐには殺さなかった。それは、ほんの気まぐれだったのだろう。



彼は命を狙われていた。



だが、彼は戦う手段は勿論、争う事を嫌い、無抵抗に徹していた…



当然、そんな甘い世の中ではなかった。彼は幾度と王から命じられた暗殺者に殺されそうになった。


そんな時、私は見ていられなく…つい…彼の命を助けてしまったのだ。


本当に気まぐれ以外何でもなかった。


だが、彼の生きざまに少し興味?好奇心があったのだ。殺そうと思えばいつでも殺せる。だが、あのアマチャンがどうやって死ぬかを見届けたくもあったから。


私は気付くと、何故か彼の用心棒になっていたのだ。


本当に笑える話だ…


だが、彼との旅は自分にとって嫌なものではなかった。人間は勿論、神をも信じず、1人で生きて来た私にとって初めての同行者…


救い?


神が私を救ってくれた?


私は彼に出会い…


彼の『友』となった…




彼を信じ…


崇拝したあげく…


私はその友を…



殺したのだ!!





『うあぁああああああ!』





私は過去の記憶にうなされ目が覚めた。




ハァ…ハァ…


私は顔を片手で支え辺りを見回す。



そうかぁ…


ここは東京タワーの…



すると、私の背後から私を抱きしめる者が?



「また、あの夢を見ていたのか?」



それはデッドマン…


イニシエよりの…友…



デッドマン「忘れろとは言わねぇよ?憎しみや怒りが強さに…お前の力になるのだからなぁ…だけどよぉ?」



デッドマンは私に顔を近付けると、自分の額を私の額に押し合てながら言った。


デッドマン「お前一人で抱え込むなよ?俺が…お前の悪夢を背負ってやるからよぉ…」



そして、


デッドマン「そうさ…俺もまた…アイツを裏切り…殺したのだからな…」


私はデッドマンの手を握り立ち上がる。


「心配させてしまいましたね…」



あの日から私は名前を変えて再び神を狩り始めた。



デッドマンと言う赤髪の運命共同体と共に…



『そう…神は狩らねばならない…世界を混沌に…全てを無にかえすために…』



私の後をデッドマンが付き従うようについて来る。



『私の名前はアライヴ…生きる意味を、神を殺す事を宿命とされたカミシニ達のリーダーであり、神を狩る絶対者…!』




私の向かった先には、


カミシニのメンバー達が控え待っていた。



そして中央には裏切り者のブラッドさんと…見知らぬ人間の若者が縛られていた。





そう…


始まるのだ…


赤い雨が…再び…


私の前に降り続けるだろう。


次回予告


三蔵「マジに俺の出番がないじゃねぇかよ!!


てか、月読の野郎が俺達を裏切っていたんかよ!」


スサノオ「待ってくれ!あのっ月読にかぎって・・・俺達を裏切り、カミシニの配下になっていたなんて・・・そんな事、絶対に!!」」



『・・・有り得る!!!」



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