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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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八百万の神の裏切者・壱・・・神転血!


強敵ホムンクルスを撃破した三蔵達!


彼等はスサノオ達と合流するべく先を目差し向かうのだった。



八百万の神の裏切者編第一話!



俺達は東京タワーに向かって走っていた。


俺は三蔵だ!



俺、クシナダとリキッドは、俺の緻密にて巧妙なる戦略にて、ハイマスタークラスの強敵!七賢者の一人であるホムンクルスを撃破したのであった。



そう…天才的な…だぞ?



で、俺達はその後も襲い掛かるカミシニ達の追撃を撃退しつつ、東京タワー間近にまで来ていたのだ。



ん?あれは!?


俺達の前方でカミシニ達と戦っている奴達がいる?


間違いない!


それはスサノオ達の部隊であった。



スサノオはマスタークラスだと思われる連中を引き受け、他の仲間達が雑魚のカミシニ達を太陽の加護にて神力の高まっている武器を手に仕留めていく。



まさに連携が取れた戦い方だった。


俺達とはと言うと…



マスタークラスをクシナダとリキッドが相手をして、俺と他の仲間が援護…



なんか俺…


派手な登場とは裏腹に…



役に立ってないのでは?




この三蔵様が?


俺は意味あるのだろうか…


何しに来たのだ?マジに?



存在意義に自信喪失だ…



逆にリキッドの奴は調子が良いみたいだった。



理由は…



リキッド「へへへ!キタァー!」



それはウズメから聴こえる歌のせいだった。ウズメの歌は離れた場所から俺達の脳に直接流れて聴こえて来ているのだ。一種のテレパシーだな?



因みに今聴こえて来ているのは?ん~俺にはよくは解らないが…



『即効洗剤!キバンデルジャー!』


『サッカー使用可!』


『早朝仮面バイター6!』



つまり…現在放送中の特撮やアニソンらしい。



リキッドはこの手の歌が流れて来てからテンション上げっぱなしなのだ。


まったく…アニソンでテンション上げるなんて、お子様だ!



リキッドはノリノリにカミシニ達を倒していった。



戦場が落ち着いた後、俺達はスサノオ達に合流したのである。



三蔵「大丈夫か?」



これだけのヤバい奴達を相手に、スサノオの奴は仲間を庇いながら戦っていた。負担がないわけがない。



スサノオ「三蔵か?なんだ…来てたのか?」


三蔵「当たり前だ!なんだとは、なんだ!」


スサノオ「たくっ!あれだけ来るなと言ったのに馬鹿な野郎だ!」


三蔵「誰が馬鹿だ!…でっ?他の部隊はどうなってるんだ?」


スサノオ「姉貴なら…あそこを見ろ!」



スサノオが指差した先には既に、アマテラスが部隊を連れて待っていたのだ。



三蔵「アマテラスは既に到着していたのか!ん?月読の部隊は?」


スサノオ「兄貴はまだのようだな…何を手こずってやがるんだか…」


三蔵「まさか!何かあったんじゃねぇか?手助けに向かうか?」



スサノオ「ふっ…心配無用だ!あの月読は…」








『…俺より強いんだぜ!』







スサノオ達に遅れて月読部隊はと言うと?



ビルの屋上。そこにはマスタークラスのカミシニが五人、密談をしていた。


そこにいる者達は『転生』を敬い、アライヴからカミシニ達のリーダーに祭り上げようとしていたのだ。



彼等は吸血鬼一族…



「俺は転生さんにカミシニのリーダーになって貰おうと思う!ここに集まった吸血鬼一族の同士よ!俺に力を貸してくれ!」


「だが、アライヴ様は人間でありながら、その力は桁違いだ…それに、側近にはいつもデッドマンがいやがるし…」


「だが、カミシニの二万の兵士の九割が吸血鬼一族なのだ!いくらアライヴ様やデッドマンが強くても負けるはずがない!」



そんな反旗を翻そうと密談をしているカミシニ達に近付く者が一人…



『!!』



カミシニ達はその気配に気付き、その者を見たのである!



「あれれ?お呼びでないみたいですねぇ?私?アハハ…なんなら、このまま立ち去りますけど?めんどくさいですし…」




その者は、ヤオヨローズの男であった。まるで華奢な女みたいな容貌に、ヘラヘラしながらひょうひょうと、その場から立ち去ろうとしていたのだ。



カミシニ「おい!待て!貴様、ヤオヨローズの者だな?残念だが、このまま行かせる訳にはいかねぇぜ!」



ヤオヨローズの男は立ち止まり、ビー玉サイズの勾玉を指の上で回して遊びながら振り向く。


その者の名前は…


『月読』


アマテラスの弟であり、スサノオの兄である。



その実力は??



月読「やはり帰らせてはくれないみたいですね~?あ~あ…面倒臭い…」



月読に向かって、マスタークラスのカミシニ五人が囲み込む。その手には神を殺す血で構成した武器を持っていた。



カミシニ「ふふふ…俺達にとって神族もまた仇敵だ!消させてもらうぞ!」



カミシニ達は月読に向かって同時に襲い掛かる!



「闇の勾玉…」



月読はボソリと呟く。



その瞬間、カミシニ達の視界が闇に包まれたのだ?



カミシニ「なっ?何が起きた!」



戸惑うカミシニは警戒しながら背中越しに武器を構える。が、暗闇はほんの一瞬であった…



闇は消え、再びもとの視界が戻ってくると?



カミシニ「何だ?何があったか解らないが、とんだ虚仮威しだったようだな?てめぇら!行くぜぇ!」



「……………」



一人のカミシニが叫んだが、仲間の反応が返って来ないのだ?



不思議に思い振り向くと、そこにいた仲間達は…


首が無くなっている者?


身体に風穴が空いている者?


下半身を残し、上半身が無くなっている者?



まるで、何かに食い散らかされたような残骸が残されていたのだ。




カミシニ「なっ!?どうなってやがる??」



月読『闇の勾玉…闇喰』



月読が生き残ったカミシニに近付いて来る。



月読「私の持っている七ツの勾玉には、一つ一つ特殊な力がありましてね?今のは闇喰と呼ばれる勾玉の力です。闇喰は悪食ですから、お前達の穢れた血すら好んで食い散らかしますよ?」




カミシニ「こ…この!よくも仲間を!」



カミシニが血の武器で構成した剣を振り上げ月読に斬り付けると、月読の身体が消滅していく…



カミシニ「ふふふ…」



が、手応えがない?



カミシニ「何!」



するとカミシニの目の前に五人の月読が現れたのだ!



月読『白の勾玉…消幻』



カミシニ「馬鹿な…」



月読「まだまだありますけど…もう終わってるようですねぇ?」


カミシニ「何だと!えっ?あっ…ああああ…」



そのカミシニは無数の穴に貫かれていたのだ。



『黄の勾玉…飛遊!』



月読「お前達が仲間を口にするとは…笑わせてくれますね?」




月読が戦っていた同時刻、俺達はと言うと…




物語は俺達の方でも動いていたのだ。



俺はスサノオとアマテラスと合流し、東京タワー間近まで来ていた。



そこに待っていたかのように、カミシニ達とマスタークラスの猛者十人が待機していたのだ。



スサノオ「行くぜぇ!」


『うおおおおおお!』



激しい攻防!



スサノオとアマテラスはマスタークラス六人を相手に戦っている。


クシナダとリキッドはマスタークラス四人相手にしていた。



くそ…


俺はまだ…



マスタークラスと五分に戦う力がないのか?



もどかしい!



スサノオ『うおりゃあ!』


スサノオの剣が最後のマスタークラスを斬り伏せる!


真っ二つに頭から血しぶきが噴き出し、倒れるマスタークラスのカミシニ。



これで…終わりか?



戦いは長くはかからなかったのである。それだけスサノオやアマテラスの実力が上回っていたのだ!



クシナダ「………!」


三蔵「どうしたクシナダ?」


クシナダ「強いとは思っていたけど…桁違いだわ…」


三蔵「どういう事だ?」


クシナダ「アマテラスにスサノオ…私の想像以上に強い…いや、強すぎる!マスタークラスを三人相手に一人で勝つなんて…ハイマスタークラス並だわ!」



三蔵「…だから、どういう事なんだ?」


クシナダ「…もしかしたらあの二人…カミシニの力を持つ、別の何かに進化したのかもしれない…」


『もしかしたら…神転血…したのかも…』


※シンテンチ



三蔵「神転血?」


クシナダ「私も光の主に聞いただけなので詳しくは解りませんが、カミシニの血を極限にまで進化させたのがハイマスタークラスの『高血種』です。ただ、その血を意志の力で高血種とは違う同等の力を持った何かに進化させたのが…スサノオ達の血…神転血なのかも?」


三蔵「それは何か違いがあるのか?」


クシナダ「カミシニには血の縛りがあるのです!その血を持つ者は決して主には抗う事が出来ない呪われた血の拘束があるのです!それは高血種になればなるほど縛られるのです」


三蔵「つまり強くなれば成る程逆らえないと?」


クシナダ「はい。しかし神転血したカミシニは…その血の掟に縛られないのです!」


三蔵「そりゃあ!すげぇな!それって、俺にも出来るのか?カミシニの血でパワーアップして一石二鳥ってわけだよな?」



クシナダ「ふざけないでください!」



突然、クシナダが声をあらげて俺に激怒したのだ。



クシナダ「あの血は貴方が思っているような!能力を上げるためのものなんかじゃない!神を殺すために存在する血なの!血に受け入れられなければ、化け物になるか死んでしまうわ!運良く生きていても、血に逆らえず…奴達の奴隷として神を殺す側になってしまうの!冗談でも言わないで!」


三蔵「す…すまん…悪かった…」



俺は面食らった…


大人しく見えるクシナダが、俺の胸倉を掴みながらキレたのだから。



そうだった…



クシナダも一度は、その血に見初められ…


神を殺していたのだ…



三蔵「…悪かった。二度と馬鹿な事は言わん」



クシナダは俺の胸倉を放すと「そうしてください…」と言って、そっぽを向いたのだ。




あちゃ~俺ってば余計な事を口走ったぜ…



その時、突然!スサノオが叫んだのである!



スサノオ『さっきからそこにいる奴!隠れてないで出てきやがぁれ!』



見ると…



もう一人、マスタークラスだと思われる奴が、木に寄り掛かりながら俺達を見ていたのである。



男『……………』



スサノオとリキッドが男に向かって駆け出す!


すると男は焦る事なく己の血を変化させて剣を構成すると、突然発火し炎の剣を出現させたのだ!


男の振り払った剣から発っせられた炎が、スサノオとリキッドを襲う!


二人はたまらず炎に包まれながら転げながら火を消す。



リキッド「ぎゃあっち~い!」


スサノオ「うぐわぁ!たまらん!」



炎の剣を持った男がゆっくりと、こちらに向かって来てその顔が見え始める。



スサノオ「お…お前!まさか?」


カミシニの男「久しぶりだなぁ?スサノオ!」



どうやら相手の男はスサノオと顔見知りらしいな?



アマテラス「どうして、あんたが…?」


『ヒノガグツチ…』




男の名前は、ヒノガ…


八百万の神の一人であり、炎を操る魔神の転生者であった。


次回予告


三蔵「突然、現れたヒノガグツチ!スサノオとの因縁?そして神と神!俺の想像を遥かに超えた壮絶な戦いを目にする事になる」


「俺はこの戦いを目に焼き付ける。


俺はまだ、あの領域には遠く及ばないから・・・」

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