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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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神曲!ウズメのアイドル伝説!?


スサノオ達がカミシニとの戦いを繰り広げている時、


たった一人離れた場所で、孤独な戦いを始める少女がいた。




カミシニとヤオヨローズが命を懸けた戦いをしている時、代々木公園の中では人間達の大歓声が響き渡っていたのだ??



それは突然何処ともなく現れた少女の存在…



彼女は一人、ステージに上がると…誰が聴いているとも解らないこの場所で、ゲリラライヴを始めたのである。


その歌声に、一人一人とその場にいた者達は彼女のステージに集まりだす。



今、この代々木公園野外ステージは、超有名人歌手並の大歓声の中、彼女の野外ライブが始まったのだ!



無許可で…



彼女の名前は…


『ウズメ』


芸能の神でありヤオヨローズの歌姫であった。




そう…


彼女の歌は人間達を魅了していく!



最初に彼女が歌ったのは


『故郷』


それは、懐かしく切なく儚い歌…


聴く者は知らず知らずに涙し、その歌声に酔いしれていく。


都会に状況し故郷や家族を懐かしみ、今まで抑えていた感情が溢れだしていた。


更に代々木公園に人間達が集まって来る。


例え姿が見えなくとも、歌声は遠く離れた場所にまで響いていたからだ。



更に歌は恋の歌へと…


『ファーストキスはパパ』


『先輩は落ちこぼれ』


『恋の逆立ちで、すってんころりん』


『乙女の恋は、バナナ色』


『恥ずかしがり屋なヒゲ面』



それは、甘酸っぱい青春の恋歌から、情熱的な愛の歌。失恋歌。上手くいかない恋…意味不な恋の難しさを、丁寧に歌い上げたのである。


そして…


歌はアップテンポな曲へと変わっていく!



『燃えろジェスチャー!』


『バーニング・塩!』


『破滅のジグソーパズル』


『弾けろ!ポップコーン』


エトセトラ…



更に盛り上がりは絶頂へと沸き上がり?気付けば代々木公園は大歓声が響き渡る人間達で埋め尽くしていたのである。



それは口コミ?


渋谷から新宿…


池袋…


流れるように人間達は集まって来る。



ウズメ『皆さん!盛り上がってますかぁー!』



人間達の声援が、まるで大地のうねりのように響き渡ったのである。



誰も知らない…


この無名の幼い少女の歌声に…


人々は酔いしれていく…




その歌声はプロの歌手を凌駕し、そのダンスはプロダンサー顔負け!まさに天才的!何より、彼女の恐るべき所は…



全て即興なのである!



彼女は歌いながら、その次の歌詞と曲を造り出しているのだ!!


しかもしかも!


あらゆる楽器を使いこなし、あらゆる言語でノンストップで歌い上げていた。




まさに神掛かり?



いや、神なんだけど…




そして彼女の歌声は、光の柱を空高くまで飛ばしたのである。



ここは…


血にまみれた戦場…



スサノオは三人のマスタークラスのカミシニ相手に、傷付きながら息を切らしていた。



スサノオ「はぁ…はぁ…」


そこに、スサノオ目掛けて光の玉が降って来たのだ?


スサノオ「フッフフ…」



突然笑い出すスサノオにカミシニ達は、死を直前にして頭がおかしくなったのだと思った。



カミシニ「何がおかしい?」


スサノオ「…ウズメの奴、始まったようだな?」



すると、スサノオの身体から凄まじい力の波動が伝わって来たのである!



カミシニ「奴に何が起きていると言うのだぁ??」



スサノオ「これからが本当の戦いだぜぇ!」



その瞬間、スサノオが消えたのである!


カミシニ「何処だぁ!」



辺りを見回すがスサノオがいない?



スサノオ「ここだぁー!」


瞬間的に飛び上がったスサノオは、カミシニ達の真上から落下して来たのである。そして、落下と同時に…


スサノオ「うりゃああ!」


スサノオは草薙の剣を振り回し、三人のカミシニを一刀両断に一気に斬り伏せたのだ。



突如力が上がるスサノオ?


しかし、それは他のヤオヨローズの仲間達も同じであった。



アマテラス「グッドタイミングよ!ウズメ!」



アマテラスの身体に光の玉が降って来ると…


体力が回復し、その神力がスサノオと同じく高まっていったのである。


アマテラスを中心に、カミシニ達がいっせいに襲い掛かって来る!


アマテラスはゆっくりと左腕と右腕を交差させながら、太陽エネルギーを集中させていくと一気に放ったのだ!



『太陽光線!ジョワ!』



太陽エネルギーを凝縮させた光線が、群がるカミシニ達を全方位に消滅させていったのである。



アマテラス「ふふふ…ちなみに太陽光線は三分間しか連続発射出来ないけどね…」



月読も降って来る光を浴びていた。


月読「ウズメさん…やってくれましたね!力が湧いて来ましたよ~!」



月読の勾玉が円を描くように宙に浮かび上がり…


回転していく?


月読の指の上で更に回転は早まり、巨大なリングへと変わったのである。


月読はカミシニ達目掛けてそのリングを投げつけると、カミシニ達を真っ二つに切断したのだ!



驚異的な力はスサノオやアマテラス、月読だけではなかった!


他の仲間達も力が飛躍的に上がり、カミシニ達を次々に仕留めていったのだ。

突如降って来た光の玉を浴びたヤオヨローズの仲間達の力が同時に全員高まっているのは何故?



一体…彼等の身に何が起きたのだろうか?



それは…


ウズメの力であった。



元来、神は人間に奉られるものである。


神は人間の念にて、その力を高めているのだ…


いや?神だけではないよな?例えば誰かに応援されると、力が沸いて来るような気分になった事はないだろうか?



神はそれを強く影響を受けるのである。



祭とは元来人が神に力を捧げ、神はその力を人に貸すのだと言えよう。


気まぐれ的に。



ウズメは集まった人間達の念を集め、変換し、仲間達に神力として送っていたのだ。



カミシニとの直接な戦闘こそ出来ないが、ウズメは彼女なりの戦いをしていたのだ。


なぜなら…


彼女はアイドルだから…



アイドルとは崇拝される者を意味する!


崇拝とは神の信仰と同じ作用を及ぼすのである。



更に付け加えて言えば、ウズメは人間達を危険区域から少しでも離し、自主的に移動させる役目をおっていたのである。




まさに神のなせる業!



神なんだけどね…



ウズメ『この思い!皆に届けぇ~!』



歓声『ウオオオオオオオ!』



場所は変わり…



ハァ…ハァ…ハァ



新宿…歌舞伎町周辺ではクシナダがカミシニ相手に苦戦していたのである。



クシナダの周りには、ホスト風のカミシニ達が囲んでいたのだ。



カミシニ「へヘ!コイツは噂のブラッドさんじゃないですか?」


カミシニ「あんたをアライヴ様にお届けすれば、俺達にあの方の持つ…血の力を分け与えてくださるはずだ!運が良いぜぇ!」


カミシニ「だが、噂のブラッドさんはジャジャ馬と来たもんだ…少し痛い目を負って戴きますよ?」



そういうと、カミシニ達は一斉にクシナダに向かって飛び掛かったのだ!



クシナダ「私をナメナイでください!」



すると、クシナダに迫って来たはずのカミシニの男達の身動きが止まったのだ?


「何だよ?これは?」


「身体に何か絡みついている?これが原因か!」



見るとクシナダの五本の指から糸が伸びて行く?その糸はカミシニの男達の身体に絡み付くと、



クシナダ「逝きなさい!」


カミシニ「ちょ・・・待って!うぎゃあああああ!」



クシナダが指を引っ張ると、その糸が張り男達の身体が粉々に切り裂き消滅させたのだ!



クシナダ「カミシニの血が染み込んだ私の髪は…鋼の刃よりも鋭利なのよ!」



残ったカミシニの男達はクシナダに対して恐怖する。考えてみればクシナダは元は七賢者の一人だったのだから…



カミシニ「だが、いくら七賢者と言えど!全方位からの攻撃に対処しきれるかぁ?」


クシナダ「?」


クシナダの上空から身を潜めていた翼を生やした七体のカミシニが急降下して来たのだ!


更に四方からカミシニ達が刀を抜いて斬りかかる!



クシナダ「くっ!」


クシナダは糸を伸ばして上空のカミシニに対処する!糸は蜘蛛の巣のように張り巡り網のようになったのだ。上空のカミシニは糸に絡み付き動きを止めたが、刀を持って斬りかかるカミシニへの対処が遅れたのだ!


カミシニ「もらったー!」


クシナダ「クッ!」



その時だ!



『数珠連弾!』



何処からともなく声が響くと、光りの弾丸が飛んで来て、クシナダに襲い掛かって来たカミシニ達の心臓を正確に貫いたのだ!



クシナダ「はっ!?貴方は!」



その者は、ビルの上から飛び降りて来たのである。


そして…



「ナウマク・サマンダ…


バサラ・ダン・カン!」




不動明王真言を唱えたのだ!すると落下して来た男の背後から不動明王が出現し、炎がカミシニ達を燃やしていったのである。



「ようやく…ぜぇ!ぜぇ!ぜぇ!…ハァ…ハァ…」



息が苦しい…



「つ…着いた…ぜぇ…ハァ…ハァ…ハァ…」



流石に…



「休憩無しで、横浜から…新宿まで全速力とは…流石に…キツかった…」



ようやく


お待ちかね!



三蔵『炎とともに参上!ここからは真打ち登場だぜぇーー!』






だが、その前に…



誰か…飲み物くれ…







次回予告


三蔵「ようやく真打ち登場・・・あっ・・・足が重い」


クシナダ「大丈夫ですか?三蔵様?」


三蔵「大丈夫・・・大丈夫だ!だけど、かっ肩貸して?」


クシナダ「えっ?肩ですか?」


三蔵「そう!肩!だいじょうぶ!安心しろ?肩に手を回して、どさくさまぎれに胸を触ったりしないから!ねっ?」


クシナダ「・・・・・・」



クシナダの俺への信頼が3下がった。

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