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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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世界の終幕の神託!

金目当てで魔物退治をする若き退魔師・三蔵!


その三蔵が予想だにしていない場所で何かが起ころうとしていた。


それは、いずれ三蔵を巻き込む波となる。



ここは日本国、


とある県の、


とある場所にて…



僧侶が一人樹海の奥深くへと入っていく?


丑三つ時のこんな時間に何故僧侶が一人樹海の中に?


僧侶は人が踏み入る事が困難であろう険しい道を、ひたすら真っ直ぐに突き進んで行く。まるで何かに導かれているかのように?すると僧侶は立ち止まり視線を向けたのだ。そこには一際大きな大木があった。



僧侶はその大木を前にして指を数度絡め、念仏を唱えながら印を結び始める。



すると僧侶の前方の空間が歪み始めたかと思えば、僧侶の姿がその場から忽然と消えたのだ!



神隠し??



暫くすると、また一人…


また一人と?



いや、今この樹海の奥に向かって僧侶の格好をした者達が、続々と集まって来ていたのだ。



そして同じく大木の前にて姿が消えていく?



一体この樹海の中で何が起きていると言うのか?



僧侶達が消えた樹海には、常人には感知する事が出来ない強力な結解が幾つも施されていたのだ。



常人がもしこの樹海の奥に入ったとすれば、方向感覚を失い二度と樹海から出る事は出来ないであろう。例え運良く出られたとしても、その道のりは記憶から全て抜けているのだ。



この樹海の中には何があると言うのか?



そこには…



僧侶は結解の中へと入った後、その先には塔[五重の塔]があったのだ。


塔の門前には武装した僧侶達が守っていた。


結解の中へと入って来た僧侶は門番に通されて行く。すると既に来ていた僧侶達が黙って座していたのだ。


いや、僧侶達だけではない?そこにいる者達は日本各地の多種多教、神を奉る者達…


他にも多国の神を奉る者の姿までいたのである。


道教・仏教・神道・イスラム教・ヒンドゥ教・ユダヤ教・キリスト教カトリックのバチカンの使徒まで…



一体ここで何が始まると言うのか?



広間にて一列に座する彼達は、これから現れるであろうこの集まりの首謀者の姿を待ち構えていた。



沈黙と緊張感・・・



すると広間の奥の仕切りが開かれたのだ!



そこには顔を頭巾で隠し赤い密教衣を纏った四人の高僧が現れ、中心の人物を護るように皆の前に座したのだ。



その中心の人物こそ、この日本国を影で支え、神を奉りながらこの世界の未来を知ると言われている者なのである。



世界に散らばる多種多教の中心にて、魔物や悪霊…悪魔や鬼といった人知の及ばぬ闇への抵抗勢力!武装した修行僧達の最高責任者…



『座主』



すると集まって来た者達に、座主に代わって側近の高僧が一人前に出て被っていた頭巾を取る。その男は赤い長髪で、その場にいた全ての者達が一瞬畏縮する程の存在感がある青年であった。いや?この青年が座主本人だと言われても頷けられよう。それほどの何かを感じとれた!



赤髪の若者は言葉を告げる。



『よくぞ参られた。神を奉る同士達よ!私の名は三千院一真と申します。申し訳ございませんが、私が座主様に代わり、そのお言葉を貴方方にお伝えさせていただく』




三千院と名乗った若者の言葉の後に、集まりし一人の修行僧が言葉を発する。



「待ってくれ!俺は己の奉る神の言葉を聞き、この地に呼ばれ集まりました。今宵、この地にて神託がくだされると!…ここにいる者達の中にも私と同じく、意味も解らずに導かれ参ったはずだ!一体ここで何が起ころうとしているのだ?」



すると、別の修行僧が言葉を入れてくる。



「どうやら、貴方は始めてなのでござるな?我は以前、この神託の際に集まった事がありましてな…」



「以前?前にも同じ事が?」



その男は説明したのである。以前、この神託の儀式で起きた事を…



その時も同じく世界に散らばり神を奉る者達は、この地に引き寄せられるかのように集まったのである。



その頃、世の中は…


西暦二千年間近…



世界が滅びる予言が、世界を震撼させていたのである。




「しかし、何も起きなかったではないのか?」



「話は最後まで聞くが良い!」



それはバチカン教徒の衣を纏った男だった。



「世界は、確かに予言通り滅びる運命であった…しかし、この世界の運命が変えられたのだ…」



「何と?」


「そう…あの神託によって…」



神託とは…



『西暦1999年7の月…アンゴルモアの魔王が舞い降りて、世界を滅ぼさん…』



「これは、新約聖書『ヨハネの黙示録』や『ノストラダムスの予言書』にも、似たような世界の終末が記されている事は知っておろう?しかしその神託には続きがあったのだ!」



神託は告げた。



『時が歪む亀裂に十二の楔を打ち込まれた時、黙示録の時が動き出す…』



「それは何を意味するのですか?」



「我々も疑心暗鬼であった。しかし、以前集まりし者達はその神託を信じて、予言に告げられた地にてその真実を目撃したのだ…」




それは、日本だけでなく世界各地に散らばった十二のポイント。


彼等はそのポイントで、確かに空間の歪みを目の当たりにしたのだ。



そして…



その男は突然自分が着ていた衣を脱ぎ始める。


衣の下から見える男の身体は鋼のように鍛え抜かれていた。しかし、それ以前に目を奪われたのは!その身体に刻まれた傷痕であった。至る場所に何らかの大型の獣の爪でえぐられた傷痕が無数にあったのだ。



「その身体は?」



「私同様、運良く生き残りし者達は…その身体に同様の傷痕が残った…いや?それ以上の…」



『そんな簡単なものではなかったのだ!』



「??」



そいつらは出現した空間の歪みから現れた。



それは…



人知の及ばぬ強力な魑魅魍魎魔物の群れ!?


突如現れた魔物達に、かつての我々は成す術がなかったかに思われた。



だが…



その魔物の群れを相手に立ち向かう謎の修行僧達がいた!



その者達は戦う術を心得ていたのだ…



この者達こそ、この座主殿が率いる闇に対抗する者達!



しかも



座主殿は神を従えていたのだ!


神と共に協力し、戦い!


人間達が辛うじて次元の歪みに、神文字を印した楔[ロンギヌスの槍と名付けられた]を打ち込む事で、世界を覆う闇の脅威から守り抜いたのだ



だが、そこで失った命の数は計り知れない…



「そんな馬鹿な話…」



若き男は信じられないと感じつつも、目の前に立つ男の身体に刻まれた生々しい傷が現実味を与えられた。



「それでは、再びそのような事態が起ころうと言うのか?」


「それは、解らぬ…楔の効果が切れるのかもしれんし、魔物が再び世界に噴き出して来るのかもしれん…或は別の災厄が…すべては今宵の神託で明らかになろう!」



唾を飲み込み、そこにいた者達全てが黙り込む。


そもそも自分達も己が奉る神の啓示にてこの地に来たのだ。ただならぬ異常な事が起きてもおかしくないのだ。




過去の生き残り…


始めて来た者達…



周りのざわめきが静まり返るのをみて、三千院が立ち上がる。




三千院「例のモノを!」



すると、集まって来た者達の中から二人の男が前に出て来たのだ。


一人はバチカンの使徒であった。その手には貴重品らしき箱を持っていた。



各々箱を開け始める…


その中身は?



『本』




それは…



『新約聖書』と『ノストラダムスの予言書』と呼ばれる啓示書であった。



今度は男達は懐より小さな瓶を取り出す。



その中身は?



『この本はローマ教皇にて預かりし原本なり!この『新約聖書』と『ノストラダムスの予言書』の原本に特別な液体を混ぜる事により、この聖書は本来の形へと姿を変えるであろう!特別な液体とは神の血イエスキリストの血なり!』


神の血を得た二つの聖書は光り輝き、次第に引き付けられるかの如く一冊の本へと姿を変えたのだった。




『ネクロノミコン』




男は、そのネクロノミコンと呼ばれた本を掲げた。


ネクロノミコンとは読むだけで発狂する禁断の書物。


しかしそれと同時に無限の知識を得る事が出来るのである。



すると本は宙に浮かび上がり座主のもとへ…



座主は本を手に取ると座主の身体もまた光り輝いたのだ。



「何が起きていると言うのだ…?」



それは、座主とネクロノミコンの本が同調していたのだ。


するとそこにいた全ての者達の脳に、映像が浮かび上がったのだ!?



テレパシー?


いや、もっと上の…



脳に直接ビジョンが鮮明に浮かび上がってきたのだ!


まるで目の前で見ているかのような錯覚まで感じるほどに!それは、この世界に訪れる未来への啓示…




近い未来…


世界は再び闇に飲み込まれ滅びるであろうと!




人間達は未来を守るために、死に物狂いで戦い挑む!



だが、人間達の力では及ばぬ破滅を前にして、全ての人間が天を仰ぎ涙したその時、奇跡が起きたのだ!!





過去、現在、未来…



その先に迫る破滅の時。



そこに現れる『神』と呼ばれる者達がいた。



神々は世界の破滅の終末に挑んでいく…



が、破滅の勢いは凄まじく神は一人一人、闇の中へと消えていった。



唯一の救いである神が倒れ、この世の生きとし生ける者達が絶望を予感した。





その時…


何処ともなく…




一人の人間が光の中から現れたのだ!



その者は金色に輝く十二人の使徒を従え…



世界の終末に光明を照らしていく!



『希望』を『未来』に繋げるために…




その者…



神でも人でもなく…


人でも神でもありし者!




この世の終末を前にして人々はこう呼んだ。





神を導きし救世主と!






そのビジョンは更に現在をも写し出した。



そのビジョンに写る…



一人の男?





「この男が…救世主…?」





その場にいた全ての者達がざわめく。



そこに写った男の名は…




『三蔵』




ビジョンはそこで消えたのだった。



座主は力を使い果たし、お付きの者に連れられて退出して行った。




沈黙の後…



三千院はそこにいる全ての者に告げたのである。




三千院『今、世界の命運がかかった神託がくだされた!直ちにこの男を探し連れて参るのだ!』




修行僧達は目の色を変えて、立ち上がったのだった。


何故なら…



救世主は既に闇の勢力に命を狙われていると、ビジョンに出ていたからだ。



闇の勢力とは…



ここに集まった使徒の他に邪神を奉る闇の使徒の存在であった。



そんな事とはつゆしらず?




俺は三蔵だ!



俺はこの前の鬼退治の金儲けで手に入れた金を勘定しながら夜道を歩いていた。



三蔵「ひぃふぅみぃ…


この間の金…しめて二千万か…


確かに毎度ありぃ~てな感じだよな~!


まぁ~娘は確かに助けてやったし、鬼も退治してやったのだから悪い事をしちゃいねぇよな?」




あの後、あの親父が金を値切ろうとしたから、悪霊を呼び出して脅してやったら、逆に上乗せしてくれたのだ。



ふぅ~


それにしてもよ~


さっきから…


俺の後を付け回している奴達!



誰だか知らないが、うっぜぇ~



すると、俺の道を塞ぐように数人の男達が集まって来たのだ。



本当、うぜぇ~な…





俺を付け狙う謎の連中。



そして、その黒幕が俺を見る目には…


間違いなく憎悪があった。



次回予告




三蔵「何か俺の出番少なくないか?


あんまり主人公を蔑ろにしてたら、拗ねるぜ?


そうだな~!一千万は要求するかもな?


何?そんな金ははらえないから、次の話は俺が格好良く活躍する話だって?


しかも美形キャラも出るだと?


いや?それはどうでも良いや・・・


とにかく!次話は俺が暴れるぜ!!


ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!!



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