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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
198/200

神狩人動く!?

三蔵がこの世界より旅立った。


しかし、この世界には恐るべき脅威が残ったままなのだ。

ここは東京、原宿?


人間達が騒がしく集まる人混みの中、狩人達はいた…


「なぁ?あの子どう?」

「ば~か!並だよ!」

「馬鹿!並のが後腐れないんだよ!」



それは中学生くらいの少年達が五人、原宿街に来ていた女の子達を物色していた。


ナンパ!


それは、容姿のみが優れた人間達のみ許された…いや、実際許されている訳でもないのだが、暗黙の了解的に許されてしまった許しがたき特権。


まだ、13・14歳くらいの歳で、街中にいる娘達を狙っているのである。



「俺さ?もう学校の女子飽きたよ!もうマシな女全員食ったしな?」

「俺も~!」

「ヤレるだけの女ならいくらいても良くねぇ?少しくらい顔が良ければ俺は構わないぜ?」

「正直、有名なタレントと少し仕事したと言えば、女なんてホイホイ釣れるもんな?」



この少年達はタレント事務所に通い、少しばかり仕事を貰うために調子づいていたのだ。



「ちなみに俺は養成所の大半の女は貰ってるぜ?」

「マジかよ?事務所の女はやめとけよ!社長に叱られるぜ?」

「あはは!万が一は女の方をクビにさせれば大丈夫さ!」



と、話に盛り上がっている中、一人の少年が街中を歩く娘に目を奪われた。


それは、赤いゴスロリ姿の赤髪の娘。


まるで西洋の人形のような美しい少女だった。



「何?お前、ゴスロリ女なんか良いの?キモくねぇ?」

「でも、顔は目茶苦茶良くねぇ?」

「まぁ、ヤレるなら服装なんか関係ないしな?どうせ脱がしちゃうんだし!」



すると少年達は獲物[少女]を追い掛けて囲むと、人目の付かない路地裏へと連れて行ったのだ。



娘「あんた達何?」


少年「あのさ?暇だったら遊ぼうよ?カラオケとかさ?」



だが、ゴスロリ娘は興味なさそうに少年達の間を割って戻ろうとする。無視をされた一人の少年が腹を立てて娘の腕を力強く掴む。



「ちょっと待てよ!」



その時だった?



『下等な人間が私に触れるなんて…』



すると、少年達は視界を失った?


一瞬の出来事だった。



娘は平然と一人路地裏から出て来ると、目の前にはタキシード姿の眼鏡をかけた若者が待っていた。



「お食事だったのですか?輪廻?あんまり目立つ事してはいけませんよ?それでなくても、貴女の姿は恥ずかしいのですから…」


「アンタに言われたくないわ!街中をタキシード着て歩くなんて、常識はずれじゃない!転生?」


「ふっ…だから輪廻は解ってないのですよ?何しろ私のは……正装ですからね!」



「あっそ…」



二人が去った後には、身体中の血を抜かれ、干からびて転がっている死体が数体あった。その屍は見間違おうなく先程まで生きていた少年達だった。




彼達は狩人のつもりが狩られたのだ。


まさに、ミイラ取りがミイラになってしまった。


そして、この立ち去る二人の名前は転生と輪廻…


神を殺す忌まわしき血を持った『カミシニ』と呼ばれる者達なのだ。



彼達は原宿にある隠された結解の中に入って行くと、そこには小さな骨董屋があった。二人はその骨董屋の中へと入って行く。



そこには、



「お待ちしていましたよ~?お二人とも~」



店主だと思われる白衣を着た中年姿の男が椅子に座り、その男に付き従うように立っている二十歳くらいの若い女性が二人を出迎えたのだ。



転生「お久しぶりですね?クローリーさん!」


輪廻「突然、私達を呼び集めるって何様のつもり?」



店主はクローリーと呼ばれる、やはりカミシニの男だった。



クローリー「ふふふ…お二人を呼んだのは他でもありませ~ん…


ようやく…突き止めたのですよ?アライヴ様の封じられし居所を~」



「!!」



クローリーの衝撃的な言葉に二人は目の色が変わる。



輪廻「マジでしょうね?嘘だったら殺すわよ?」


転生「で、私達を呼んだ理由はアライヴ様を神達から奪い返すためで宜しいのですか?クローリーさん?」



アライヴとは彼達カミシニ達のリーダーであった。だが、先に神々との戦いのさなか何処へと封じられてしまったのだ。リーダーを失ったカミシニ達は分散し、アライヴの封じられた場所を探し回っていたのだ。


クローリーは溜息を付いた後、説明を続ける。



クローリー「それが、そんなに甘くないのですよね~本当、厄介なお仕事なんですよ~」


輪廻「はっ?相手はたかが神でしょ?私達に神の力は通用しないのだから簡単じゃない?」


クローリー「それが、そうはいかないのです…何せ相手は太陽神と破壊神等の最高神連合ですからね~」



神の力を無効化するカミシニ達にも、少なからず面倒な神が存在する。


それは太陽神や、特殊な破壊の力を用いる破壊神と呼ばれる最高神クラスの神達であった。


最高神クラスの攻撃はカミシニにも完成には無効化しきれない場合があるのだ。




転生「しかし、それ程の最高神クラスが存在するのですか?今の時代に?」


クローリー「はい…それがまたまた厄介な事に、我々カミシニを消すために連合を組んだみたいなんです!ちなみに我々に逆らいし神達の首謀者は…」



『メソポタミアの最高神の天空神アヌ、水神エア、暴風神エンリル、太陽神シャマシュに月神シン…それに、英雄神マルドゥク!』


『アステカ神である想像神ケツァルコアトルに邪神テスカトリポカ』


『古代インカ神である太陽神インティ…』



クローリー「まさに怱々たる面子なんですよ~」


輪廻「それにしても、やけに詳しいわね?」



クローリー「えぇ…実は既に『あの方』が私の制止を無視して、数人のカミシニを連れて向かったのですよ…」


転生「あの方?」


クローリー「はい…デッドマンさんです!」


輪廻「ちょっと!デッドマンが出向いたなら、もう終わってしまってるんじゃない?」


クローリー「それが…」


『逆に返り討ちにされてしまい、アライヴさんと同じく捕われてしまったのですよ…』



輪廻「うっそ!あのデッドマンが?」


クローリー「はい…間違いないみたいなんです。まぁ、一騎打ちの末、今回の首謀者であったアヌとエアを道連れにしたみたいですけどね~」



転生「………」



クローリー「だから現在最高実力者である貴方達に全国のカミシニ達を率いてもらい、アライヴ様奪還と神々の殲滅をお願いしたいのですよね~?オッケーしてくれますか?」


輪廻「待って!デッドマンがやられたんだったら、私達も危なくない?」


クローリー「何を怖じけづいているのですか?輪廻君?貴女は仮にも、デッドマンさんと同じく…」



『赤き倶利伽羅の王なのですからね?』


『そして、転生君…君はアライヴ様と同じ黒き倶利伽羅の王!』



クローリー「貴方達にしか出来ないのですよ~!」



すると転生はかけていた眼鏡を外すと、その曇りを拭き取り、かけ直す。



転生「良いでしょう…我が主君のために!」


輪廻「で、あんたも来るのでしょうね?当然?」


クローリー「いやぁ~それがですね~私、今、こんな姿なんで~」



すると、中年姿のクローリーが目の前から消えて、そこには銀髪の少年が座っていたのだ?


クローリー「この姿の僕とは初めましてだね?これが僕の新しい器だよ!君達!」


輪廻「あんた!また、身体変えたの!?」



クローリーは、己の進化のためにと随時肉体の器を変えて生きながらえて来たのである。



クローリー「フフッ…この姿は結構気に入ってますから暫くはこのままでいますよ?ただ、まだ成長が足りてないようなのです。残念ですが力不足のため、今回は棄権させて貰います。悪しからず?」


転生「仕方ありませんね?解りました。では、早速私達はその地に向かいますね?クローリーさん?いえ、クローリー君ですかね?」


クローリー「クローリーで結構ですよ?だけど、神逹を殲滅させるために戦力は必要だよね?そこで、この彼女を君逹に付けるよ?」


輪廻「はぁ~?」


その女はクローリーにいつも付き添うメイド姿の女だった。


輪廻「その女、何?戦力になるの?」


クローリー「私のお墨付きですよ?」


転生「ゴスにメイドですか…一緒に歩く私が恥ずかしいですね?ヤレヤレです」


輪廻「アンタは黙ってなさい!」



すると無言だった女が口を開く。



『クローリー様に代わりお手伝い致します。冥土マリアと言います。宜しくお願い致します』


と、スカートの裾を軽く上げて丁寧にお辞儀をしたのだ。


転生「礼儀正しいですね?何処かの誰かとはえらい違いですね~」


輪廻「だ・か・ら!」


転生「口チャックですね?解ってますよ?」


輪廻「………」


転生「では、直ぐに向かおうと思います」


クローリー「待ってください?もう一人心強い助っ人を海外から呼び寄せています。その者を待ってからにしてくれませんか?」


輪廻「海外って、まさか?まさか?まさか?」


クローリー「そのまさかですよ?輪廻君。最初のカミシニ、嫉妬の名のジェラさんですよ!」


輪廻「きゃあ~!マジ?マジ?マジに嬉しいんだけど~!」



いつもクールな輪廻が乙女のようにはしゃいでいた。


嫉妬?ジェラ?


最初のカミシニ?



転生「輪廻君はジェラさんのファンですからね~?」


輪廻「私、やる気出てきたわ!」


クローリー「それは、何よりです」



そしてクローリー少年は転生に、相手の情報が詳しく書かれたメモを渡す。



目的地は…


メソポタミア!!



転生と輪廻はメモを受け取ると、マリアを連れて骨董屋を出て行く。



輪廻「…良いの?放っておいて?あのタヌキ?」


転生「フフッ…今はタヌキ狩りより、神狩りが先決ですからね…」



二人は後に付いてくる冥土マリアに聞こえるように言った。


消えて行く三人…



骨董屋にはタヌキが…


いや、クローリーが二人の気配が消えたのを確かめると、



クローリー「とんだ化かし合いになってしまいましたね~?あの二人、私の秘密に感づいたみたいだね…まぁ、構わないでしょう。彼達が生きて帰って来るかも解らないですしね…」



クローリーは立ち上がると、鏡に写る自分の姿を見て笑い出したのだ…




『カミシニの王になるのはアライヴじゃない…この僕さ!』


『青の倶利伽羅の王である、このクローリー様のね!』



クローリー(だが、倶利伽羅の王は九人現れると聞きます。黒の倶利伽羅の王が三人に、青と赤の王が三人。残りの倶利伽羅の王を先に私の手中におさめれば…私に怖いモノはないのですよ~!


まぁ、彼達が神々に負けるようなら問題は無くなるのだけどね?


ふふふ…あははははは!)



そしてもう一つ…


クローリーには不可解な事があったのだ。


それはかつて蛇塚から奪った蛇神であった。


クローリーは蛇塚から蛇神事目玉をえぐり出し、奪った後…



その蛇神を解放させ、自らの使役するタロットの魔神アルカナに改造するはずだった。クローリーは強力な神を捕まえては同じくアルカナにしていたのだ。


しかし?



(まさか、あんな化け物が潜んでいたとは…)



クローリーの前に現れたのは、蛇神の鎧を纏った神であった。


しかも、その覇気は神の力を無効にするクローリーのアルカナ達を一撃のもとに消滅させただけでなく、クローリーの目の前から颯爽と消えたのだ。



(あの力は…何だったのでしょう?科学者として興味津々だよ!


いずれ、あの蛇神も手に入れてみせるさ!)



裏で暗躍するクローリーの裏切りと、神々との大戦に向かった転生と輪廻…



その話は、またいずれ語られる事になるのだろう。

次回予告


神々とカミシニの最終決戦!


だが、本当に世界の脅威はそれだけだろうか?


救世主失われしこの世界は今、


終幕に近付いている。

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