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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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後は頼むぞ?大徳VS蚩尤!その拳に思いを込めて・・・


総本山に襲来した蚩尤率いるカミシニの力を持つ魔物の集団!


三千院の前に現れたのは中国遺跡に向かった大徳の亡骸であった。


そんな時、三千院の魔眼が光り輝き何かを伝えようとしていたのだ。



私は三千院…


私の魔眼[鷹の眼]が突然発動し、直接脳にビジョンが入って来る?



これは!?


間違いない…


私の目に映るのは大徳とバサラの姿であった。


二人は遠く離れた中国遺跡を前に、これ以上進むかどうかを話し合っていた。



バサラ「罠だな…」


大徳「うむ。間違いなかろう。だが、戻る訳にもいくまい…」



何故なら、我々が壊滅させ見届けたはずの中国遺跡が完全に復元されていたのだ!二人は共に同行した中国総本山の僧侶達を外に控えさせて、遺跡の中へと入って行った。



遺跡の中は昔と違い、魔物が出現する事も罠もなかったのだが…


間違いなく過去に戦った奴の気を、二人は感じ取ったのだ。



奴とは間違いなく魔神・蚩尤!!



蚩尤は二人が来るのを知っていたかのように、最下層の神殿のような広間にて待っていた。



蚩尤『ふふふ…ようやく来たか?二人共!』



蚩尤は二人を見下ろしていた。



バサラ「生きていたのか?」


蚩尤『あぁ…俺は不死身だからな?しかもお前の妖精遺伝子を貰い、さらに力を増したのだ!』


バサラ「!!」


大徳「俺達が来るのを知っていたのか?」


蚩尤『あぁ!知っていたさ!三蔵からお前達二人を引き離し、貴様達を始末した後は、奴のいる地へ俺の率いる軍勢で出向き攻め入るつもりだからな!お前達はまんまと呼び寄せられた訳だ!あはははは!』


バサラ「何だと!!」



すると蚩尤の身体から触角が伸び、それは分裂し魔物と化したのだ。



大徳「こやつ!魔物を産み出したのか?」


バサラ「来るぞ!」



二人は襲い掛かる魔物達と戦いを繰り広げる。


カミシニの能力に加え、妙に人間臭く、武術や剣技といった奥義を繰り広げて来る魔物達…



大徳「何なんだ!?こいつ達は!」


バサラ「奇妙な奴達め!」


二人は苦戦しながらも魔物達を撃退していく中、突如地面が盛り上がっていき蚩尤の触手がバサラに向かって来たのだ!



大徳「危ない!バサラ!」


間一髪大徳が気付きバサラを庇う。



バサラ「すまない!油断した……!?」



そこで、バサラは気付いたのだ…触手が大徳の肋に突き刺さっている事に!



バサラ「大徳!」


大徳は突き刺さった触手を力任せに引き契ると、



大徳「バサラ…大丈夫だ!お前は先に外に出て、総本山にこの事を伝えるのだ!」


バサラ「なっ?だったらお前も!」



すると大徳は首を振りながら言った。



大徳「どうやら今の触手に毒が入っていたみたいだ。このままでは足手まといになる。バサラ!お前のスピードなら、ここから脱出出来るはずだ!」



その様子を見ていた蚩尤は勝ち誇ったかのように。



蚩尤『お前達二人共逃がしはせん!それに既に俺の造りだした眷属達が三蔵のいる地へ向かっているのだからな!』



バサラ「何だと!?」


(総本山には今、三蔵はいないはず!いるのは三千院と蛇塚に…法子様と卑弥呼様!)



焦るバサラに…



大徳「行けぇー!バサラ!行って卑弥呼様と法子様をお救いするのだぁ!これはお前にしか出来ぬ務め!お前に任すぞ!」



バサラは大徳の言葉に覚悟と意志を受け取る。



バサラ「大徳…すまぬ!」


そう言って、遺跡の外に向かい駆け出したのだ。



大徳「…それで良い」



そこに…



蚩尤『逃がしはせんと言ったはずだぞ?』



追い掛ける蚩尤の道を塞ぐように大徳が前に出る。



大徳「逃がしはせんのは俺の台詞だ?この大徳力也!無駄死にはせん!お前を冥土への手土産にしてやろう!」


蚩尤『面白い!死に損ないが足掻いてみよ!』


大徳「死に損ないかどうか良く見て置くのだな!」



大徳は明王の力を額に集中させると…


『天地眼!』


大徳の額が光り輝き、その輝きが両手拳へと集まっていく。



『天地・明王の拳!』



大徳は腰を軽く下げ、空手の構えを取る。


その大徳に襲い掛かる蚩尤だったが…



大徳「セィリャア!」



大徳の拳が蚩尤に放たれると、蚩尤はその凄まじい覇気に押し戻されたのだ。



蚩尤『おのれぇ!』



蚩尤は大徳の正拳の連打を、六本の腕で受け流していく…


ヘビー級クラスの二人の豪碗が繰り出され、躱し、幾度と交差する。



蚩尤『貴様を喰らい、俺はその力をも戴いてやろう!』


大徳「させるかぁ!」



だが、やはり六本の蚩尤の方がやや有利に見えた。



蚩尤『二本の腕では手数が足りんようだな?』



余裕を見せた蚩尤だったが、突如脳を揺さ振られたのだ?


それは…



大徳「これならどうだ?」



大徳の上段蹴りが蚩尤の側頭部へと直撃したのだ…


大徳は蹴り上げた右足を戻すと同時に地面を踏み込み、拳を握り正拳を放つ!



『明王三段撃!!』



その拳は蚩尤の眉間と喉元、さらには溝に連続ヒットした。


たまらずに、膝をつく蚩尤を見下ろし大徳は真言を唱えていく…



『オン・シュチリ・キャラロハ・ウン・ケン・ソワカーー!』



大徳の姿が大威徳明王の姿へと変わっていったのだ!


その姿は六面六臂六脚の魔神!




蚩尤「同じ数の腕で対抗するつもりか?」



しかし大威徳明王の六本の腕が集約しながら二本へと収まっていた。



大徳「数ではない!六本の腕を二本の腕に集約し、質のある一撃を繰り出す!」


蚩尤もまた、頭を振りながらも立ち上がる。


その身体には大徳の拳の形がくっきりと残っていた…


大徳「!!」



はずなのだが、見る見るうちに傷痕が消えていく。


再生力?


超再生力のなせる技か?



いや、何か違う…


それは大徳も違和感として気付いた。



大徳(天地眼の一撃はカミシニはもちろん、妖精遺伝子なんたらも再生が追い付かないはず?なのに何だ?あの驚異的な再生力は?腑に落ちない…しかも再生力に伴う力の作用が全く感じられなかったぞ?奴の再生力には何か秘密が隠されているのか?)



蚩尤『ふふふ…貴様を喰らい、俺はその力をも戴いてやろう!』



ん?どうして蚩尤の奴はまた同じ台詞を?



うっ!


その時、大徳の視界がぼやけたのである。



(先程の毒のせいか?)



すると大徳は再び構えると、呼吸を整える…



(…どうやらこれが、最後の一撃になりそうだ…


ふっ…死んだら菜々子さんや、孤児院の子供達に会えよう…寂しくはない…


ただ、卑弥呼様に法子様、我が魂の絆で結ばれた親友の三千院、蛇塚、バサラ…そして、三蔵よ!)



(お前達を残して先に逝く事を許してくれ!)




大徳「だが、ただでは死なぬ!俺の魂!俺の生き様!お前達に届けよう!」



大徳は息をするのも困難な状態で、この一撃に賭けたのである。



大徳は再び蚩尤へと向かって行くと…再び蚩尤の拳と激しく交差する…


一撃でも当たれば、それこそオダブツの中…


ついに大徳の拳が蚩尤の心の臓目掛けて繰り出されたのである。



渾身の一撃が命中した!



蚩尤の胸が渦を巻くように裂けながら、胸をえぐり、骨を粉砕し、心臓を貫いたのだった。



蚩尤『うぎゃあああ!』



が、蚩尤の身体が瞬時に再生していくと…



蚩尤『貴様を喰らい、俺はその力をも戴いてやろう!』



先程と同じ台詞を繰り返し、



大徳「クッ!ぐはぁ!」



今度は逆に蚩尤の四本の腕から突き出された手刀が、大徳の脇腹に突き刺さったのである。脇腹から大量の血を流れ、口から血を吐きながらも大徳の目は死んではいなかった。



(ウグググッ…)



左手で蚩尤の角を掴み、もう片方の腕を振り上げ…



『明王の鉄槌!』



明王の力を全て注ぎ込んだ拳が、蚩尤の額に向けて振り下ろされた………



かに思えた?



大徳の振り下ろされた拳が、蚩尤の眼前で止まっていたのだ!?



その隙を蚩尤は見逃さなかった。



残された二本の腕が大徳の心臓を貫く!



大徳「うっ!ぐはぁ!」



そして、大徳は…


最後まで戦士として、壮絶なる死を遂げたのだった。






だが、腑に落ちない…


何故だ!?


何故、大徳は最後の一撃を止めたのだ?



私は親友の死に衝撃を受けつつ、大徳が何かを私と卑弥呼様に伝えたかったのだと気付く。





卑弥呼「だ…大徳…」



そのビジョンを見た卑弥呼も大徳が死に際に何かを伝えようとしていた事に気付いていた。



卑弥呼「貴方が残してくれたメッセージ…決して無駄には致しません!」


次回予告


三千院「大徳・・・


お前の最期は、この私の魂に刻んだぞ!」



大徳を残し、一人遺跡から逃亡したバサラは?

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