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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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因縁?隠年?陰念?


三蔵は光明と、大徳は剣崎徳子。明王の転生者と出会えた。


そして・・・この男も・・・ん?この男は誰?


アイツが来る…



俺は座禅を組みながら奴が来るのを待つ。


奴とは、俺から全てを奪い去った憎き宿敵である。



白い妖精部隊…



それは、俺がまだ総本山所属の隠密宗であった頃の話だ。


我が八神一族は、金剛夜叉明王の魂が宿る封印の箱[パンドラの箱]を護る事を義務付けられた一族。


そこに、あの憎き白い妖精達が現れたのだ。



妖精部隊…


外国の裏組織の暗殺部隊…


奴達は人間離れした身体能力と暗殺術で、俺達の寺を襲って来た。


だが、俺達の一族も戦闘にかけては優れた一族!



負けじと交戦した…



しかし俺以外の皆は、返り討ちにされ皆殺しにされたのだ。その後、座主様率いる密教連隊が妖精部隊から金剛夜叉明王の魂が宿るパンドラの箱を奪還するべく出兵する事になった。



そして、座主様がお戻りになられた時…



そこには見知らぬ男が側近として、俺の前に現れたのだ。



そいつは色白の銀髪の男…


左右の瞳が違い、女と見間違う程の美しい容姿であった。


間違いなく俺の寺を襲撃した妖精部隊の奴らと同じ容姿!?



そして、あろうことか座主様はおっしゃったのだ!



『この者が新たに金剛夜叉明王の魂を授かりし、契約者に選ばれました』と…



まっ…


待ってくれよ??



俺は恐れ多いと解りつつ座主様に向かって反論した。


「座主様!どういう事ですかぁ!?そいつは俺の寺を襲撃した輩ですよ?それに金剛夜叉明王と契約するのは俺だったはずだ!違いますかぁ!?」



すると、三千院の奴が俺を諭すように言った。



「お前には悪いが、これは座主様…いや、金剛夜叉明王が決めた事なのだ!残念だが、諦めて欲しい…」



クッ!


そんな言い分あるか?



俺はコイツに、この妖精野郎に仲間も寺も奪われたのだぞ!そればかりか俺の金剛夜叉明王までも奪い去ると言うのか?



俺の怒りは妖精野郎に向けられた。


怒りに理性を失った俺は手にしたクナイを握ると、妖精野郎に向かって襲い掛かったのだ!


妖精野郎は慌てる事なく俺の突き出したクナイを持っていた短刀で弾き返すと、「俺はお前と戦う理由はない…」と、ぬかした。



「ふざけるなぁ!お前になくても俺にはあるんだよ!」



俺は印を結び、飛び上がる。すると俺の身体が一体二体と増えて分身していく…


そう…


俺の一族は『忍』


忍者の末裔なのだ!




『忍法!分身火炎砲弾!』


分身した俺の腹部が膨らみ、吐き出すと同時に火炎弾を放ったのだ。



「馬鹿者!座主様の御前で無礼だぞ?夜叉彦!!」



大徳の声が響いたが、俺の耳には入らなかった。


俺の放った火炎弾を難無く躱していく妖精野郎…


「クッ!」


俺は四体の分身で囲い込み一斉に襲い掛かる。



仕留めた!


そう思った時、妖精野郎が視界から消え?俺は首筋に衝撃を受けて気絶させられたのだ。


薄れゆく俺の背後には、あの一瞬で俺に当て身をくらわした妖精野郎が立っていた。



俺は…仇に負けた…


情けない…



このまま生き恥を晒すくらいなら、生き残らずに殺された方がマシだった。


屈辱だ…


その後、座主様は俺に新たな任務と寺を与えて下さると申し出てくださったのだが、俺は拒否し総本山を降りたのだった。



生き恥を晒したまま、ここにはいられない…



それからの俺は、どんどん落ちぶれていった。



酒を飲み、街中で喧嘩を繰り返しては、どんどん心が荒み、そして…


気付くと池袋のビルの隙間で浮浪者として眠っていたのだ。



くそぉ…死にてぇ…



死ぬくらいなら、せめて妖精野郎と一矢報いて…


無理だ…


奴の強さは人間離れし過ぎてやがる…


俺は完全に臆病風に吹かれていた。




そんな俺に救いは突然やって来た。


公園で新聞に包まって眠っる落ちぶれた俺の元に、あの女はやって来たのだ。



そいつは数人の黒服の奴達に囲まれ、目立つ白いコートに白い帽子を深く被りながら俺を見下ろして言ったのである。



「お前!戦う力は欲しくないか?私ならお前に神と戦える力を与えてやれるぞ?」



俺は半信半疑だったのだが、とりあえず付いて行けば飯にありつけられると思い了解した。



俺が連れて来られた場所は、やけに小綺麗な寺…


この女も同業者か?いや?俺はもう浮浪者か…ふふふ…笑えねぇ~



俺は訳も解らないまま寺の中へと連れられて、一人寺の中で待たされ座っていた。


一体、何が始まるんだよ?飯くれよ~飯!



すると、再び白い帽子の女が一人現れて、俺の正面に座ったのである。



「で、お前は俺に何をさせたいのだ?」



俺の問いに、女はとんでもない事を俺に告げた。



「お前には今から明王の魂と契約して貰う!不服とは言わせないぞ?本来ならお前はその資格があったと聞いているかな?」



俺は騙されたと思い、とりあえず寺を出て行こうとする。


「アハハ…何かと思えばドッキリか?騙された~」


「待て!男!」



呼び止める女に俺は怒鳴り声をあげた。



「ふざけるなぁ!俺の明王!金剛夜叉明王はあの妖精野郎に奪われたんだ!もう明王はいないのだよ!」



すると、女は笑みを見せて俺に言った。



「確かに金剛夜叉明王は手に入らない…だが、新たな別の明王ならどうかな?」

「!!」



すると女は箱を出す。それは間違いなく明王を封じたパンドラの箱であった。



「お前、それは…!?お前は何者なんだ!!」



「ふふふ…」



女はそこで正体を明かした。


『私の名前は烏枢乃雪子!(ウスノセツコ)お前と同じく明王を奉る者!


そして、お前に与える明王とは、私が奉る明王…


烏枢沙摩明王よ!』



ウスサマミョウオウ?


俺は…



「烏枢沙摩明王とは確か金剛夜叉明王と対をなし、金剛夜叉明王の代わりに五代明王に数えられると言われている明王だったよな?それを何故、俺に?」



「流石に詳しいな?その通りだよ!」



女は被っていた帽子を脱ぎ捨てると、そこから見える女の顔は透き通るように美しかった。が、それ以上に目立ったのは、この女の長い髪が真っ白であった事。


「残念だが私は一度契約を失敗し、再び封印するために全ての力を使い果たしてしまったのだ…だから、再び契約は出来ない…」


「それで俺に?」


「ふふふ…私はね、総本山の奴達に見せ付けてやりたいのよ!私達の奉る烏枢沙摩明王が、奴らの明王より優れているとな!」



俺は思った。


この女…


妬みか!!



ふふふ…面白い!


妬み、嫉妬!


俺に相応しい女だ!



俺は目の前の女に近寄り…


「なっ?何を?」


「俺からも条件がある!この烏枢沙摩明王と俺が契約を果たしたら、もう一つ褒美をくれよ?」


「お前は、明王だけでなく他に何を求めると言うのだ?」




俺は言った。


「お前だよ!」



俺は女の腰に手を回し抱きしめて叫んだのである。



『俺の名前は八神夜叉彦!妖精野郎!烏枢沙摩明王を引っ提げて、てめぇにリベンジだぁー!』





その後、俺は見事に烏枢沙摩明王と契約を果たし…


再び、妖精野郎の前に現れたのだった。



夜叉彦「てめぇにリベンジするために俺は戻って来たぜ!」



バサラ「…………」



夜叉彦「貴様を倒して、お前を総本山から追い出してやるから覚悟しろ!」


バサラ「お前との決着はついたはずだ…」



『!!』



その瞬間、妖精野郎の目の前から俺の姿は消えた。


妖精野郎の背後から首筋に向けてクナイを突き出したのだった。


が、妖精野郎は頬に傷を負うも躱した。



夜叉彦「やはり不意打ちじゃ倒せないな?妖精野郎!」



バサラ「どうやら、腕をあげたようだな?なら、俺も本気でお前を倒すのが礼儀だな!」



妖精野郎は真言を唱え始めたのだ。



「オン・バザラ・ヤキシャ・ウーン!」



すると、妖精野郎は金剛夜叉明王の姿へと変化していく。



バサラ「!?」



同時に俺も真言を唱えたのだった。


「オン・クロダノウ・ウン・ジャク・ソワカ!」



俺もまた、背と足元に炎を纏った明王へと…


烏枢沙摩明王へと変化したのだった。




バサラ「お…お前!?」


夜叉彦「驚くのはこれからだぜ?妖精野郎!」



俺と妖精野郎は同時に飛び上がり激突した。






それから…


数年後…




再び俺の前に、あの妖精野郎が現れようとしているのだ。



早く来い!妖精野郎…いや、金剛夜叉明王バサラ!



次回予告


復讐鬼とい化した八神夜叉彦の前に、金剛夜叉明王の転生者を探し求めやって来たバサラ。因縁持つ二人は激突するのか?

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