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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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ヤオヨローズ紅蓮隊!建御雷との一騎打ち!!


クローリーのクローンを倒し、倶利伽羅竜王の呪縛から孤児院の子供達を救ったのも束の間、三蔵と光明の前に現れたのは・・・ヤオヨローズと名乗る暴走族であった。


一難去ってまた一難!



俺は三蔵…


俺と光明は、倶利伽羅龍王と化したガキ達を救う事に成功した。


が、その後…


けたましいバイクの音とともに、ヤオヨローズと名乗る暴走族が現れたのだ。



『ヤオヨローズだ!お前達!そこを動くんじゃねぇ!』



そいつ達のリーダー格らしき男が、ヘルメットを脱ぎ捨て俺達の前に向かって来る。髪を逆立たせた金髪の男だった。



『フン!お前達カミシニだな?俺達はヤオヨローズ紅蓮隊!神の転生者だ!』




すると、光明が言った。



光明「神だって?馬鹿な!この孤児院の周りには特別な結解があるから、神族は入って来れないってマザーが言っていたのに!?」



三蔵「壊した…」


光明「エッ?」


三蔵「あっ…いや、邪魔だったもんだからよ?俺が壊してしまったんだな…これが…」


光明「………」



三蔵「あの結解があるとよ?何か道に迷うと言うか、霊力が上手く作用しないと言うか~うん。すまん…」



そうなのだ。この孤児院のガキ達はカミシニの連中からだけでなく、神側の者達からも命を狙われているのだ。この森に張り巡らされていた結界もそのためであった。


それを俺が壊してしまったもんで、今度は神側の連中が森に入り込んで来やがったのだ。一難去って又一難だぜ…自業自得だけど。



光明「三蔵…様…呆れても良いですか?見直したのを撤回しても宜しいですか?」


三蔵「まぁ、待て!慌てるな!ここは大人に任せておけ!」



俺は代表して、ヤオヨローズの男に話し掛ける。



三蔵「お前達はここに何をしに来たのだ?残念だが、此処には俺とそこにいる女子供しかいないぜ?」



すると、



男『関係ないね!俺達はそこにいるガキ達を始末しに来たのだからな?そいつ達もいずれ俺達神族に災いを齎すカミシニとなる!そうなる前に今ここで…』



金髪の男の掌に電流が集まっていく?



『消させて貰うぞぉー!』


男の掌から放たれた雷がマザーと意識を失っているガキ達に向けられたのだ!


『!?』



が、その雷は…


素早く移動した俺によって打ち消された。



三蔵「ガキ相手に危ないだろ?神様よ!それとも、マジにガキ相手に大人がでしゃばるようなら、健全な大人代表として俺が相手になろう!」



俺は霊気を集中させ掌に金の錫杖を出現させる。


そして、さらに錫杖を眼前に向けて念を籠めると、錫杖は霊気の剣へと変化したのだ。



三蔵『気功剣!』



ここで余談なのだが、俺はマザーの隠し小屋にあった薬を手に取り…ほんの少し舐めてしまったのである。



すると…


マザーの造っていた薬はカミシニを造る『錬魂の雫』ではなく、その血を制御する抑制薬だったのだ。



で、今俺は…


カミシニの力が抑えられて、あんまり使えない訳よ…


まぁ、それは構わない!



相手がカミシニでないのなら、己の力のみで戦ってみたいしな…


俺がどれだけ成長したかを知りたい衝動が、俺をつき動かす。



剣を構えた俺に対して、金髪の神が…



『人間風情が愚かな!良かろう。俺が神の転生者の力を教えてやる!そして、後悔するが良い!俺の名前は健御雷之男神![タケミカヅチノヲノカミ]』



健御雷と名乗った男の掌に雷の剣が出現し、俺の剣とぶつかり合う!


俺の気功剣は健御雷の雷剣に弾かれたが、体勢を整え深呼吸をする。



「ふぅ~~~!」



神が相手か…


面白い!



かつて勢いだけで、力無い俺は…神の転生者であるスサノオと、炎の神の転生者であるヒノガとの一騎打ちを…ただ、見ている事しか出来なかった。



それは人間である俺にとって、あまりにも次元の違う戦いだった…



だが、今の俺は違う!



俺は神とも戦い合える力を身につけたのだからな!



俺は身体中の気を集中させていく…


身体中から溢れ出す気を己の細胞全部にめぐらせ、それを被せるように気のオーラでコーティングする。



今、俺の身体は気の塊のような感じだ…



それはまさに、神に対抗するための力!



俺の身体から凄まじい霊気が高まっていった!



三蔵「いくぞ!」



健御雷も武神!俺の変化に気付いた健御雷は、



健御雷「面白い!貴様をただの人間と思っていたら、俺の方が痛い目をみそうだ!」



油断を捨て、真っ向勝負に出て来たのである。


お互いの剣がぶつかり合う。振り下ろし、払われる剣が相手の剣に弾かれ、凄まじい衝撃が伝わってくる。


こんな拮抗している状態で策を考えているような奴は、その場で首が跳ねられるだろうぜ…



集中しろ!


己の意識を高め、一撃一撃に渾身の力を籠めるのだ!


俺と健御雷の剣のぶつかり合いに、他のヤオヨローズの奴達はもちろん…


光明の奴も目を見開いた状態で微動だに出来ないでいた。


剣の衝撃が辺り一帯を震撼させる!



光明「す…凄い…これが神の戦いなのか…これが三蔵様の力なのか…」



そして、俺と健御雷は次第に間合いが迫っていき…



最後の一撃が繰り出されたのだ!


俺もまた、渾身の一撃を!!




緊張の中、俺の頬に汗が零れた。




俺の眼前に健御雷の剣先が止まっていた…


そして、健御雷の眼前にも俺の剣先が止まっていたのである。




三蔵「どうした?何故止めたのだ?」


健御雷「お前こそ!」



健御雷は剣を戻し、言った。



健御雷「止めだ!止めだ!俺は今回の襲撃は降ろさせて貰うぜ?」



すると、他のヤオヨローズの連中が集まって来た。



健御雷「そもそもガキを殺すなんて、俺の性に合わねぇ!もしカミシニとして俺達の前に現れるなら、その時に始末すれば良い事だ!あんな力も覚醒していないガキなんか殺しても、夢見が悪いだけだぜ!」



三蔵「…………」



健御雷「それに、あの人間の男からは邪悪な意志を感じねぇな?剣を交じえた俺だから解る!」



健御雷は他のヤオヨローズの連中に対して、よほどの信頼があるらしく他の連中も手にしていた武器をおろしていく。



健御雷「アンタの話を信じてわざわざ足を運んで来てみたが、此処にはアンタの言うような邪悪なカミシニはいないようだぜ?なぁ?そろそろ出て来いよ!」



健御雷が呼んだ先から、木の影に潜んでいた何者かが現れる…


俺はその黒幕の姿を見ようとした時…


突然、首筋に寒気立つ…



光明「三蔵様!後ろ!」



俺は光明が叫ぶより先に反射的に身を翻して『ナニカ』を躱したのだ!?



俺が躱したと同時に光る刃が頭上を通過した。



三蔵「なっ!てめぇは!」


そこには…



『いやぁ~見事ですよ!それにしても凄い成長したみたいだね?昔の君なら今ので三回は死んでいたよ?幾度と死線をくぐり抜けて身につけた反射神経…いや、直感力と言うべきですかね?』




そいつは俺を知っていた…


それにしても、全く気配を感じなかったぜ…


昔からこいつはそうだった。


気配を感じさせないで俺の背後に現れる男…



そいつはサラサラの金髪をなびかせて、俺に向けてニコリと笑みを見せた。




『お久しぶりだね?三蔵君!』




そいつは神の転生者…


そして、俺達を!仲間達を!兄弟をも裏切った…



スサノオとアマテラスの兄弟である…



『月読!』




月読「ふふふ…」



すると、健御雷が月読に声をかける。



健御雷「オィ!月読さん?どういう事だよ?何か話が違うじゃねぇか?俺達はスサノオとアマテラスさんを殺したカミシニが此処にいると聞いて来たんだぜ?」


月読「………」



二人の会話に俺が割って入る。



三蔵「ちょっと待てよ!確かにアマテラスは死んだが、スサノオの奴は生きてるぜ!俺は奴達と一緒にカミシニと戦っていたから間違いない!」



健御雷「本当か?それは!?」



三蔵「あぁ!そして、そこにいる月読はな!スサノオ達ヤオヨローズを裏切った張本人!そいつはカミシニ七賢者の一人!シャドウなんだぜ!』



俺の告白に、ヤオヨローズの連中がざわめき始める。



月読「あらら?あんな事言ってますけど、健御雷君?貴方はどちらを信じますか?何処の馬の骨かも解らない人間と、同じヤオヨローズである私と?」



健御雷「俺は…」



すると、健御雷は!


持っていた雷剣で月読に向かって振り払ったのだ。


月読はその剣を難無く躱して、



月読「酷いじゃないですか~?不意打ちなんて?」



健御雷「悪いな?月読さん…俺はこの三蔵って人間が嘘をついているようには思えねぇ!それに、いろいろとひっかかる事があるんだ!」



月読「ん?なんだい?」



健御雷「俺達ヤオヨローズ紅蓮隊があのカミシニとの決戦に間に合わなかったのは、アンタが誤った情報を送って来たからだったよな?それはどういう事だ?月読さんよ!」



すると、月読は言った。



月読「そりゃあ~邪魔だからじゃないですか?貴方達がいたら、ヤオヨローズの戦力が上がってしまいますからね?」



健御雷「つまり…そういう事か…俺達は月読!アンタに騙されていた訳だな?」


月読「そういう事になりますね~僕、面倒臭いの嫌いだから~」



健御雷『ふざけるなぁーー!』



健御雷の身体から雷の気が高まったかと思うと、凄まじい雷撃が月読に放たれたのである。



俺は直ぐさま…



三蔵「マザー!光明!倒れているガキ達を安全な場所に連れていけ!ここは今から戦場になる!」



マザー「はい!解りました!三蔵様も気をつけて!」


光明「皆を連れて行ったら、僕も戦いますからね!」


そう言って二人はガキ達を運んで行く。


俺は雷撃が放たれた場所を見ると、その砂埃の中から平然と現れた月読を睨み、中指を立てて叫んだ。






三蔵「月読!昔の借りを返させて貰うぜぇー!」


次回予告


三蔵「クローリー(分身)、倶利伽羅竜王、ヤオヨローズ紅蓮隊の建御雷!

さらに、あの月読が現れるんだもんな・・・マジに困るぜ」


光明「そのわりには、顔がニヤケテいますよ?三蔵様?」


三蔵「そうか?確かに武者震いしているな・・・腕が鳴るぜ!」


光明「勇ましいですね?」


三蔵「そうか?あははははは!」


光明「本当に三蔵様はいつになっても子供のままなんですね?なんか親近感を抱きますよ~※褒め言葉のつもり」


三蔵「・・・・・・」

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