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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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出会いは険悪?努力家大徳と天才三千院!


不動鷹仁の残した物は、


俺達の生きる未来だった。



あ~ 俺は大徳力也だ!


俺は今、三蔵にせがまれて、三千院と知り合った時のいきさつを話してやるのだが…



ふむ。


何故にこんな事になったのだろうか?



まぁ、良いか…



それは、かれこれ三蔵達と出会う数年前に遡る。


俺は小角殿の下で修業をしていた。



大徳「小角殿!これから現れる者とは一体?」


小角「気になるのか?」


大徳「それは、そうですなぁ…弟子を取らぬ事で有名な小角殿が、直々に出向いてまで世話をするとおっしゃているのですからぁ…」


小角「ふぉ?何を言うのだ?お主も儂の弟子じゃろうて?」


大徳「まぁ…そうなんですがぁ…」


小角「昔の戦友から頼まれてのう…」


大徳「戦友?」



その後、俺と小角殿の前に現れたのが、まだ若僧の三千院一真だった。


小角殿によると、この若僧は俺と同じく、『明王』との契約を果たした数少ない人間なのだと言う。


その点は少し興味があったのだが…



歳は18くらいか?


赤い長髪が異様に目立ち、すましたような顔付きがやけに腹がたった…



こいつは僧侶だよな?



大徳「お前!何だその頭は?それでも坊主か!?」


三千院「…………」



俺の言葉を無視して三千院の奴は小角殿に近寄り、一度頭を下げたのだ。



大徳「俺は無視か!?」



正直、いけ好かない奴だった。だって、俺も小角殿の下で修業するために長い髪を切ったというのに…



えっ?そこ違う?


ウム。



小角「まぁ、許してやるが良い?この若者はシャイなんじゃよ?ふぉふぉふぉ」


大徳「小角殿がそうおっしゃるなら…」



それから、暫くの間…


三人での旅が続く。



俺は小角殿との修業に明け暮れていた…


俺は強くなる!


二度と俺の目の前で、悲しむ涙は見たくない…


俺は苦しく険しい修業の日々を、血ヘドを吐きながらも信念だけで乗り越えていった。


そんな旅の最中も、三千院はただ持って来た本を読んでいたのである。



(呑気な奴だ…いくら昔の戦友から預かったとはいえ、ハッキリ言って邪魔なだけだ!)



そんな中、俺は苦戦していたのである。


小角殿からの課題…


『気』を一点に集中させてから一度に爆発させる!


俺は指に『気』を籠めて、目の前にある大型の岩に集中させていた。


この岩を壊す事が、課題なのである。


しかも一気に粉塵化させるのだ…


て、そんな漫画みたいな事が出来るのか?



実際、小角殿は俺の目の前でやって見せたし、今の俺にならもう出来ると言っていたが?



マジか??



俺は仕方なく言われた通りに、岩に向けて集中していたのである。


一時間か…



大徳「あ~無理だ!無理無理!力任せに殴った方が早くねぇか?」



割るのでも砕くのでもなく、粉塵化か…



俺は集中力を失い、その場に寝転がったのである。



そこに…



三千院「情けない!」



三千院の奴が俺を見て、うすら笑いを見せていた。


なっ?野郎!!


俺を馬鹿にしているのか?


大徳「お前!何か言いたそうな顔だな?」



俺は挑発したのだが、三千院は…



三千院「私の師が尊敬していた小角殿の弟子がこの程度の者なら、小角殿もたいしたことないなと思ってな?」



なっ?こいつ…


俺ばかりか、小角殿にまで馬鹿にするつもりか?



俺は頭に来て、三千院の胸倉を掴もうとした…


が、俺の手は宙を切っていた??


三千院に躱されたのだ!



俺はよろけながら三千院の方向を見ると、奴は岩に向けて指を押し当てていた。


(あいつ…何をするつもりなのだ?)



その直後、俺の目の前で岩が大破したのだ。



それも粉塵化して??



大徳「馬鹿な!こいつ小角殿と同じ術を!?」



すると三千院は背中越しに俺に言った。



三千院「つまらない…気を使った初歩的な術だ!このような業に時間を費やすなんて、凡人のなせる所業だな?」


大徳「何だと!」


三千院「解らないか?素人が!この業の基本は、己の中の魂を感じる事!その魂を感じて、力を引き出すのだよ!解らないか?これでも解らないか?凡人はこれだから困る。まぁ、私は天才だからな!凡人とは違うのだよ!あはははは!」



そう言って、三千院は立ち去って行った。


俺は怒りよりも唖然として、奴が離れて行く姿を見送ってしまった。


だが、冷静を取り戻した後、



大徳「あの野郎!ナメやがって!」



何が、魂の力だ!


何が初歩的な業だ!



が、俺は今一度岩に向かって集中していた。


魂が何だと?


そんな事、簡単に……


言う…なっ…て…



俺は言われた通り己の中の魂を感じていた。


今まで感じた事のない不思議な力が漲っていくのが解った…


俺が再び目を開けた時…



目の前にあったはずの岩が木っ端みじんになっていたのだ。



俺は…


(まさか、あの野郎…俺にアドバイスを?まさかな…)


そんな俺を離れた場所から見ていた三千院は、その場から立ち去りながら…口元が僅かに緩んでいた。



そんなかんなで俺は小角殿との修業の日々…



三千院とは、あれっきり話しをしてはいない。



そんなある日、小角殿が真面目な顔で俺達に言ったのである。



小角「これより、儂達は任務を行う!」



それは今まで見た事のないような真剣な顔だった。



小角殿が説明した任務とは?


これより三人で鬼神を退魔すると言う事らしいのだが、鬼神は三体…


しかも、俺や三千院に関わる鬼らしい…


その鬼とは?



『明王鬼神』



明王鬼神とは俺達が魂の契約を果たした『明王』が闇に堕ちた鬼神である。


今現在、明王との契約に成功したのは、俺ともう一人。このムカつく三千院の奴だけだった。


そして、それ以前に三度…契約に失敗した事例が存在しているのだ。



失敗した場合、明王は契約者がおらずに闇に堕ち、鬼神と化すのだ…



俺達はその鬼神を再び封印するか、災いを起こす前に消さなければならないのだと…



俺達三人は、早々とその明王鬼神が現れると言う山へと向かった。


山は一般人の立入を禁止し、数百人以上の僧侶達によって厳重なる封印が施されていたのだが、それでも長くはもたないのだそうだ…


直ぐにでも、解決しなければならないな…



期限は丸一日…



思ったより時間はあるようだ。だが、大丈夫なのか?


確かに俺も、そこそこ術や退魔の力は持っているし、俺のいた寺院[大徳寺院]でも鬼を退治する事なんか朝飯前だった。


だが、相手はかつて俺が小角殿とともに苦労して勝ち得た明王クラスの鬼なのだぞ?


そんな俺の不安に気付いた三千院は…


三千院「怖いなら帰るが良い?ここは小角殿と、この天才の私がいれば大丈夫だからな!」



ム・カ・つ・く!



歳下のくせに毎度毎度俺を見下しやがって!


俺は…


大徳『俺は鬼殺しの力也!誰が怖がるか!このナルシスト野郎がぁ!』



三千院「……?」



その後、三千院が…


三千院「ナルシスト?私がか?やはり凡人には解らないのだろうなぁ?やれやれ…この天才の偉大さが解らぬのは貴様が未熟だからだ!消えろ凡人!」


大徳「黙れ!ナル!」



俺達はお互いを睨みつけた後、黙々と山を登ったのだった。



小角「フォッフォッフォッ!仲が良いのぉ~」



二人『良くありません!』



あの時の俺と三千院は完全に対立していたのだ。


次回予告


若き三千院と大徳の過去・・・


三千院の過去が今!



三千院「それにしても、今日はやけに静かだな?


三蔵達は大徳の道場にいるのか?感心だ。精進せよ!」

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