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神を導きし救世主!  作者: 河童王子
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魔眼譲渡?絶望に現れし光輝く神!!


四大天使を倒したと思われた修羅姫だったのだが・・・





俺は鷹仁…


俺の目の前で、今…


修羅姫の放った渾身の一撃が、最強の天使であるミカエル達四体を一刀両断にした…はずだったのだ!



安堵した修羅姫同様、その経緯を見ていた俺の目に、信じ難い光景が見えたのである。



修羅姫の上空から、消滅したはずのミカエルが剣を手に落下して来たのだ!



鷹仁『修羅姫!上だぁー!』



が、俺の言葉に気付いた修羅姫はミカエルの剣により、その力の源である魔眼[目]を斬り裂かれ、悲鳴にも似た絶叫とともに上空から落下したのだ。



鈍い音とともに地面に落下する修羅姫…


絶望だ…


だが、絶望は他の地区で戦っている者達も同じであった。



エンリル「コイツ!いくら倒しても蘇って来るぞ!」


目の前には倒したはずのメタトロンが蘇って来ていたのだ。



スサノオ「だったら、何度でも倒すまでだ!」



他地区の天使達も、倒す度に蘇って来たのである。



『天使が不死身とは知らなかったぞ?』



それは金色に輝く竜へと姿を変えた謎の女であった…



金龍『何か…違和感を感じるな…』



巨大な怪物と化したケルビエムが襲い掛かって来る。



金龍『ちょこざいな!』



炎の化け物と金竜が激しいバトルが行われている中…


俺達のいる戦場では?


修羅姫が落下の衝撃で手足が完全にいかれていた。



修羅姫「あっ…アガガ!」


それでも生きていた修羅姫だが、既に戦う力は残ってはいないだろう…



頼りの魔眼を奪われ…


視力も失い…


折れて動かない手足…


もう、終わりだ!



そんな中、修羅姫は動かない身体を這いずりながら、口にナイフをくわえていた。


それは、まだ戦える…


負けてはいないと足掻いているようであった…



修羅姫「!!」



そんな修羅姫を見下ろしている者がいた。


修羅姫はくわえていたナイフを落とし、笑い出したのである。



修羅姫「ふっ…ふふふ…


不様であろう?情けないであろう?こんな我の姿を見るのは?」




そこにいたのは…




鷹仁「…確かに不様な姿だよ修羅姫!」



そんな俺もまた、全身重度の大火傷状態だった。


俺は言葉を続けた。



鷹仁「そんなお前の姿を見るために、俺はここに来たのか?そんなボロ雑巾のような姿に成り果て、虫のように這いずるお前を見るために俺はこんな戦場に来たのか?」



修羅姫は見えない視力で俺を見ていた…



修羅姫「…痛い言葉をヌケヌケと言うもんだな?鷹仁よ?」


鷹仁「ふん!」



修羅姫「本当に…


何だろうな?我は…


救世主と持て囃され、我には何でも出来ると信じておった…


我こそ神以上の存在だと豪語していた…


世界の終末も、我なら救う事もたやすいと…


そう思っておった…


その挙げ句が…


こんなザマじゃ…



これでは我を信じ、死んでいった奴達が浮かばれまい?


本当…


我は何のために…


『何のために産まれて来たんだよー!!』」




修羅姫は頭を地面に叩き付け始めた。



本当に見苦しかった…



あの自分本意で、傍若無人で、自分が世界で特別な存在だと自負していた修羅姫が…


俺の目の前で弱音を吐き、自分自身の存在すら否定している姿が…



見苦しく…


哀れで…


それでいて…




愛おしく思えた…



俺は修羅姫を力強く抱きしめた。



修羅姫「馬鹿者!痛いではないか?アハハ…こんな我に欲情でもしたか?」


鷹仁「馬鹿が!そんな状態でも、まだ減らず口が叩けるとはな?」



世界の終わりに、惚れた女と共に死ぬのも悪くないなと…俺はこの時、本気でそう思った。



だが、修羅姫は言った。



修羅姫「だがな…鷹仁よ?我は天使達に、一矢報いてやったぞ?」



何だと?


一矢報いただと?



その異変に気付いたのは天使達であった。



ウリエル『おかしい…』


ガブリエル『何も変わらないようですね?』



天使達は上空を見ていた。



ミカエル『女の魔眼の力が失われれば、この忌まわしい時の空間から解き放たれるはずなのに?』


ラファエル『ミカエル!ほら?見て!』



すると、空に亀裂が入り始めたのだ!!



ミカエル『ふふふ…時の空間が解けるぞ!』



この空間が消えたら、何も知らない外の人間達の前に、今度こそ天使達の脅威が迫ってしまう…


だが、もうどうしようもない…


終わりだ!!



俺達にはもう、どうする事も出来ないのだから!



が、直ぐに空に出来た時空の亀裂は復元していく?




ガブリエル『何?どういう事なの!?』


ラファエル『解らない!こんな事は有り得ない!』


ウリエル『やはり、あの人間の息の根を絶たなければダメなのか?』


ラファエル『そんな事はないはず!あるとしたら…』


ミカエル『あるとしたら?』



その違和感と状況に気付いた俺は修羅姫に問う。



鷹仁「どういう事だ?」


修羅姫「ふふふ…やはり我とお前の魂を引き継ぎし者は、才能に恵まれておるな?」



何だと?


お前と俺の魂をだと?



それって…



それは、戦場より離れし日本国にある小さな寺であった。



「こ…これは!世界が止まっている?時が止まっているのか?」



辺り一帯の目に見えるモノ全てが、石化したかのように硬直し始めたのである。

その男は今起きている状況に困惑したが、直ぐに直感したのだ。



「修羅姫様達が、今この時!世界の命運をかけて戦っておられるのか?」



男の名前は空海…


本来なら、この男もまた戦場にいたはずの戦士だったのだが…


修羅姫が己の娘を殺そうと企てた時に、娘を救い総本山より逃亡したのだ。



今は追われる身であった空海と娘だったが、この時…


娘の身に異変が生じたのである。



空海「姫様!その瞳は?」



空海が見た娘の瞳は、金色に輝いていたのだ!!



そして娘は言った。



『父上と母上が危険です…今、母上に代わり時の世界を造りました…』



娘の歳はまだ三つかそこらだったと思う。


その歳で高級難度の魔眼の能力を発動させたなんて驚きである。


いや、これも卑弥呼一族の血筋なのだろうな…



だが、それだけではなかった。



『貴方達は誰?…それは本当なの?』



娘は何者かと通信?テレパシーで会話をしていたのだ?一体、誰と?



空海「姫様?誰と会話しておられるのですか?」



だが、空海の言葉は娘には届いていなかった。



『それが世界を救う最後の手段なのですね?解りました…貴方達を信じます!それしか今、他に手段がないのだから…』



すると娘は指先を天に向けて、幾つもの真言を唱え始めたのだ?



その真言は…


広がっていく…



日本から各国に…


各国から世界へ…



それは地球上全てに響いていったのである。



『次元開門!』



この術は禁忌であった。


だが、今はこの術に頼るしかなかったのだ!


後にこの行為が新たな悲劇と災いを呼ぶと知っていたとしても…



そんな出来事が起きていたとは知らぬ俺は一人…



鷹仁「何をしたんだ?お前は?」


修羅姫「天使に潰される前に、我の魔眼を娘に譲渡したんだよ!

今、この時の世界は娘が支えておるんだよ?」


鷹仁「娘が・・・?」



そして、まだ状況を覆す出来事が?



俺は・・・



希望の光を目の当たりにしていたのだ。



新たに別の次元の穴が現れ、ゆっくりと開き、その穴から天使達の前に現れた別の存在?



敵か?味方か?


それは光り輝く者達…



天使達の前に現れし、光の巨人…



う…ウル…ウル…と?




すまん…


つい、涙目になってしまった。



あれは!?


光り輝く神…


まるで太陽のような輝きから、我々は…


後にその神を『明王』と呼んだ。




ミカエル『キサマ達は?』


ミカエル、ガブリエル、ウリエル、ラファエルの前に現れし明王…



不動明王、降三世明王。


更に金剛夜叉明王に大威徳明王…


更に、各地にも明王の姿が現れたと言う。



大元帥明王、馬頭明王、

大輪明王、無能勝明王、

愛染明王、烏枢沙摩明王、



明王達は各地の天使達に向かって、攻撃し始めたのだ。


そして、この地でも…



ミカエル『何者だ?』


不動明王『フン!』



不動明王の炎がミカエルの身体に放たれ、ミカエルは炎を払いながらも聖剣エクスカリバーを振り払って来る。


不動明王は受けて立つように炎を纏いながらミカエルに向かって突進していた。


その手には炎の剣を握りしめながら…


両者の剣は激突し、凄まじい神気が大地を揺らす!



ミカエル『馬鹿な!エクスカリバーを受け止めるとは!?』


不動明王『意思の剣は、意思の剣にて相殺する!それ、すなわち道理!』



俺は天使達と明王達の戦いに見惚れてしまっていた…


あのミカエル相手に戦う炎の闘神に…


あれが明王?


あれが本当の神の力なのか?



俺は立ち上がっていた。


そこに修羅姫が俺に話しかけて来たのである。



修羅姫「あんまり神の力に惚れるなよ?ヤキモチ焼くだろう?」


鷹仁「ふん!何が起きたか解らないが、あの神に後は託すしかあるまい?この世界の命運を!」



だが…


修羅姫「残念だが、無理だよ…」


何?




修羅姫「天使達は倒しても倒しても、幾度となく蘇って来るだろう…皮肉なものだよ…何でも可能にするであろう眼を失って、初めて見えて来る事があるなんてな…」



何を言ってる?



修羅姫「我はまだ…やれる事がある!我にしか出来ぬ事がある…」



修羅姫にはまだ、戦う意思が消えてはいない事に俺は気付いた。



だが、何をしようというのだ?



動く事も出来ないそんな身体で…




なぁ、修羅姫よ?


次回予告


三蔵「ここで明王が出現したのか?あれ?ちょっと待てよ?


この現れた明王の中に蛇塚の軍茶利明王がいなくないか?」


蛇塚「忘れたのか?俺の軍茶利明王はこの時に蛇神島に現れていたんだよ!」


三蔵「詳しくは蛇神島編だな?」


卑弥呼「しぃーーーーーー!!」


三蔵「すみません・・・」



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