禁断の邂逅?揺れる修羅姫の魂??
神をも殺す者達、カミシニを相手に
単身で戦いを挑む修羅姫の力は?
我は修羅姫…
身体が震えおる。
目の前には、カミシニと呼ばれる最凶最悪の敵が我に視線を向けていた。
当然、殺気だと解る。
そりゃあ、そうさな?
我は奴らの仲間を既に三人倒しているのだから…
残りは四人か?
一人は女のようだが、アヤツは再び穴から現れて来た天使を相手にしておるからまだ良い…
それより残りの三人…
一際恐ろしい力を感じるわな!
身震い?いや、武者震いだな?これは…
あのような奴らを相手にしているにも関わらず、我は笑みを見せていた。
そう、この我の瞳が金色に輝いてから、身体の奥から沸き上がり異常に高まる力を抑えている方が辛いぐらいなのじゃ!
いっその事、解放させてやった方がどれだけ気持ち良いか…
だが、これより先には天使達の親玉が控えておるし、先程から小角の魂が弱く小さくなってきている?
急がないと…
じゃが、数分くらいなら?
いやいや…
しかし、ちょっとくらいなら良いかな?
我慢は良くないな?
我は唇を舌で舐めると、カミシニの三人相手に向かって突進する。
修羅姫「欲望を抑えられるほど、我は出来た女じゃないよ!」
我に対し大鎌を持ったカミシニ[転生]が向かって来る。我の金色のオーラと転生の黒い血の障気が激突を繰り返す!
あ~この命のやり取り!
か・い・か・ん!
我は術札を数枚投げると、それは四本の三鈷杵[サンコショ]へと変わり、宙に浮かべながら自在に操る。
転生「人間の女!私を怒らせた事を死んで詫びるが良い!」
転生の口調は普段の惚けた感じとは違い、気品に満ちた気高さがあった。
しかも、その瞳は我の瞳に当て付けるかのように銀色に輝いていたのじゃ?
転生は向かって来た三鈷杵を黒い大鎌で斬り裂き、我に向かって振り降ろす!
我は咄嗟に三鈷杵を金色のオーラで包み、その鎌を受け止める。
お互いのオーラの衝撃波が金と黒の雷と化して飛散し、空中にて飛んでいた天使達を巻き込みながら貫き消滅させる!
修羅姫「雑魚掃除にはちょうど良かったなぁ?」
転生「口の達者な女め!」
そんな我達の戦いを見ていたカミシニのリーダー[アライヴ]は、我の瞳を見て何かを感じていた。
アライヴ「あの金色のオーラは魔眼の力のようですね?私達の血の力が通じないとは…まさか?」
『あれが、神々の者達の噂していたメシアの魔眼と言うやつなのか?』
デッドマン「…………」
するとアライヴの掌から血がこぼれ落ちると、それは黒く変色していく。そして槍の形へと変わった!
『ロンギヌスの槍!』
アライヴ「だとしたら、早めに始末した方が良さそうですね?神々の希望は消し去ってしまわねば!」
アライヴはロンギヌスの槍を手にすると、我に向かって来たのである。
転生の大鎌が!
アライヴの槍が!
我に迫ったその瞬間であった。我々三人の間に、何者かが割り込んで来たのだ?
転生「!!」
アライヴ「!!」
二人は武器を引き、攻撃の手を止めた。
アライヴ「どういうつもりですか?」
カミシニのリーダーは少し目を丸くしていた。だが、驚くのも当然だった。
我を守るように、二人の攻撃を止めたのは…
カミシニであるはずの赤い髪の男だったからだ?
当然、我にもさっぱり状況が解らなかった。
修羅姫「何だお前?我に惚れて味方するつもりか?だがな、我にはもう男がいるのだよ!アハハ!」
すると、男はゆっくりと顔を上げていく。
「ふふふ…アハハ…アハハハハハ!」
そいつは両手で自分の顔を覆いながら、突然笑い出したのだ?
オィオィ!
こやつは狂人か?
男は我に向けて口を開いたのである。
「ようやく会えた…何百…何千、何万…いや?それこそ何世紀探した事か…アハハ…ようやく見つけたぞ!お前を!」
そいつの言葉に我は…
修羅姫「何を言っておるのだ?悪いが我は貴様を知らんよ?初めて見る顔だ!他の誰かと勘違いをしておらんか?」
だが、男は続けた。
「俺が解らなくても良い!気付けなくても構わない!たが、お前は俺のものだ!例えお前の記憶が俺を忘れていても、その魂が俺を忘れるはずがないのだ!」
何を言っておるのだ?
さっぱり解らん?
魂が知っているだと?
魂が…
『ドクン!!』
その時だった。
我の心臓が鼓動を早めていき、胸が苦しくなって来たのだ。
修羅姫「なっ?何だ!?くっ…苦しい!」
我は胸を抑えながら、目の前の男に叫ぶ!
修羅姫「貴様!我に何をしたのか!?呪いの術でもかけたか!」
が、男は我の顔を懐かしむかのように、何とも優しい顔で微笑んだ。
しかも、その瞳からは涙がこぼれ落ちていた?
「お前は俺を忘れられないよ…お前と俺は引き合うが定め…お前の魂は俺を忘れてはいないのだから…」
その涙を見た時、我は身体に電撃が落ちたような感覚に襲われた。
ヤバい…
何かがヤバい…
変だ?我が我で無くなるような感覚が??
何だ…?
確かに、胸が騒ぐ…
我の手が、無意識にその男に向けて伸ばしかけたその時だった…
何かが我の脳裏を過った。
同時に今まで黙っていたアライヴが叫ぶ。
『いい加減にしろ!デッドマン!お前は自分が何をしているのか解っているのか?』
そう…我の魂を騒がせる相手の正体とは?
デッドマン…
神を殺す悪であり、我の敵!奴らと同じくカミシニのメンバーのはず?
其奴は長い赤い髪を垂らしながら、その視線は我の目を離そうとはしなかった。
くっ…
あの瞳で見られておると目が離せぬ…
惹き付けられる…
我は奴の瞳に釘付けになっていた。
転生「アライヴ様…いかがいたしましょう?」
アライヴ「構わない…あの女は生かして置いてはいてはいけませんからね?所詮は偽りのメシアなのですから!」
転生「はい!」
二人が戦闘体勢に入ろうとした時、デッドマンの身体から血が噴き出し、赤い触手となって二人の身体を拘束したのだ!?
デッドマン『二人とも!この場は退けぇ!俺を怒らせるな!この女に手を出したら、俺が俺でなくなる…そしたら俺はお前達とて許さん!良いかぁ!赤き倶梨伽羅の力を使ってでも、お前達を止めるぞ!だから、一歩足りとも動くな!』
赤き倶梨伽羅?
その言葉に、アライヴと転生が動きを止めた。
アライヴ「お前、再びユダに戻るつもりか?」
デッドマン「そうじゃない。だがな、こいつは別なんだよ!解ってくれとは言わん!だが、手を出すな!二度は言わん!」
その時、デッドマンの上半身の服が破れ、その背中から赤い竜のような入れ墨が現れたのだ!
転生「…本気のようですね?だったら私も…」
デッドマンを敵と認識した転生をアライヴが止める。
アライヴ「止めなさい!本気になったデッドマンは貴方では勝てませんよ?そう、この私でもね…」
何がどうなっておる?
仲間割れか?
だが、これはチャンスかもしれんな!
我は身動きが取れない三人に対して、究極奥義を発動させた!!
我の金色の瞳が三人を覆うように輝き照らすと、その空間一帯が歪み始める。
その異変に気付いたデッドマンは…
デッドマン「ま…待て!何をするつもりだ?ヤメロ!俺の!俺の話けぇーー!」
だが、歪んだ空間内で三人とも動けなくなっていた。
デッドマンは我に向けて手を伸ばそうとした姿勢で止まっている。
まるで、そこだけ時が止まったような状態だ…
我は奴の涙を流しながら向ける熱い視線から一度は目を反らし、再び見上げながら言った。
『聞く耳は持たんよ…』
我の言葉が言い終えたと同時に、目の前から三人の姿が消えた。
『時の魔眼…時限転移!』
修羅姫「この力でな…貴様達を未来に送ったのだよ…流石に過去に送ったら、タイムパラドックスが起きてしまってはたまらんからなぁ?まぁ、これから先の未来が残っていたならの話だがな?」
我は一端地上に降りると、そのまま膝をつく。
修羅姫「ハァ…ハァ…しかし、この力は…時を操る力は…相当な代償を我から持っていったようだ…我の十年分の寿命といったところか?」
と、そこに…
修羅姫(チッ!まだいたのだったな…)
そこには、女カミシニのブラッドが立っていた。
だが、ブラッドは我に敵意を向ける所か、そのまま背を向けて立ち去って行ったのだ。
修羅姫「何か曰く付きのようじゃな?まぁ、良い…」
そして、我は新たな戦場のへと向かった…
修羅姫「戦場こそが、我が魂が心躍る場!良いだろう。もっと、楽しませよ!天使達よ!我を満足させるくらい濡らせてみせよ!アハハハハハハ!」
なぁ…
鷹仁よ?
我があやつの瞳から解き放たれたのは、あの一瞬…
お前の顔が過ぎったからなんだよ…
なんて言ったら、お前は笑って言うのだろうな?
「らしくない!」と…
確かにそうだ…
フッ…
次回予告
三蔵「さっぱりさっぱりだが、解った事がある!」
卑弥呼「何ですか?三蔵?」
三蔵「男のストーカーはキモイ!!そして・・・」
女は恐い・・・




