最強の助っ人!最凶の助っ人?
人間達の前に現れた真の敵に人間達はどう挑むのか?
俺は鷹仁…
俺は今、目の前で起きている状況を飲み込めないでいた。
突如現れた無数の魔物。俺達は力を合わせて戦っていた。だが、それは本当の敵ではなくて…
後から新たに現れた者?
それが、本当の敵?
そいつ達は現れたと同時に強烈な閃光の波動を放ち、空を覆う程の魔物を消し去ったのだ!
…味方?
そんな訳ない…
そいつは俺達の仲間の大半をも、一瞬で消し去ったのだから…
鷹仁「こいつ達が本当の敵だと言うのか?」
俺達の目の前に現れた者とは、白き姿で神々しい光を放ち、美しく輝く翼を持った巨人サイズの『天使』だったのだ。
まさに旧訳聖書そのものの姿…
現れた天使の翼から放たれた光は光熱となり、仲間達を蒸発させるが如く消し去った。
魔物も人間も…
まるで、虫を廃除するかのように消し去っていく。
俺は茫然と立ち尽くしたまま、仲間達が消滅していくのを見ていた…
茫然と立ちすくむ俺にも天使から放たれた光熱が迫った時、
「馬鹿者!」
寸前で小角が俺を抱え躱したのであった。
鷹仁「小角?あ…あれが俺達の…俺達の敵だと言うのか?」
小角「…………」
小角は俺に頷いた後、ゆっくりと立ち上がる。
小角『皆の者!聞くが良い!例え敵が何者であろうとも、この星を!この世界を守るために儂達はここに来たのじゃろうがぁー!戦え!戦うのじゃ!そして未来を掴み取ろうぞ!』
小角の言葉に戦意を喪失していた者達が奮い立つ。
そうだった…
例え、相手がどんな姿をしていようとも…
何者であろうとも…
俺達がする事は一つ!
『この世界を守る!』
そして、世界の存亡を賭けた天使と人間達との戦いが再び幕を開けたのだ。
いち早く動きを見せたのは天使と交戦中のエスパー集団だった。
「瞬間移動で相手の攻撃を躱しつつ、念動力で動きを止める!」
巨人サイズの天使から放たれる光熱を寸前で躱しつつ、天使に向かって念を籠める。
「どうやら神と言っても私達の瞬間移動には付いてこれないようだな?」
エスパー集団の空中飛行能力に瞬間移動。更には念動力。彼らは特別な力を施された強化人間。仲間の力を同調させ、自分自身の力だけでなく仲間の力をも使えるのだ。まさしく無敵とも思える能力だった。更に特別なコスチュームが加わり力を最大限にまで使えるのである。
彼らにとっては神すら相手ではないのか?
もし、敵に回したらと考えると、ゾッとするぜ…
「思考が読めません!何を考えているのか見当もつきません!」
「構うものか!人類の敵であるなら排除するまでさ!」
エスパー集団は天使の周りを掴まらずに飛び回り、至近距離まで迫ると!
「このまま内部から破壊してや………っ」
その瞬間、エスパー集団達は同時に体内から爆発を起こしたのだ??
何が起きたか解らないまま死んで行くエスパー達…
それは他地区の者達にも衝撃を与えたのである。
運良く生き残ったエスパーの若者は、
《…僕達の念力を反射させたのか?》
その油断に天使の腕が若者の身体を掴む!
その後は無惨だった。
握り潰され、悲鳴と同時に血しぶきが散った。
それは炎を使った術とて同じであった。炎を放った術者が逆に炎に包まれ死んだのである。
《ならば、物理攻撃なら?》
虫の装甲に身を包んだ昆虫の能力を使う者達が仕掛ける。鋭い爪で天使を引き裂こうと飛び上がる!
が、その攻撃も…
天使の姿がビルの如く巨大化し、蟻を踏み潰すかのように昆虫能力者達を蹴散らしたのだ。
圧倒的な力量に既に戦う術を無くした人間達…
だが、小角だけは戦うのを止めなかった。
小角「まだじゃ…まだ…諦められぬ…儂は!儂はまだ…」
『三蔵様にお会いしては、いないのじゃからなぁー!!』
三蔵?
誰だ…そいつは?
小角は意を決したかのように、一人天使に向かって歩いて行く。その目には戦意を失う事もなく…
小角「儂の禁断の術を使わせてもらうぞよ?天使よ!かつて孫悟空様とも互角に戦いし、魔物の力をとくと味わうが良い!」
『前鬼!』『後鬼!』
すると、小角の背後から二体の鬼神が出現したのだ!小角は更に気を高め、
『狼神変化唯我独尊!』
※ロウジンヘンゲユイガドクソン
と、唱えた。
すると、二体の鬼神が小角の身体の中に取り込まれていき、小角は角の生えた双狼の鎧を纏ったのだ。
小角『さぁて…今度は儂達の攻撃じゃよ?天使達よ!』
瞬間、小角が俺の目の前から消える。見上げると同時に数十倍以上ある天使へと向かって行た!突っ込んだ小角の拳が天使に直撃すると、天使は轟音を立てて倒れたのである。
小角『どうやら霊力を籠めた拳を直接ぶち込めば、攻撃は有効のようじゃのう?』
小角は再び立ち上がる天使に中指を立てていた?
あの、爺さん…
すると、空中にいた天使達が小角の存在気付き、向かって来たのである。
くっ…
まだいたんだったな…
俺は立ち上がるとライフルに気の銃弾を籠めると、小角を援護する。
鷹仁「俺も戦うぞぉー!」
俺に負けじと再び戦う意志を持ち始める戦士達。
だが、その力の差は歴然としていた。
その絶体絶命の状況に…
『どうやら、お前達の出番のようだな?』
『ふん!待ち侘びたぜ!』
それは日本にいる修羅姫と、神の転生者達の姿であった。転生者達は修羅姫のオーラに包まれると、その場から消えていく。
そして彼達が再び現れた場所は、戦場であった!
エンリル「瞬間移動とは便利なものよ!」
スサノオ「フン!どうして俺が貴様と組まないといかんのだ?」
エンリル「そう言うな?同じ暴風神であろう!ガハハハハ!」
別地区には天神アヌと太陽神アマテラス。更に別地区では水神エアと、月神の月読が戦場に舞い降りたのだ。彼達は全滅寸前の地区に二組で戦場に現れ、天使達の相手をするのだ。
スサノオ「さぁて!世界を守ってやるかな!」
スサノオの手には草薙の剣が握られていた。
だが、その中で…
今まで人間達の軍の中でも先陣を切っていたはずの『最高の十二使徒』達だけは戦場でまだ動けないでいたのである。
ペテロ「ば…馬鹿な…我々の敵が…我々が崇拝していたはずの神だったと言うのか?無理だ…戦えるはずがない…」
己の信仰と世界を救う事を天秤にかけ、頭で解っていても動けないペテロ達十二使徒とエクソシスト達。
だが天使達は容赦なくペテロ達の率いるエクソシスト達を消し去っていたのだ…
ペテロ「私は…どうしたら良いのだ…」
戦意喪失のペテロの目の前にも、天使が迫っていた。
ペテロ「これが神の望みと言うのであれば…私は…」
目を綴じて戦う事を放棄し、そう覚悟した時…
目の前の天使の動きが止まったのだ?
まさかの状況に気付いたペテロが目を開くと、
ペテロ「何が?」
すると、目の前の天使が頭上から真っ二つに斬り裂かれ消滅していた。
ペテロ「あっ…あああ!」
その現場を見ていた十二使徒の一人であるヨハネが叫ぶ!
ヨハネ「ペテロ!あそこだ!あの崖の上にいる何者かが攻撃を仕掛け、天使を殺したんだ!」
ペテロは信じられないでいた。神を殺すなんて事が有り得るのかと?
ヨハネの指差した崖の方向には、確かに人影があった。
崖の上には七人の影?
「全く!先走っちゃって!ブラッドの奴!血の気が多いんだから!」
「あれ?血の気が多いのは貴女も同じでしょ?下品な女子はお里が知れますよ?」
「うるさい!黙れ眼鏡!」
それはタキシード姿の男と、ゴスロリ姿の少女?
更に…
《ウフフ…実験素材が沢山いるわね?》
女の声を発する大男に、先程天使に攻撃を仕掛けた鞭を持った女?
その後方には…
「実験素材は私にも分けてくださいね?そうでなくては、シャドゥさんの代わりに来た意味がありませんので~私!」
白衣を来た博士風の怪しい男がいた。
そして…
「どうやらビンゴのようだな?羽付きだぜ!」
「あぁ…ようやく殺せるよ…憎き羽付きの神を!」
派手な赤いコートを纏った赤い長髪の男と、黒いスーツ姿の青年だった。
その者達は人間?しかし異様な力がビンビンと伝わって来ていた。
今まで感じた能力者達とは何かが違う?
鳥肌が治まらない触れてはいけない異質の力の持ち主達…
そしてスーツ姿のリーダー格の男は言った。
『ふふふ…今日は無礼講だよ…好きに暴れてくれ!我が同胞よ?』
この者達は…後に我々にとって脅威となる…
『カミシニ』と、呼ばれる者達であった。
次回予告
三蔵「小角、すげぇえええ!やはり俺の師匠だぜ!
しかし、孫悟空って何言ってるんだ?」
※詳しくは、河童王子の前作品である『 転生記 』をお読みくださいませ。
今回の章には幾つかの関連とコラボが発生します。




