最低最悪の取引?
西暦2000年に起こる世界存亡の危機?
その時、現れし救世主の存在!
そして、もう一人・・・
二人の運命が未来に何を起こしたのか?
俺は今、富士山頂にてライフル銃を入念に手入れをしている。
暗殺…
それが俺に与えられた仕事だ。
俺の名前はクリムゾン・ホーク。裏の世界では名のあるヒットマン。今回の標的は世界の命運を左右すると言われている裏密教組織のリーダー座主…
俺はライフルの標準を合わせながら、座主が現れるのを待っていた。
まさか富士山頂から狙撃するとは、誰も思うまい?
こんな馬鹿げた手段は俺の持つ能力があってこそ可能に出来る芸当[狙撃]なのだから…
魔眼・鷹の眼…
それが俺の持つ力だった。
だが、この力はなんて事もない超視力眼…
その名の通り、どんなに離れた場所にある針の穴さえも見通す事が出来る能力である。
まさに狙撃にうってつけの能力だ。
魔眼を発動させると俺の眼は紅色に輝く。視界は富士の麓、その先まで見通していく…
やがて、森の中を探っていくと、幾つもの結解を見付けた。
俺の魔眼はその結解をも摺り抜け、ついに目的の人物を探し当てたのだ!俺の魔眼から逃れるすべはない。
標的は直ぐに解った。
人間離れした凄まじい霊力に、その存在感…
(アイツに間違いない…)
それから数日の間、座主の動向を観察していて俺の魔眼はそれ以上の事まで見通し、そこで俺は知る事になる。
座主の秘密を?
座主…座主とは?
『女だったのか!!』
座主は外出時には常に面を被っていたが、密教衣越しに骨格や男女の持つ独特な違いで解った。
だが、例え標的が女や子供でも関係ない…
俺は与えられた仕事をするだ…け…だか…
(なっ!?)
すると座主は被っていた面を外し、俺に向かって…
ウインクしたのだ??
(馬鹿な!?)
たまたま目が合ったに違いない…
まさかな?
ありえないのだ!
俺の魔眼があって見える距離なのだぞ?
が、次に座主…
いや、その女は…
俺を睨みつけ、指で拳銃を形作り『バァン!』と、撃ったのである。
俺は慌て標準から目を離し、驚きから立ち上がった!
「馬鹿な!ありえん!」
と、その時…
「有り得るんじゃよ~あの方にはのう~」
「本当に…恐ろしい方ですからね…」
俺の背後に気配なく、二人の男が立っていたのだ??
いつの間に!
俺は直ぐさまライフルを二人に向けて撃った。
が、二人は難無く銃弾を躱して向かって来る!
チッ!
俺はライフルを投げ捨て素早く胸元の近距離戦用の拳銃を抜く。
拳銃が二人を捕らたと同時に、瞬時に接近した一人が拳銃の先端に指を入れて『気』を流し込む。拳銃は暴発したと同時に、俺の腕をもう一人の男が掴み取り投げられた。
(合気か!?)
そのまま俺は床に押し付けられて、捕らえられたのだった。
後になって解ったのだが、この時の二人とは…
小角と空海だった。
俺は不覚にも当て身を食らわされ、意識をなくした…
どれくらい経ったのか?
俺は意識を取り戻す。
一体、俺はどうなってしまったのだ?
どうやら俺はベットの上で、目隠しをされた上、裸で両腕と両足をロープで縛られているようだった。
身動きが取れない…
すると、俺の目隠しがゆっくりと外されていく?
くっ…
この後は尋問に拷問か?
俺は覚悟した。
ならば、舌を噛んで自害するのが得策…
そう思った時、俺に向かって声が聞こえた。
「舌を噛んで死んで何になるのだ?そのような事は許さんぞ!赤い髪の暗殺者よ?」
それは女の声だった?
まさか座主か?
座主本人が俺を尋問するつもりなのか?
俺は一度座主の顔を間近で見てやろうと、目の前の女の姿を見たのだった…
『!!』
アッ??
俺は口を開いたまま動けなかった…
一体全体俺はどういう状況にいるんだ??
何故なら、目の前の女は一糸乱れぬ姿で俺の上に乗っていたからだ…
俺「おっ…お前!どういうつもりだ?いや、その前に何故、裸なんだ!?」
すると、座主の女は平然と言った…
修羅姫「はっ?馬鹿かお前は?これから子作りするのに、裸は当然じゃないか?」
はぁ?
子作りだと??
何を言ってるんだ?
この女は???
俺をからかっているのか?
女は言った。
修羅姫「お前は今から私のもんだ!お前が死ぬも生きるも、今や私の思いがまま!だから私は決めたのだ!お前は私の男にするとな!」
俺「ふざけるなぁ!この淫乱女!貴様は座主だろ?座主がこんな淫乱で聞いて呆れる!」
だが、女は俺の上にまたがりながら乗る…
修羅姫「淫乱上等!私は欲しいモノは必ず手に入れる!何をしてもだ!だから、お前は私のモノだ!良いか?既にお前に選択の道はないのだよ!あはははは!」
狂ってやがる…
そして俺は…
犯された…
屈辱だ…
俺はそのまま…
抵抗出来ぬがまま、女に支配されていったのだ。
一段落した後、女は俺の髪を触りながら笑む。
修羅姫「お前の髪は赤いのなぁ…私はお前のその髪の色は好きだぞ?」
俺は無表情で問う。
俺「…どうして俺を?」
修羅姫「ずっとお前の視線には気付いていたのだぞ?お前の刺さるような熱い視線が、私の身体を貫き…濡らしたのだよ!」
俺「下品な女め!」
修羅姫「そう言うな!16の生娘の身体をやったのだから少しは喜べよ?赤髪の男?」
なっ?なっ?なっ?
コイツ…処女だぁ?
しかも…16歳だと?
見るからに整ったプロポーション…
に、色気ある容貌…
それに、あっちの方も…
プロ並だった…
それが…
俺は絶句と同時に男としてのプライドが削げ落ちた。
プッ…
「あははははは!」
もう、笑うしかなかったのだ。最後に座主は…
修羅姫「だが、私の命を狙った事は許せぬ…今からお前に命じる!」
「!!」
俺はその足で、父親のいる寺院に戻り、
あのゲスな父親を始末したのだ。
ミイラ取りがミイラか…
俺は座主に付く事にしたのだ。
あの女は言った…
修羅姫「お前は抑えてはいるが野心に満ち溢れているな?お前は力を欲しくないか?権力は欲しくないか?私はその両方を持っているぞ!それだけじゃない!私に手に入れられないものはない!この世界も!未来も!全ては私の思いがままよ!あはははははははははは!」
俺は座主のカリスマ的存在感に飲まれていき…
忠誠を誓ったのだった。
そして現在、俺は…
小角と空海と同じく座主の側近になっていた。
コイツといれば俺の冷えきっていた世界が変わると信じて…
その後、俺と座主…いや、修羅姫との間に子供が産まれた。
俺と同じく赤髪の赤子…
修羅姫は言った。
修羅姫「良かった…この赤子は男だ…」
元来、卑弥呼一族は何代も続いて女子しか産まれなかったのだ。
それが今、男子が産まれたと言う事は?
修羅姫「…後の世代に必要がないと言う意味…
つまり、私の世代に世界の終末が来ると言う事!」
修羅姫はほくそ笑んでいた?
『私の異常までの力は、世界を左右する力…何世代と続く卑弥呼一族の戦いの連鎖に終止符をつけるのは私!私が救世主!私が支配者になるんだ!』
そう…
卑弥呼はそれを知りたいがために、子供を産み試したのだ。
俺を使って…
もし、女子の赤子が産まれたなら、修羅姫は後に続く連鎖の中の一連鎖に過ぎない…その赤子が次世代の救世主となるのだから!
修羅姫はそれが嫌だったのだ…
一連鎖としての人生が…
だが、その連鎖は途切れた!紛れもなく修羅姫こそが世界の終末に現れる救世主で間違いないのだ!
後に卑弥呼一族に産まれた男子は、使い道のない子供として直ぐに養子に出された。
俺もまた引き止めはしなかった。俺もまた、親の愛を知らぬし、その親をも手にかけたのだから…
最低最悪の俺には、あんな最低最悪の女こそ…
相応しいのかもしれないな…
次回予告
三蔵「ぜ・・・絶句・・・」
三千院「あはは!まさに若気の至りってやつだな?」
三蔵「待て!待て!お前、捨てられたのだぞ?」
三千院「そうだな?そうなるな?」
三蔵「何も感じないのかよ?」
三千院「養子になって、別に苦労なかったしな?それに、私よりも卑弥呼の方がな?」
卑弥呼「もう!お兄様たら?恥ずかしいですわ」
三蔵「何??卑弥呼にも何が??」
この兄妹・・・




