西暦2000年の聖戦??ロスト・ラグナロク!
三蔵と卑弥呼の結婚
だが、何か不穏な空気が?
俺は三蔵…
はぁ~
俺は今、三千院の部屋にいる。
卑弥呼の隣には三千院…
どうして三千院?
卑弥呼の隣は俺…
だったはずだろ??
なのに、何故に三千院なんだよ!!俺はお前にとって何だったんだよー!
何とか言ってくれ!
卑弥呼!
すると卑弥呼は…
卑弥呼「三蔵…覗きはいけませんよ?」
はっ?はっ?はぁー??
どの口が言うー!
すると今度は三千院が…
三千院「三蔵…不粋な奴だ!用があるなら堂々と入って来れば良いだろう?」
はぁー??
俺が悪いのか?
『プツン!』
俺の中で何かがキレた…
三蔵「待ってくれよ!どういう事か話してくれ!てか、何故に卑弥呼が三千院の部屋にいるんだよ?三千院!それに卑弥呼!」
三千院「………」
卑弥呼「………」
キョトンと無言になり考え込む二人に俺は感情を露わにする。
三蔵「おかしいだろ?こんな夜中に男女が二人で?てか、お前達…どういう関係なんだよ!」
三千院「兄妹だが?」
三蔵「そうだよ!兄妹だから、なんだよ!そんなんでこの状況を説明出来ると思っているのか!ふざけるな!」
そうだよ…
兄妹がなんだってんだよ?
そんなんで納得…
三蔵「したぁー!!」
三千院「だから、何が言いたいのだ?お前が何を怒っているのか、さっぱりだぞ?」
三蔵「て、ちょっと待てよ!」
俺は二人を指差しながら…
三蔵「お前達は兄妹だったのかぁー??」
三千院「ん?言わなかったか?」
三蔵「聞いてないし!」
三千院「ふっ…そうか。つまりお前は、私と卑弥呼の関係をうたぐって…」
三千院は卑弥呼と顔を見合わせると同時に笑い出したのだった。
俺は顔を真っ赤にしながら、「黙れ!黙れ!黙れ!」
と…
やべえ…
穴があったら入りてぇ…
てか、死にたい…
この場から消えたいよ~
俺の馬鹿!!
三千院は俺をからかうように、
三千院「ははは!卑弥呼!お前は三蔵に愛されてるな?」
卑弥呼「…お兄様!」
卑弥呼は照れ笑いしていた。
三千院「三蔵!話してなかったのは悪かったな?それに私には既に妻子もいるのだぞ?」
三蔵「なっ?お前、結婚してたのか!?」
三千院「あぁ…去年、子供も産まれているのだ!」
知らなかった…
てか、三千院…
俺はお前の事、何にも知らなかったぞ?
三千院「で、私に何か用事があったのか?」
そこで俺は思い出したかのように例の事を問いたのだ。例の事とは不動鷹仁の件である。すると笑っていた三千院の顔付きが変わる。
三千院が俺を憎んでいる?
かも?
その原因が、俺が手に入れた不動明王を求めた男…
不動鷹仁に関係していると?
今、俺の中にいる不動明王を求め、手に入れられずに俺の目の前で死んだ男。そして不動鷹仁こそ、三千院の師だと言うのだ!
三蔵「三千院…」
すると…
三千院は暫く沈黙した後に大徳やバサラ、蛇塚。それに空海を部屋に呼び寄せたのだ。
どうして?
全員が揃った後、三千院はようやく口を開いたのである。
三千院「全員揃ったようだな?お前達を呼んだのは他でもない!これから始まる世界の終末についてを語る時が来たからだ!」
世界の終末だと?
三千院の他には、卑弥呼と大徳、空海は知っているようだった。
知らぬは俺と蛇塚にバサラか…
てか、何で話がこんなに大きくなったんだ?
てか、今何時だよ?
三千院「では、世界の終末について語る前に、もう一つの世界の命運を賭けた戦いがあった事を話さねばなるまい…」
これから語られるのは…
西暦2000年の世界の終末に、『ロスト・ラグナロク』と呼ばれた聖戦があった。
それは一部の関係者以外誰にも気付かれずに、誰の記憶にも残らずに起きた壮絶なる戦いがあったと言うのだ!
三蔵「ちょっと待てよ!西暦2000年にそんな戦いなんかあったら、世界中大騒ぎになるじゃねぇかよ!」
大徳「三蔵!黙って聞いていろ!」
三蔵「えっ?あっ…はい…」
俺は黙る。
三千院「続けるぞ?」
三千院は再び語り始める。
話は、西暦1990年から語られていく…
その日、世界各地に散らばっている『終末の予言書』に異変が起きたのだ!
それは、世界の終末を知らせる予兆…
そして、世界各地に散らばりし力のある人間達は皆同じ夢を見たと言うのだ?
世界の終わりを!
それは誰も疑う事が出来ぬほどに明確かつ鮮明に。
世界中で選ばれし者達が動き出す。
この世界を救うがために…
霊能者、預言者、神を奉る者から様々な教徒…
裏世界の者達。
そして、彼等は皆をまとめる指導者…メシア[救世主]の存在を求めたのだ。
そこで選ばれたのが、日本国にて霊能者達を束ねる座主の存在であった。
座主…
その者は間違いなく本物!
『力』ある者は、その者を前にすれば無意識に頭を下げ、平伏すという。
それは、座主の力の由縁…
地球に最も愛された『人間種』。その者は地球の力をその瞳に宿す魔眼を持ちし選ばれし存在!
『地球の魔眼』又は『救世の魔眼』と呼ばれる救世の力を持った最高能力者であったのだから。
座主は世界の有力者からの支持を受け、世界を救う者達を統べる指導者となったのである。
だが、その座主に対して疑念を感じる者達もいた…
その者達は座主のいる寺院に忍び込み、その命を狙いに来たのだ!
だが、この寺院…
幾重にも張られた結解と、武装した僧侶達に守られていた。
にも関わらず、その刺客達はやすやすと忍び込んで来たのだ!
まさに手練れ!優れ持つ異能力を持つ暗殺者達であった。
刺客達は座主の眠る部屋にまで忍び込むと、手にした武器を握りしめ眠っている座主に向かって一斉に襲い掛かった…
が!!
刺客達はその座主より放たれた霊圧により、弾き飛ばされたのだ!
刺客「何だ!この馬鹿げた力は!」
刺客達の周りは重々しい霊圧によって身体に異常な圧を感じる。押しつぶれそうになりながらも、手練れた刺客達は…
「怯むな!」
刺客達は印を結び気を高め、警戒しつつ再び座主の命を狙う。
だが、寝床から現れた初めて目の当たりにする座主の姿に刺客達は驚愕した。
「なっ!座主とは!?」
そこに現れたのは、胸元の服が乱れた妖絶に色っぽい女?いや?まだ未成年の女が現れたのだ!?
そう…
座主の正体は女だったのだ!しかも、絶世の美女…
特徴的なのは、その女の髪は長く伸びた…
緑色の髪だった。
「夜這いにしては物々しいの?」
緑髪の女が言葉を発すると同時に、刺客達の手に持つ不器に静電気が走り、全員が床に落としてしまう。
更に先程から感じていた重圧が増して、ついに刺客達は皆、床に押し潰されるように這いつくばる。
「うぐぅあああ!」
緑髪の女は、倒れ込んだ刺客達を見下ろし…
『なよなよな男はブザマよなぁ?全く骨のある男はいないのか?私を濡らす…いや、殺すくらいの男は!』
それは魔性の女と言うのだろうか?
刺客達は座主の持つ威圧に完全に戦意を失い、そのまま座主に屈したのだった。
この緑髪の女…
そいつは俺の知る卑弥呼と三千院の母であり、
何代も続く座主を引き継ぐ卑弥呼一族の中で…
最も強く激しく…
最も妖絶に魅惑的で…
最強と呼ばれるに相応しく。最も…ヤバい女だった!
そうだった!
そして、この女を交え…
もう一人の男の運命が大きく動き出した。
そいつは…
暗殺者
霊能者のみを狙う暗殺を生業とした男。
その男はライフルに自らの気を籠めると標的を覗いていた。男の指に力が入ると同時に標的は力なく倒れた。
男は遥か遠く数十キロ離れた場所から狙撃したのだ?
それも、この男の持つ力の成せる技…
特別製の気を弾丸に籠めて撃ち放つライフルの他に、男には瞳に特別な力を持っていた。
狙った獲物は必ず仕留める『鷹の眼』と呼ばれる紅色に輝く魔眼を!
男の名は…
『クリムゾン・ホーク』
後の不動鷹仁であった。
次回予告
三蔵「三千院の口から語られる人知れずに起きた聖戦?
それはロスト・ラグナロクと呼ばれた!」
新章!ラスト・ラグナロク編 開幕!