表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神を導きし救世主!  作者: 河童王子
114/200

空海の切り札!


夜刀ノ神の蛇眼に捕らわれていた座主と赤髪の男は蛇塚の活躍で解放された。


降三世明王と化した赤髪は夜刀ノ神との一騎打ちに勝利。


しかし、そこで大蛇の王が既に復活していると告げられたのだ。



俺は蛇塚軍斗…


俺…俺…


何もかも解っちまった!



全ての黒幕の正体を!



俺はその場で大声で叫ぶ。


『何処かで見ているんだろぉ!出て来い!お前が蛇神達の親玉だったのかよぉ!』


『光治!』



すると何時からいたのか?


祭壇の影から…


光治が現れる。



「軍斗君…」



光治はゆっくりと俺達の前に姿を現したのだ。



そして…



光治「なかなか面白かったよ?軍斗君…それにしても僕だとよく解ったね?褒めてあげるよ!」


蛇塚「あの日…俺はこの洞窟で全部見てたんだ…けど、何故らか今まで忘れていたんだ」



そうだよな…


あの日…


洞窟の中にいたのは…



俺と大人達の他に、先に洞窟の中に入って行ったお前だけだったもんな?


けど、どうしてお前が大蛇の王なんかに!



蛇塚「光治…他の皆が変になったのに、お前だけ昔のまんまってのも変な話だもんな…」


光治「まぁ~そりゃあ、そうだよね?アハハ!でもさ?まさか軍斗君までこの島に来るとは思わなかったよ?正直!」


蛇塚「?」


光治「だって、君は劣等種だよね?使えないし、意味ないじゃん?正直、必要ないんだよ!軍斗は!」


蛇塚「な…何だとぉ!」


光治「そう…必要なのはお前の妹の詩織だけだ!」


蛇塚「どういう意味だよ?詩織をどうするつもりなんだ!」


光治「ある意味、お前と僕は兄弟みたいなもんだよね?ははは!」


蛇塚「どういう事だよ?」


光治「軍斗も見たんだろ?僕の時と同じさ!詩織にはお前の母親と同じく僕と同じような大蛇神を産んでもらうんだよ!今から始まる儀式でね!」


…母さんと同じ?



蛇塚「そんな事をさせてたまるかぁ!詩織は俺が必ず救ってみせる!」


光治「そんな事が出来るのか?無力なお前に?無力って罪だよな…昔の人間だった僕がそうだったから解るよ!無力は罪だ!何も出来ない!生きる意味がない!生きていても無駄なんだよ!」


蛇塚「お前…?」



また変な事を?


どうして人間の時の記憶を引きずるような台詞を?



光治『だから僕は…人間を捨てた…人間を捨てて神になった…蛇神に…大蛇神に…大蛇の王になぁ!』」



次第に光治の足元からとてつもない力の波動が!妖気が立ち込め始める。


祭壇が揺れ始め…


俺は立っている事も出来ずに尻餅をついてしまった。


光治『アハハ!何だよ?そのザマは?』



すると光治は倒れた僕に手を差し出したのだ?



光治『昔とは逆だね…』



俺は光治の出された手を握ろうとした時…


「少年!逃げるんだ!」


空海さんが叫び、俺は手を引っ込めたのだ。


すると光治の右腕が大蛇に変化して、俺を飲み込もうと口を広げて襲っ来たのだ!


蛇塚「うわあああ…」



俺は背中を空海さんに引っ張られて助かった。



光治『チィ…惜しい!一思いに喰ってやろうかと思ったのにな!』



ハァ…ハァ…


危なかった…



そんな俺を庇うかのように、降三世明王の姿の赤髪と綺麗な女子[座主]が前に出る。



赤髪「少年!お前は下がっていろ!ここから先は私達の仕事だ!」


座主「空海殿!その方を頼みます!」



空海さんは頷き、俺を守るように術札を巻き印を結ぶと防御結解を張る。



俺は立てなかった…


本当に無力だ…俺…



目の前に詩織がいるのに!


助けなきゃならないのに!


光治はそんな俺を庇う僧侶の姿をした二人を見て、



光治『そうだった…どうも邪魔な輩が入り込んでいたのだったね?うちの蛇達がお世話になったようだけど、君達は何者なんだい?』


すると赤髪は言った。



赤髪「我々は貴様のような世界に仇なす化け物を退治するために組織された密法衆だ!」


光治『何それ?正義の味方かなんかのつもりかい?人間が神に勝てると思ってるのかな?でも、ただの人間じゃなさそうだけど無理だと思うよ?あはは』



赤髪の男は負けじと言い返す。



赤髪「我々は人であって人にあらず!」



確かに…


あの赤髪のお兄さんは人間の姿じゃねぇよ…


明王の魂を身に宿したとか言っていたけど?


俺から見たら、あの赤髪の兄さんも化け物だよな…




それに比べ、あの女子はまさしく女神だ!!


何時間でも見てられるぜ!


…と、また脱線してしまった!



やっぱり解らない…


解らない事ばかりだ…



光治は余裕の笑みで二人を見下した後…



『儀式に貴様達の魂も贄にしてやろう!』



すると光治の両肩から二匹の蛇が現れる。



光治『さてと…』



光治が合図すると同時に両肩の蛇から凄まじい妖気の波動が放たれたのだ!



「ぐわああああ!」



その威力は余りにも凄まじく、危険だと感じた降三世明王の姿の赤髪が美しいお姉さんを守るように盾となり弾き飛ばされる。


倒れた赤髪は人間の姿に戻っていった。



また、俺を守るために作られた空海さんの防御結解も一瞬で壊され…


俺達は…


たった一撃で成す術を失ってしまったのだ。




光治はそんな俺達を見て言った。



光治『その程度で俺に…大蛇の王に逆らうなど笑わせるな!貴様達はそこに這いつくばり、これから行われる儀式を見ているのだな!この儀式が始まれば…この地は!いや、世界は大蛇に埋め尽くされるのだ!』



その口調は昔の…俺の知る光治じゃなかった。


そうだ…


見た目は光治でも、中身は光治から知識や記憶を奪った化け物だったんだ!



余りにも昔の話を自分の事のように話すから、また錯覚しちまっていた…



光治だけじゃない…


父さんも、千亜も…



もしかしたら詩織だって…


落胆する俺。


その時、あの綺麗な女子が立ち上がる。



座主「空海殿!例のモノの用意を!」


空海「座主様…本当に宜しいのですか?」


座主「今、この危機を打破出来るのは、あの力だけです!」



例のモノって?確か空海さんが言っていた切り札って奴か?


そんなもんがあるなら、さっさと使えば良いのに!



だが、その甘い期待は…


空海さんの次の言葉で悔やむ事になった。



空海「あの力は、悪魔の力…使えば必ず、その使い手の命を食らいつくす両刃の剣…」


座主「…解っています」


空海「座主様!この力!この私が使わせて戴きます!」


座主「空海殿!何を!?それは私が使うべきです!その力は、亡き母が命懸けで封じた力なのですから!」


俺は詳しく内容までは理解出来なかったが、その切り札って奴は…


使ったら死んじまうのかよ!



止めてくれよ…


もう、誰も死んで欲しくないんだよ…俺は…


俺は二人に向かって叫ぶ!



蛇塚「待てよ!その力って奴を俺に使わせてくれないか?使ったら死んじまうんだろ?これは、この島の問題だ!この島の事は島に住んでた俺がケリをつけるべきだろ!」



そんな俺に空海さんは言った。


空海「少年…気持ちは有り難いが、君のような普通の人間には使えぬ品物なのだ!」


蛇塚「そんな…」


空海「それに座主様!貴女はこの先の未来に必要な方!今、ここで死なせる訳にはいきませぬ!」



座主「く…空海殿!」



そう言って空海さんは止める座主の女子さんを残して…


光治の前に出たのだ!



空海『これより我達が切り札を見せよう!』



空海さんは己の左腕を掴むと、一気に引き抜く。


蛇塚「なっ!何を!?」


空海「心配するでない?この腕は義手だ!この義手に封じられし神を、この地に召喚する!」



空海さんは義手を右手で掴み念を籠めると、義手は巻物へと変わっていく。



空海『今よりいでよ!』



空海さんが切り札を見せようとしたその時、空海さんの背後に影が?


そして俺達は目の前で起きた出来事に、身動き出来ずに、ただ茫然と見ているしか出来なかった。



空海さんが切り札の召喚術を行うその一瞬、その背後より現れた何者かによって背中を日本刀で斬られたのだ!?



ゆっくりと倒れていく空海さん…



その背後に立っていたのは?



倒れる空海さんを冷たい視線で見下ろす…



怪我で待機していた空海さんの弟子の霧谷さんだったのだ!



次回予告


三蔵「何?何?大蛇の王が復活しただけでも大問題だったのに他に何が起きているってんだよ?」


蛇塚「くそ~今、思い出しただけでも忌々しい!苛立つ!怒りが込み上げる!」


三蔵「あの霧谷って何者なんだよ?空海の弟子じゃなかったのかよ?


まさか大蛇の王の仲間なのか?」


蛇塚「そう言えば、バサラさんとも因縁がありそうだったけど、やはり俺がこの手でぶん殴ってやる!イライライライラ!!」


三蔵「無視すんなよ!気になる~」


蛇塚「黙ってろ!!」


三蔵「・・・酷い」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ