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29.表向きの理由の一つ

「いた、いた!!」

高射砲を確認した時赤松は叫んだ。

「目標確認。全機、攻撃始め。片っ端から喰え!!」

無線機のマイクにそれだけ言って赤松は最初に撃ち始めた砲に向かってロケットを撃ち込んだ。それを確認した僚機はそれぞれが狙いをつけた目標目掛けてある機体はロケットをある者は機関砲を撃ち込んだ。ソ連軍もそれを黙って見ているわけではなく高射砲や機関砲を負けじと打ち上げ、赤松隊は盛大な花火大会の中に突っ込んだ。

「あぶっ!!被害報告!!」

巧みにそれを交わして一度ソ連陣地を通過した赤松が無線に怒鳴りつけた。

「3番、被害なし」

「6番、破片で風防にヒビがありますがいけます」

「2番、航法士負傷も軽傷」

「12番、神崎が死にました」

次々と報告がやってきた。

「赤松より全機、攻撃可能な者は再攻撃かけるぞ。ダメな奴はすぐさま葛城に帰還しろ」

これにより3機が攻撃不能と報告してきたので戦闘機隊から分離した2機を護衛役としてつけて葛城に帰還させた。残りは戦闘機隊の一部と共に再びソ連陣地へ向かった。


ソ連軍陣地

「第1、使用可能」

「弾薬持って来い。また、来るぞ!!」

「負傷者の搬送中止!!動ける奴は適当なトコに回れ。動けないのは蛸壺に放り込め」

「クソッタレ!!今度は叩き落とす!!」

「誰か機関砲に回れ。人がいない」

「どけ!!邪魔だ」

先程の攻撃の後始末もそこそこに彼らは攻撃隊に対する迎撃態勢を整えた。迎撃態勢はすぐさま完了し、日本軍機を確認すると彼らは少なくなった火器を空へ打ち上げた。

初手でロケットを撃ち尽くした機体が少なくなかった為に航空隊のほとんどは翼に取り付けた外付けの30ミリ機銃による掃射で攻撃していた為に攻撃隊はかなりの被弾を許し、1機がパイロットを直撃してそのまま墜ちていった。だがそれはある程度高射砲が密集している場所へと墜落し多くの高射砲を道連れにした。

第2次攻撃を終え、周囲を確認していた赤松はニヤリと笑って笹井に無線を繋げさせた。

「隊長、この辺りの高射砲は片付けられたようですね」

「ああ、こっちでもそう見えた。作戦は成功かな?」

無線越しでも嬉しそうだとわかる声で笹井が言った。

「ええそのようで」

「よし、帰るか。……っとその前に、238。作戦はご覧のとおり成功だ」

笹井は赤松達が攻撃中は上空警戒の任にあたっていたがその最中に発見した238航空隊に声を掛けた。

「は、はい。了解しました。ありがとうございます」

「気を付けて行けよ」

「はい」

そう言って彼らは千歳飛行場に作戦成功の合図を送った。それを受けた千歳はすぐさま発進命令を出し全航空隊は一つしか使えない滑走路に入る事を苛立ちながら待つ事になった。その連中を尻目に一番初めに飛べる事になった航空隊が飛び立っていった。

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